6/3スタート!村井良大に聞く前代未聞の法廷朗読劇『猫と裁判』開幕直前インタビュー!

  • 2014-6-3

少数精鋭の役者陣たちが織りなす前代未聞の法廷朗読劇『猫と裁判』が、いよいよ6/3より全労済ホール/スペース・ゼロにて開幕。本作に出演する村井良大さんに、作品にかける思いを語っていただきました。

村井良大さん

村井良大さん

【あらすじ】
どこにでもいる平凡な女性が犯した猟奇的な殺人。「平成の阿部定」とも騒がれた難事件を担当するのは、老いぼれた弁護士と部下。その殺人事件を紐解くうち、誰にも理解できぬ彼女の心の深い闇と、法の落とし穴が浮かび上がる……。果たして、神様からも見捨てられた彼女を救えるのは誰なのか?

――原作の小説はお読みになりましたか?

村井 はい。最初に台本を読んで、その後に原作を読ませていただきました。人間の悪いところや闇の部分がたくさん書いてある作品なんですけど、「これって自分の身近でも起きる可能性があるんじゃない?」っていうぐらいの距離感で書かれているんです。「人間って、こんなに簡単に裏切ったり人を傷つけたりするんだ」と思うとゾッとしました。

――主演は白石美帆さん、共演に大和田獏さん、徳山秀典さん、太田基裕さん、小谷嘉一さんがいらっしゃいますが、お会いした印象は?

村井 大和田獏さんとはパロディー満載の某舞台で(笑)、もっくん(=太田基裕)とは何度も共演していますけど、小谷さんとそれ以外の方々とは今回が初共演になります。でも僕が直接お芝居で”からむ”のは白石美帆さんぐらいなのかな? 白石さんとは顔合わせの時に初めてお会いしたんですが、最初から白石さんに拒絶されちゃいました(苦笑)。

――え? それはなぜ?

村井 既に気持ちが役に入っていたみたいで、僕が話しかけても「あ……はい」みたいな感じで、あんまり目を見てくれなかったんです。「あぁ、役に入り込む女優さんなんだ。いいなぁ」と思いつつ、「嫌がっている白石さんに、さらに嫌がられたいな」ってこともちょっと考えちゃいました(笑)。

――村井さんの”S心”が芽生えてしまったわけですね(笑)。

朗読劇はホントに難しい! でも人間力=役者力を磨ける場だと思って挑みたい!

朗読劇はホントに難しい! でも人間力=役者力を磨ける場だと思って挑みたい!

村井 この作品で演じる僕の役は、いかに白石さんに嫌われるかが大事なので、稽古でもどんどん白石さんに嫌われたかな(笑)。

――それは辛い役回りですね(苦笑)。一方、徳山秀典さんの印象は?

村井 パンフレット撮影の時に一瞬お会いしてご挨拶をしたんですけど、ちゃんとお話したのは過日の対談取材が初めてです。なんか不思議な方ですね。

――どう不思議だったんでしょう?

村井 まず年齢が32歳って聞いてびっくりしました(笑)。僕、20代後半ぐらいの方だと思っていたので「意外と年上なんですね」って言ってしまいました。スーツが似合いそうなので、今回の若手弁護士役はピッタリですね。
あと僕、演出のなるせゆうせいさんとお仕事するのも初めてなんですよ。以前、なるせさんが書かれた脚本のお芝居はやったことがあるんですけど、なるせさんに演出をつけていただくのは初めてです。この難しい本をどうやって砕いて消化するんだろうって、すごく楽しみでした。
作家の方は女性なので、女性が脚本を書くのかなと思っていたんですよ。女の人が書いた方がある意味残虐だったりするじゃないですか(苦笑)。そこを男性のなるせさんが書くことで、どうなるんだろうっていうのは、すごく興味ありました。僕ら役者がどう”料理”されたのかお楽しみに。

――村井さんは朗読劇は何度か経験があると思いますが、いかがですか?

村井 朗読劇って難しいですよね。「ただ本を読んでいるだけ」になってしまわないように……。なるせさんの演出に注目です。

――私の中で村井さんは”動いてこその村井さん”なので、朗読劇の概念を超えたアクティブな演出になることを、ちょっと期待しています(笑)。

村井 あはは! “止まってこその村井”と言われるようになりたいです(苦笑)。朗読劇は、ちゃんと語りかけなきゃいけないんですよ。
たとえばお母さんが子供に読み聴かせる絵本も、お母さんはただ絵本を読んでいるわけじゃないじゃない。子供の反応を見ながらたまに目を合わせて理解しているのかを確認しながら読み進めていくじゃないですか。
朗読劇も観客の反応を見ながらやらないと……それがすごく難しい。そう考えると、朗読劇=役者の人間力になるんでしょうね。

――どう展開していくのか楽しみですね。キャストの皆さんの追い詰められ具合とか(笑)。

村井 そうですね。僕としては変に奇をてらうことなく、でも普通の人の中にこそ狂気が潜んでいるのかもしれないよという部分を出すことで観客の皆さんを”ゾッとさせたい”ですね。

――怖がらせるのではなく、ゾッとさせる?

村井 ん~、”ゾッとさせる”んじゃなくて、正しくは”ゾッとしてもらう”ですね。たとえばホラー映画だと何もないところ「いつ出て来るか?」みたいな気持ちでビクビク歩いているのが一番怖いけど、実際にオバケやゾンビが出てきたらそんなに怖くないじゃないですか。そんな感じで”目には見えない気持ち悪さ”のような、何かそういうドキドキ感っていうのかな? みんなの心拍数を上げるような”空気”をステージ上に作り上げることができたらいいなって思います。

(取材・撮影:近藤明子)

☆Information

朗読劇 『猫と裁判』
日程: 6/3(火)~6/8(日)
場所:全労済ホール/スペース・ゼロ
原作:「その猫に何が起こったか?」(野村桔梗)
脚本・演出:なるせゆうせい
出演:白石美帆、徳山秀典、太田基裕、小谷嘉一、山川ありそ(少年社中)、疋田英美、安藤ヒロキオ、さいださだこ、村井良大、大和田獏
チケット料金:¥5,800(全席指定・税込)
問合わせ:CLIE 03-3409-5154(平日11:00~18:00)
《公式サイト》
http://www.clie.asia/nekosai/

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