加藤和樹『SPICY BOX』インタビュー③「『レディ・ベス』は再演だけど気持ちは初演。常に新鮮な想いで役と向き合っています」

  • 2017-10-20

10月18日に6曲入りミニアルバム『SPICY BOX』を発売した加藤和樹さん。
「テーマは“大人のROCK”。とにかくカッコイイものを作りたかった」という本作は、激しいギターサウンドが印象的な先行配信の表題曲「Myself」を含む6曲が収録された、刺激的(=SPICY)な1枚となっています。

『SPICY BOX』初回限定盤ジャケット

『SPICY BOX』初回限定盤ジャケット

『SPICY BOX』通常盤ジャケット

『SPICY BOX』通常盤ジャケット

楽曲制作の裏話やレコーディングエピソード、そして現在公演中のミュージカル『レディ・ベス』再演や2018年1月の主演ミュージカル『マタ・ハリ』に挑む心境など、3回にわたってたっぷりと語っていただきました。

そのPart③は――

現在出演中のミュージカル『レディ・ベス』で新たなロビンの魅力をお見せします!

現在出演中のミュージカル『レディ・ベス』で新たなロビンの魅力をお見せします!

【『レディ・ベス』初演から3年半。再演の稽古場では演出家から「シブ過ぎる」とダメ出しが!?】

――ここから近況を伺えたらと思います。あと数日で『レディ・ベス』の再演が始まりますね。(※インタビューは10月上旬に行われました)

加藤 再演ではありますが、気持ちは初演です。今回、再演をやるにあたって脚本のミヒャエル・クンツェさん、作曲のシルヴェスター・リーヴァイさんからも「ここをもっとこうしたい」とブラッシュアップされた部分がけっこうあり、新曲も加わりました。

――今回の再演に向けて、稽古が始まったのはいつ頃からですか?

加藤 8月末くらいから歌稽古が始まって、9月から本稽古に入ったんですけど、時間が足りない! 初演の時は世界で初めて上演される作品ですし、台本や歌詞を日本語に直すなど様々な準備で時間が足りなかったけど、今回もいろいろ新しく変えることによって同じ現象が起こっていたわけです。だからさっきも言ったように「気持ちは初演」っていうことなんですよね。初演を観たお客様が今回の再演を観たら、きっと驚くと思います。

――具体的にどの辺が変わったというのは……ネタバレにならない程度で説明をお願いします。

加藤 簡単に言うと、『レディ・ベス』がどんな物語なのか、なぜ彼女がロンドン塔に幽閉されなければならなかったのか、姉・メアリーとの人間関係などがより浮き彫りにされ、分かりやすくなりました。上演時間が多少短くなって削られたシーンもありますが、演出の小池修一郎先生いわく「その分、内容がギュッと凝縮されている」とおっしゃっていました。

――加藤さんが演じるロビン・ブレイクは、再演でどう変わりましたか?

加藤 登場人物の中で彼だけが架空の人物なので、「物語の中でロビンの役割って何だろう?」というところを今回改めて考えさせられました。別にロビンがいてもいなくてもベスは女王になっただろうし、でも“彼”と出会ったことによってベスが人間的にどう魅力的になっていったのか……。『レディ・ベス』はエリザベス1世が即位するまでの物語ですが、ロビンとの出逢いでひとりの“女性”としてどのように成長し強くなっていったのか、観る方に想像させるような魅力的なロビンであらねばいけないなと思っています。でもね、初演から3年半が経つと僕ら演者も大人になりますから「若さ」が……小池先生にダメ出しで「お前はシブ過ぎる」って言われたんですよ(苦笑)。「シブイ」って男性にとってはほめ言葉として喜ぶべきところなんですが、ロビンは夢を追い求めるエネルギッシュな若者ですからね。発せられる言葉の柔らかさが大人の落ち着きや包容力を感じさせてしまうとのことなので、出来るだけそれを排除して、なおかつ若さを無理やり作っている感じに見えないふうにするのが、今回の僕のロビンの課題です。

――『レディ・ベス』の後には、来年1月に主演ミュージカル『マタ・ハリ』が上演されます。こちらの作品ではフランス諜報局のラドゥー大佐と戦闘パイロットのアルマンの二役を演じるんですね。

加藤 この間、キー合わせのため楽曲を歌ったんですけど、難しい曲もあり……一番心配なのは、ラドゥーとアルマンのデュエット曲で単純にパートを間違えないかっていうことかな(苦笑)。

――ところで、加藤さんがフランク・ワイルドホーンさんの作品に関わるのは『マタ・ハリ』が初めてと聞いて、ちょっと意外でした。

加藤 そう、初めてなんですよ! 彼の楽曲は「歌い上げるナンバーが多い」とかいろいろ言われていて、確かに『マタ・ハリ』の曲はその印象が強いですね。

――以前、ワイルドホーンさんの作品に出演した方にインタビューをさせていただく機会があったのですが、「僕の曲を最後まで歌いきるにはパワーが必要だから、お肉をいっぱい食べなさい」と言われるらしいですよ。

加藤 あはは! 確かにパワーは必要かも。ストーリー性のある曲が多いので、そこをいかに役者がくみ上げて、最後の歌い上げのところまで持っていけるかが大事になってくるでしょうね。

――ラドゥー役のWキャストに『タイタニック』で共演した佐藤隆紀さん(LE VELVETS)、アルマン役のWキャストにはミュージカル『薄桜鬼』をはじめ2.5次元作品で人気の若手俳優・東啓介さんがいます。

加藤 シュガー(=佐藤さん)とは久しぶりの共演。Wキャストで同じ役を演じるのが今から楽しみです。東くんとは今回が初共演になりますが、先日初めて会って背の高さに驚きました。僕も181cmあるので人を見上げることってほとんどないんですけど……共演者を見上げるなんて経験、城田優以来じゃないかな? これから3人で相談しながら魅力的なラドゥーとアルマンを作っていきたいと思います。

――最後に近況を伺いたいのですが、最近“Spicy(=刺激的)”な出来事はありましたか?

加藤 最近はずっと稽古場と家の往復だったので、あまりプライベートな時間がないんですよ。帰宅してもその日にあった稽古の復習をしたり、ちょっと携帯のゲームをやったり、出演したアニメを見るぐらいで……。あ! でも『デスノートTHE MUSICAL』を観に行った時はすごく刺激を受けました! 浦井健治さんと柿澤勇人さんの両方のバージョンを観たんですけど、原作に忠実なのは浦井さん、自分のありのままを行くのが柿澤さんって感じで、どちらも違ったライトですごく良かった。僕は原作ファンなので、自分が『デスノート』に出演するなら、ぜひリュークを演じたいな(笑)。2018年の秋には『タイタニック』の再演も決まりましたし、まだ話せないけれど来年も素敵な作品との出逢いが……。もちろん音楽活動も全力で頑張るので、引き続き応援をよろしくお願いいたします!!

現在、ミュージカル出演の合間を縫って各地で発売記念イベントを開催中。
握手会や特典お渡し会のほか、ミニライブでいち早くミニアルバムの曲に触れる機会も。
日程・開催場所・イベント内容などは、下記Informationより公式サイトをチェックしてください。

~了~

(取材・文/近藤明子)

☆Information

加藤和樹『SPICY BOX』
10月18日発売
【初回限定盤】TECI-1558 / ¥2,778+税 / CD+DVD
【通常盤】TECI-1559 / 定価:¥1,852+税 / CD
CD 収録内容(初回限定盤・通常盤共通)
「con・fu・sion ~心の叫び~」
「Myself」※TBS系「谷原章介の25時ごはん」10月度エンディングテーマ
「Heart Beat」
「君は Fragile」
「I’ll be there」
「to you」
DVD 収録内容(初回限定盤のみ)
「Myself」Music Video、メイキング映像
《公式サイト》
http://www.katokazuki.com/
《公式ブログ》
https://ameblo.jp/katokazuki-blog/
《公式Twitter》
@kazuki_kato1007
《テイチクエンタテインメント》
http://www.teichiku.co.jp/artist/kato-kazuki/

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