加藤和樹主演舞台『罠』7/13開幕直前SP① 7年ぶりの主演舞台『罠』で、大人のサスペンスに挑む!

  • 2017-7-11

加藤和樹さん主演舞台『罠』が、7月13日の亀有公演を皮切りに、15日より大阪公演、8月8日より東京公演が開催されます。
1960年に、フランスの劇作家ロベール・トマが書き下ろしたサスペンスの傑作戯曲『罠』。
手に汗握るスリリングな会話劇は日本でも何度か上演され、毎回演劇ファンの喝采を浴びて来た傑作舞台です。

《あらすじ》
「あなたの妻です」と言って現れた見ず知らずの女性。
巧妙に仕組まれ、張り巡らされた罠。
手に汗握るスリリングな展開。
いったい犯人は誰なのか――?
6人の男女の騙しあいと駆け引きの果てに、物語は驚愕の結末を迎える!

2010年に、舞台初主演を果たした思い出深い作品に、この夏再び挑む加藤和樹さん。
主人公のダニエル役について、初演・再演を経て再び挑むことへの想い、2017年版への意気込みなど、たっぷり語っていただきました。

SpecialインタビューPart①は――

主演・ダニエル役の加藤和樹さん

主演・ダニエル役の加藤和樹さん

【7年前は作品の中に張り巡らされた巧妙な“罠”にはまって、人間不信になりそうでした】

――最初に、今回出演が決まった時のお気持ちをうかがえますか?

加藤 ただただ「楽しみ」のひと言です! 初演から7年が経ち、32歳を迎えて再びこの作品に挑むチャンスをいただけて、とても嬉しく思います。

――7年前というと、加藤さんが25歳の時ですね?

加藤 はい。今にして思えば「若さゆえの」という表現が、当時僕が演じたダニエルにはピッタリだったと思いますが、今の32歳の僕が演じることによって、その印象がどう変わるのかが非常に楽しみです。演出の深作健太さんとディスカッションをしながら、“ちょっと大人になったダニエル”を楽しく作り上げていきたいと思います。

――ストーリーに関しては、今回も詳細は話せないということで……さて、何を聞きましょうか(苦笑)。

加藤 あはは! 以前も「結末は話せない」「登場人物の詳細も書けない」ということで、話がすぐに終わってしまって困った思い出があるけれど、物語がラストに向かってどう転がっていくのか、常に緊張感を持って観ていただくことが、この作品の一番の見どころですからね。観劇される方は絶対に結末をつぶやいたりしないようにお願いします。

「結末を知った後、必ずまた観たくなる舞台です」

「結末を知った後、必ずまた観たくなる舞台です」

――初演を観ましたが、登場人物たちの会話に集中するあまり、観終わった後は観客も疲労困憊する作品という印象でした(苦笑)。「絶対にこの人が嘘をついている」と思っても、途中で「あれ? もしかしたら嘘ついているのは、こっちの人かもしれない」と頭の中でグルグルして大変でした。

加藤 おっしゃる通り、舞台上の僕らと観客の皆さんが、疑心暗鬼になっている空気で作られる舞台が『罠』。自身が罠に陥るのか、相手を罠にはめるのか……僕自身、役に入り込み過ぎて初演の時は軽く人間不信になったのを、すごく覚えています(笑)。

――25歳の加藤さんが演じた初演の若きダニエルと、32歳になった加藤さんが演じる今回のダニエルでは、どのように印象が変わる予感がありますか?

加藤 初演時は僕自身がダニエルを演じることに“いっぱいいっぱい”で、それが追い詰められるダニエルの姿とリンクして、観客の目にはリアルに映ったと思うんです。今回も追い詰められることに変わりはないけれど、芝居の合間にダニエルが有利になる情報を挟み込んだり、表情や行動にある種の余裕を持つ瞬間があってもいいのかな、とちょっと考えています。あとは深作さんや共演者の方たちと稽古で確認しながら2017年版のダニエルを丁寧に作り上げたいですね。

――精神的にも体力的にも過酷な舞台だったと伺っていますが、初演時で特に印象に残っていることは何でしょう?

加藤 やはり何といっても膨大なセリフの量ですよ。今回の2017年版の台本を受け取ってパラパラと見た感じでは大きな変化はなさそうで……。まだちょっとしか読んでいないけれど、意外と覚えていた事に自分でも驚きました。この状態ならセリフを入れる(=覚える)のも早く出来そうかな? とはいえ、ただ覚えればいいというものではないのが会話劇。各キャラクターの“居方”“本音”“意図するところ”などを考えながら気持ちを作っていかなきゃいけないですから。
『罠』は“騙し合い”の物語。会話の中で誰が本音を言って、誰が嘘を言ってるのか探り合いの緊張感が一番の見どころ。もちろんお芝居なので決められたエンディングに向かって話は進んでいくわけですけど、そこに向かう途中での言葉のせめぎ合い、プレッシャーの掛け合いといったギリギリの緊張感を、これだけ楽しめる作品はなかなかないと思うんですよね。
初演の時には「もう誰も信じられない!」「実はみんな、僕を追い詰めるのを楽しんでいない?」という心境になるくらいズタボロに追い込まれました(苦笑)。

――今回の共演者にも、追い込まれそうですか?

加藤 エリザベート役の白石美帆さんは初演で、ベルトン役の初風緑さんとは再演で共演したのですが、追い込まれていく僕の様子をリアルタイムで見ていた二人が、今回どんなお芝居で追い詰めて来るのか楽しみです(笑)。
メルルーシュ役の山口馬木也さんは今年の春に『ハムレット』でご一緒して、『里見八犬伝』『真田十勇士』などでも共演しているのでなんだかいつも一緒にいる感じ(笑)。陽気な雰囲気の画家役という事もあって一緒のシーンは安心感がありますが、このメルルーシュも実は……おっと、これ以上は言えない(笑)。
マクシマン神父役の渡部秀くんとは『里見八犬伝』以来の共演になりますが、年下の若い神父をどう演じるのか楽しみです。カンタン警部役の筒井道隆さんとは今回が初共演ですが、出演されている作品の印象から威厳のある警部としてダニエルを追い詰めてくれるのか、怖くもあり楽しみでもありますね。

「大人の魅力漂う大人のサスペンス作品を届けられたら……」

「大人の魅力漂う大人のサスペンス作品を届けられたら……」

~後編に続く~

※公演詳細は、下記Informationをチェックしてください。

(取材・文/近藤明子)

☆Information

舞台『罠』
【かめあり公演】
日程:7月13日
場所:かめありリリオホール
【兵庫公演】
日程:7月15日~7月16日
場所:兵庫県立芸術文化センター阪急中ホール
【東京公演】
日程:8月8日~8月15日
場所:サンシャイン劇場
作:ロベール・トマ
訳:平田綾子
演出:深作健太
出演:加藤和樹 白石美帆 渡部秀 初風緑 山口馬木也 筒井道隆
《公式サイト》
http://wana2017.jp/

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