- 2017-6-17
いよいよ6月21日より全労済ホール/スペース・ゼロにて開幕する、「おんすてーじ「真夜中の弥次さん喜多さん 双(ふたつ)」」。
しりあがり寿氏の大人気コミックを原作とする本作は、2005年に長瀬智也さんと中村七之助さん主演で映画化もされた、リヤル(=リアル)と幻覚が入り混じった奇想天外な世界を描いたハチャメチャ時代劇コメディ。
歌・ダンス・ヒーローショーを交えた衝撃(笑撃!?)の初演から約1年半……待望の新作公演に向けて、主演の唐橋 充さん、藤原祐規さん、そして「弥次喜多」初参加の米原幸佑さんにインタビュー!
前回公演の裏話や作品の魅力、そして新作公演にかける意気込みなど、3回に渡ってじっくり語っていただきました。
そのPart③は――
【前作を越えられるかではなく、今回は最高だったと言われたい!】
――改めて「真夜中の弥次さん喜多さん」の魅力を、伺えたらと思います。
藤原祐規(以下:藤原) 原作漫画を読んで「この物語の“拠所(よりどころ)”はどこかな?」と考えた時に、「やっぱり弥次さん喜多さんの二人が愛し合っているところが大きいな」と感じたので、 “おん・すてーじ”も好き同士の二人が可愛く見えたらいいなと思っています。
――唐橋さんは?
唐橋 充(以下:唐橋) 同じです♡
藤原 こらこら!(苦笑) ちゃんと唐橋さんの言葉で言ってくださいよ!
唐橋 まぁ“伝えなきゃいけない”=“楽しんでばかりもいられない”っていうところがありますからね。
――でも、今回こうして第二弾への出演を決めたということは「辛い」とか「苦しい」とうことはなかったんですよね?
唐橋 そういうマイナスの感情はなかったですね。「楽しいなんて思ったのは久しぶりだな♪」っていうぐらい、演じていて楽しかったです。
藤原 結局、楽しいんかい(笑)。
唐橋 それがこの作品の魅力ですね。僕の個人的な考えですけど、毎回舞台で同じ芝居をするということは、いかに新鮮さを繰り返す“再現マシーン”にならないといけないかっていうことだと思っているんですよね。それって本来はひとつも楽しくないはずなんです。ただ、やっぱり毎回目の前で起こることに対して「うわっ!」「お?」ってやっているうちに、それはビックリするし、楽しいし、哀しくもなったりする。それが芝居というものだし、「おん・すてーじ「真夜中の弥次さん喜多さん」のカンパニーなら自然と楽しく“それ”が出来た。ただそれだけなんですよね。
米原幸佑(以下:米原) お二人の話を聞いていて、早く稽古したい気持ちになってきました。最近は巻き込まれる方の役が多かったんですけど、今回は引っ掻き回す役のようなので、思いっきり共演の皆さんをひっかき回して芝居でぶつかれたらいいなって思います。作品の雰囲気もまだ分からないし、稽古も始まっていないけれど、すごく楽しみです。(※取材は5月に行われました)
唐橋 どうする? すごくピリピリした現場かもよ?
米原 まぁ、ピリピリしたらピリピリしたで、それも面白いと思うんですけど。
――何か稽古で期待していることはありますか?
米原 最初の方で話題に出た、座長からのケータリングが楽しみですね!
唐橋 そんな、稽古中から甘やかさないよ。
米原 僕、あんまり藤原さんにご飯に連れて行ってもらったことがないし。
藤原 え? ここでそれ言う?(笑) でもケータリングってスゴイよね。以前、一緒にお仕事した方がオシャレな美味しい食べ物を毎回差し入れてくれてたんですけど「なんで美味しいお店ばっかりそんなに知ってるの?」ってキュンとなったのを思い出しました。
唐橋 美味しいのはもちろんだけど、女性キャストうけするようなオシャレな差し入れをする人は「さすが座長!」ってなるよね。
――例えば前回だと、どんな差し入れをしたんですか?
唐橋 “うまい棒”ですね。
藤原 常にあったのが、カントリーマアム、アルフォート、キットカット……。
唐橋 あと歌舞伎揚げ。
米原 歌舞伎揚げ、美味しいですよね。
――ちなみに今回はどんなものを差し入れようと考えていますか?
唐橋 どんなものって……あとで藤原さんと相談します(苦笑)。
藤原 とりあえず千秋楽のお弁当に力を入れましょうか。
唐橋 だよね。稽古場は戦場なんだから、美味しいものとか、おしゃれケータリングとか、そんな甘いこと言ってたらダメですよ!
――では最後に、公演を楽しみにしている皆様にメッセージをお願いします。
米原 今回、僕は「弥次喜多」カンパニー初参加ですが、前回観たお客様の期待値や原作ファンの期待値はとても高いと思います。前作を越えられるかどうかではなく、「今回も最高だった!」と言っていただけるように、弥次さんと喜多さんを一生懸命に支えられたらなと思っています。よろしくお願いします!
藤原 昨年の初演時の「弥次喜多」が無印の「弥次喜多」で、今回は「in DEEP」のストーリーがメイン。さらに話がディープになり、台本を読んだだけではどうなるのか想像もつかない作品になっていますけど、今回もお客様を圧倒したいですね! 「なんか分からないけど面白い。見入っちゃった!」「すぐ時間が過ぎちゃった」「終わった後も、ちょっと椅子から立ちあがれないな」ってなれば最高だなと思ってます。そのために必要なことが“何”なのか、今はまだ全然分からないけれど、稽古場で演出の川尻さんとも相談をしながら、カンパニーのみんなでいろいろ試していきたいなと思っています。
唐橋 個人的な事ですけど、前回の反省点のひとつで「稽古場に歯ブラシを持っていくのを忘れた」っていうのがあったんです。
藤原 え? それ必要?
唐橋 今回こそは忘れずに歯ブラシを持参して、藤原さんとの“ぶつかり稽古”を……ふたりで肌を合わせながら、汗でビチョビチョになりたいと思います。40歳の男(=唐橋)と40歳間近の男(=藤原)の汗を、ぜひ最前列でご覧ください。
藤原 この部分だけ読んだ人は「「弥次喜多」ってそういう話なの?」ってビックリしそうな気がする(苦笑)。
~了~
Ⓒしりあがり寿/2017おんすて弥次喜多
(取材・文/近藤明子)
☆Information
おん・すてーじ「真夜中の弥次さん喜多さん」双(ふたつ)
日程:6月21日~6月25日
場所:全労済ホール/スペース・ゼロ
原作:しりあがり寿(「真夜中の弥次さん喜多さん」マガジンハウス刊行/「弥次喜多 in DEEP」エンターブレイン刊行)
脚本・演出:川尻恵太(SUGARBOY)
音楽:あらいふとし+ミヤジマジュン
振付:竹森徳芳
出演: 唐橋 充 藤原祐規
愛原実花
松本寛也 岡田あがさ 松本祐一 古谷大和
足立英昭 石田 隼 田代哲哉 福井将太
加藤良輔 米原幸佑
《公式サイト》
http://www.clie.asia/on_yajikita/
《公式Twitter》
@clie_seisaku