唐橋充&藤原祐規W主演+米原幸佑「おん・すてーじ「真夜中の弥次さん喜多さん」双」6/21開幕直前SP①

  • 2017-6-15

いよいよ6月21日より全労済ホール/スペース・ゼロにて開幕する、「おんすてーじ「真夜中の弥次さん喜多さん 双(ふたつ)」」。
しりあがり寿氏の大人気コミックを原作とする本作は、2005年に長瀬智也さんと中村七之助さん主演で映画化もされた、リヤル(=リアル)と幻覚が入り混じった奇想天外な世界を描いたハチャメチャ時代劇コメディ。
歌・ダンス・ヒーローショーを交えた衝撃(笑撃!?)の初演から約1年半……待望の新作公演に向けて、主演の唐橋 充さん、藤原祐規さん、そして「弥次喜多」初参加の米原幸佑さんにインタビュー!
前回公演の裏話や作品の魅力、そして新作公演にかける意気込みなど、3回に渡ってじっくり語っていただきました。
そのPart①は――

(写真左より)米原幸佑さん、唐橋 充さん、藤原祐規さん

(写真左より)米原幸佑さん、唐橋 充さん、藤原祐規さん

【座長の役目は、みんなが喜ぶケータリングを用意すること】

――まず、昨年1月に東京と大阪で上演された、「おん・すてーじ「真夜中の弥次さん喜多さん」」(以下:「弥次喜多」)の反響からお伺いできますか?

唐橋 充(以下:唐橋) 映画化(※2005年公開)もされた有名な作品なので、僕の周囲の人はほぼ全員この作品を知っていましたね。会う人に「「弥次喜多」をどうやって舞台化するの?」って聞かれる度に、期待の大きさをヒシヒシと感じました。

“弥次さん”こと弥次郎兵衛役の唐橋 充さん

“弥次さん”こと弥次郎兵衛役の唐橋 充さん

藤原祐規(以下:藤原) 東京公演の会場はシアターGロッソだったんですけれど、観劇に来てくれた関係者の方たちには「Gロッソで何やってるの?」って言われましたね。(笑) Gロッソはヒーローショーや殺陣やアクションが多い舞台でよく使われるイメージの劇場なので、そこでまさか「弥次喜多」を上演するなんて……。

唐橋 ビックリだよね!

藤原 そうですよね(笑)。

――改めて伺いますが、主演の唐橋さん&藤原さんは、「弥次喜多」に出演が決まった当初、どう思われましたか?

唐橋 僕は「座組を背負わなきゃならない」って気負ってしまって、そのプレッシャーたるや本当にキツかった! でも大好きな藤原さんとのW主演ということや、「自分ひとりで抱えてるなんて思うのは、おこがましいことこのうえない」と気づいてからは、スッと気持ちが楽になりましたね。

藤原 僕も唐橋さんと同様、最初の頃は「みんなを引っ張っていくのが座長の役目」みたいな気負いがすごくあったんですけども、稽古をしていく中で「一番大事なのは弥次さん役の唐橋さんと僕の喜多さんが、いかに素敵な関係を作れるか」だと気づいてからは変な力が抜けました。

唐橋 結局、弥次さんも喜多さんも“かき回される側”なんだよね。

藤原 そうですね。特に僕の演じる喜多さんは“男色”で“ヤク中”という特殊なキャラクターなので、どうしても“それ”っぽく演じようとしちゃう感じがあったんですけれど、「演じなくても、きっとお客様はそういう目で見てくれる」「僕らは、ただ“居る”だけで、周りがとっても変。そこに巻き込まれていく状況が続くストーリーなんだ」って理屈じゃなくちょっと分かった時から、面白くなっていきました。

唐橋 要は、僕らはお客様側の目線で「なんだコレ?」「変なことが起きているぞ!」と、目の前で起こっていることを素直に受け入れて驚くことが大事だったんです。原作の持つパワーがスゴイ作品ですから、それを感じるだけで良かったわけです。

“喜多さん”こと喜多八役の藤原祐規さん

“喜多さん”こと喜多八役の藤原祐規さん

――ちなみに「座長として、こんなことに気を配った」というのは?

唐橋 ケータリングで、ずいぶんお金が飛んでいきました。

藤原 けっこういきましたね(苦笑)。「あったかいものがいいんじゃないか」「みんなの士気を上げるにはどうしたらいいか」みたいなことに頭を悩ませました。

――ある意味、それが座長の役目みたいな?

唐橋 けっこう大事! 「お芝居は皆さんに任せます。美味しいもの食べて頑張ってください!」っていうね。

藤原 そうそう。いかに座組がうまく回っていくか、皆さんが気持ちよくお芝居に取り組める環境を作るかが座長の務めだということが身に染みて分かりました。

米原幸佑(以下:米原) いや~、それを聞いて今回の稽古が楽しみになりました(笑)。

――「弥次喜多」に初参加する米原さんの意気込みは?

米原 前回の「弥次喜多」はスケジュールが合わず観に行けなかったんです。でも観劇した人が口をそろえて「やばいぞ、この作品!」「面白い!」って言うのを聞いて興味があったし、唐橋さんとも一緒にお芝居がしたかったし、藤原さんの実力も知っているし、演出・脚本の川尻さんのぶっ飛び方も知っているから、「ぜひ、そこに巻き込まれたいな」みたいな気持ちで、今回の出演オファーを受けさせていただきました。

今回、何役を演じるのか……“弥次喜多”初参戦! 米原幸佑さん

今回、何役を演じるのか……“弥次喜多”初参戦! 米原幸佑さん

唐橋 よく断らずに受けてくれましたね。

米原 う、うん……そうっすね(苦笑)。

藤原 あははは!

唐橋 これはひとえに米原さんの懐の深さだね。

――舞台は観てないと言っていましたが、原作のマンガは知っていましたか?

米原 僕、(原作コミックを)読んだことがなかったし、現段階でいただいた台本を読み始めたばかりで、いい意味で「なんだこりゃ!?」って混乱しています。唐橋さんと藤原さんは前作を踏まえたうえで試行錯誤をすると思いますが、僕はこの新鮮な気持ちで、作品のディープさ、狂ってる加減にフラットに飛び込んでいけたらいいかなって思っています。

――お二人は、米原さんに対してどんな印象をお持ちですか?

唐橋 本人を前にしたら、褒める以外ないじゃないですか。

米原 あはは! お会いするのが今日で2回目ですしね。

唐橋 でも今おっしゃった通り、フラットなまま無垢な状態で挑むっていうのが、実は一番うらやましい。なまじ知っていると“変なの”を引っ張ってしまうんじゃないかっていうのがありますから、米原さんを見て「あ、そうだ。こういう感じだった!」みたいな、新鮮な感覚を思い出すお手本にさせていただきたいなと思っています。

藤原 僕は、こうちゃん(=米原幸佑さん)とは何度も共演させてもらっていますが、自分のやらなければいけない事やお客様が求めている事を敏感に察知して演じる事が出来る人だなと……。「さすが芸歴長いなぁ」「しっかりしているなぁ」という印象です。

米原 デビューして今年で16年になりました(苦笑)。

藤原 今回、すごく重要な役どころを何役も演じてくれるので、僕らは安心して巻き込まれていけると思います。

唐橋 頼もしいよね。

――米原さんは、今までひとつの作品内で何役も演じた経験は?

米原 あります。今年だけでも、2月の『ギャグマンガ日和』、4月の『破壊ランナー』もそうでしたね。そこではモブ的な感じだったけど、今回はストーリーにガッツリ絡んでいくような役なので、台本を読んで「おぉ! マジか?」と思いました。それぞれの役をどう演じ分けるか、今後の稽古の中で、皆さんと相談しながら作っていくのが楽しみです。今回、僕を始め「弥次喜多」初参加のキャストもいらっしゃるので、前回とは違う雰囲気になるだろうし、そうなると唐橋さんや藤原さんの“居方”も変わってくるはず。僕は僕で、今回の座組の中で「僕だから出来る事」を探したいですね。

~Part②に続く~

Ⓒしりあがり寿/2017おんすて弥次喜多

(取材・文/近藤明子)

☆Information

おん・すてーじ「真夜中の弥次さん喜多さん」双(ふたつ)
日程:6月21日~6月25日
場所:全労済ホール/スペース・ゼロ
原作:しりあがり寿(「真夜中の弥次さん喜多さん」マガジンハウス刊行/「弥次喜多 in DEEP」エンターブレイン刊行)
脚本・演出:川尻恵太(SUGARBOY)
音楽:あらいふとし+ミヤジマジュン
振付:竹森徳芳

出演: 唐橋 充 藤原祐規
愛原実花
松本寛也 岡田あがさ 松本祐一 古谷大和
足立英昭 石田 隼 田代哲哉 福井将太
加藤良輔 米原幸佑

《公式サイト》
http://www.clie.asia/on_yajikita/
《公式Twitter》
@clie_seisaku

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