- 2016-3-28
2013年、演劇集団キャラメルボックスによって舞台化し、3年ぶりの再演となる『ナミヤ雑貨店の奇蹟』4月21日より、東京・Zeppシアター六本木にて上演されます。
累計100万部を突破した東野圭吾さんの人気小説が原作で、悪事を働いた3人組が逃げ込んだ廃屋「ナミヤ雑貨店」を舞台に、時空を超えて手紙のやりとりをすることによって生まれる奇蹟を描いたタイムトラベルファンタジー。
スマートボーイズでは“SPインタビュー”として、初演に引き続き主演を務めるキャラメルボックスの多田直人さん(敦也役)と新キャストとなる松田凌さん(翔太役)の2人に直撃!!
3回に渡るインタビューのPART③では、作品に関連した質問や演劇公演として今作がラストとなる「シアターBRAVA!」の思い出などを伺いました。
――さて、作品に関連して二点お聞きしたいことがありまして、一つ目はこの作品が「タイムスリップ作品」ということで(作品内では人ではなく手紙がタイムスリップスするという設定)、もしご自身が一度だけタイムスリップできるとすれば、どの時代に行って何をしたいですか?
多田直人 僕は“演劇の未来”を考えていて、大事なのは学生さんたちの演劇、ひいては「中学・高校の演劇」をもっと活性化しないと、演劇の未来は育まれないんじゃないかと。過去へ行って、地元・釧路の高校演劇を見て、“謎のコーチ”として僕が持っているノウハウを伝えてたいですね。そうすることによって、釧路から演劇のスゴイ人が出てくるかもしれないので。
松田凌 素敵ですね。それだけで一本作品作れそうですよ。僕はいっそのこと、日本史や世界史の中に飛び込んでみたいです。時代の節目の瞬間を味わいたいですし、自分らは結果を知っているわけですから、どうにでもなるんだぞという優越感に浸りたいなって。そして、もし殿や侍の役が来たら、リアリティのある演技が出来ると思うんです。その時代のリアルを味わって現代に戻ってきて、体現することができれば、役者としての地位が向上できるかなと。
――お二方も、それぞれ演劇に繋がることをしたいんですね。ではもう一つの質問です。「廃業した雑貨店の郵便口に悩み相談の手紙が投函されて、それを遊び心から返事をする」という物語の流れとなっています。きっとお二方もいろいろな悩み相談を受けた経験があったと思いますが、よろしければ一番印象に残っているものがあったら教えていただけませんでしょうか?
松田 高校の親友がある悩みを抱えていて、僕と親友のお母さんしかそのことを知らなくて。その親友から「周りにカミングアウトするタイミングがわからない」という相談を受けたんです。その事をカミングアウトすることで、友達が離れるんじゃないかって思っていたそうです。その悩みに対して僕は「悩むくらいなら、今しかないよ! 誰のせいにしても自分のせいにしてもいいけど、行動を起こさなければ、悪い意味もいい意味もついてこないよ」ってアドバイスしました。
多田 その方はすぐにカミングアウトしたの?
松田 はい。今は苦しみもなくエンジョイした生活を送っています。
多田 それはよかったねぇ。そのアドバイスのおかげじゃないの?
松田 少しでも手助けになっていれば嬉しいですね。
多田 いい話だな。僕にはそういう話はないなぁ(苦笑)。誰かの人生を左右させたという感覚があまりないんです。最近Twitterでお客さんと交流することが多くて、コメントに全部返信する日を作ったりしています。コメントや質問のほかにも、悩みみたいなのもあったりして、「体が悪くて劇場に行きたいけど、チケット取ったのにその日にならないとわからないです」や「子育てが忙しくて」とかの悩みには、「より多く劇場に立てる機会を自分で作って待つようにするので、来られるときに来てください」と返事したくらいかな。
松田 いいと思います! それ以上にないアドバイスですよ。
多田 そんなに重厚な人生を歩んでいるつもりはないから(笑)。お伝えできるとしたら、私は“舞台の上から”になってしまいますね。
――いいお話ありがとうございます! ところで、今回の大阪公演会場「シアターBRAVA!」は今年5月で閉館することが決まっていて、演劇公演としてこの作品がラストを飾るんですよね。ちなみにシアターBRAVA!での出演経験はありますか?
松田 僕は初めて。ずっと立ちたかった劇場だったので、今から本当に楽しみです。
多田 この取材の一週間ぐらい前まで「シアターBRAVA!」で演じていたんですが、搬入しやすくて、いい劇場なんですよ(笑)。1000人ぐらい入るんですが、舞台面が高くなくて、客席と近い感覚がある劇場です。なくなるのが淋しいですが、きっとBRAVA!のファンもいらっしゃると思うので、そういう方も見に来て欲しいですね。
――タイトルの先頭に「さよなら!BRAVA」ってついているんですよね。プレッシャーになるんじゃないですか?
多田 そうですよ! しかもキャストの先頭が私の名前ですから、おい大丈夫か、本当に「さよなら!」って言ってるのかよって(笑)。
――最後にファンの方へのメッセージをお願いします。
多田 劇団の公演じゃないけど、約半分が劇団員で、しかも劇団でやったものを再演するという不思議な公演です。キャラメルボックスのお客様の中には、松田くんのようなTVでは見たことがあるけど舞台で見るのは初めてという方もいるでしょうし、松田くんのお客様は「多田直人はどんな役者なんだ」という、“対お客様との出会い”もあって、そして“お客様同士の出会い”もあって、そこがこの公演の楽しみでもあります。
初演を見た方は、再演と絶対に比べてみると思うんですが、僕は全然否定していなくて、それは“初演を見た人の特典”ですね。キャストが変わることで作品の雰囲気は変わっていくので、初演を見たからこそ再演もご覧になってほしいと思います。
松田 東野圭吾さんの名作で、演出が成井さんで、僕にとっても挑戦になるし、ゲストで参加する皆さんも楽しみであり挑戦がいっぱいがあって、それはキャラメルボックスさんも一緒で、間違いなく面白い化学反応は生まれると思います。この作品の良さって、人生のきっかけになるようなことが題材になっているので、見てくださったお客様にそういうきっかけを与えられたら嬉しいなって思うし、今回は大阪も行けるので、東京と大阪でより多く見ていただきたいです。
舞台『ナミヤ雑貨店の奇蹟』は東京公演が5月1日まで。大阪公演が5月6日~8日にシアターBRAVA!にて上演されます。現在一般チケットが好評発売中。詳細はInformationから公式サイトをチェックしてください。
☆Information
舞台『ナミヤ雑貨店の奇蹟』
■東京公演
4月21日~5月1日 Zeppブルーシアター六本木
■大阪公演
5月6日~5月8日 シアターBRAVA!
《公式サイト》
http://napposunited.com/namiya/
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