- 2016-11-1
12月7日より、東京・新宿のサンモールスタジオで上演される空想組曲vol.13 変則短篇集「組曲『遭遇』」。演劇プロデュース・ユニット空想組曲が約2年ぶりに上演する新作公演に主演する小西成弥さんと、空想組曲主宰で作・演出のほさかようさんにご登場いただき、Twitterでもやりとりが活発な二人の関係性や、作品についてたっぷりと、2回に渡りお話を伺いました。
そのPart②は――
【稽古場でダメ出しされないと逆に不安。どんどん言ってほしいです!――小西】
――小西さんに伺いますが、ほさかさんの演出を受けて思うことなどありますか?
小西 僕はまだ『遠ざかるネバーランド』でしか一緒にお仕事をしていないですが、ほさかさんの世界観が大好きですし、いつも的確に演出を付けてくださるので、稽古がとても楽しいです。
――ほさかさんとお仕事をされた方に話を聞くと、「コンダクター」という言葉が真っ先に出て来るのですが?
小西 あぁ、確かに! ずっと指揮棒を持っている印象はありますね。
ほさか 別に、それで殴るとか、そういうことではないですからね! 例えばたくさんのことが同時に起きているシーンで、一番注目しているのはどこか。誰に意識が向いているのか。そういうことを示すために指揮棒を使ったりしています。
――指揮棒で指示されると、ほさかさんの手の内で操られている感がありますか?
小西 そんなことないですよ。ノビノビやらせていただきました。
ほさか 彼は稽古場での“居方”が上手いんですよ。若い子は「初めまして」の現場だと、緊張で自分の芝居だけに集中してしまって相手役を無視したり、物語全体を通しての自分の役割を見失ってしまうことがある。だけど成弥くんの場合は、例えばちょっと強めにダメ出しをしても、「はい、分かりました!」って明るく元気に返ってくるのがいい。
小西 あはは! へこたれないです(笑)。
ほさか ダメ出しに対して「シュン!」みたいな感じになられてしまうと、こっちもそれ以上何にも言えなくなっちゃうし、決していい空気にはならないじゃないですか。でも彼は「すいませーん、もう1回やります!」みたいな感じで、言ったことに対して必ず何らかの“答え”を出そうとするので、「彼は役者の義務というか、仕事をよく分かっているな」っていう印象でした。
小西 逆に、稽古で“ダメ出し”をいただかないと不安になります。まぁ多少悔しい気持ちはあるけれど、自分の芝居に対して何かを言ってもらえるのは嬉しいことですし、そこを改善して良くしていくことが、役者として今自分がやらなければいけない事ですから。『遭遇』の稽古場でも「遠慮なくどんどん言ってください!」って感じです。
ほさか 今回の共演者は、ほとんどが僕と何回か仕事をしたことがある人たち。小劇場畑のベテランの役者さんが多いので、その中に彼を放り込んで、どうなるか楽しみですね(ニヤリ)。
――小西さんが面識のある人はいないんですか?
小西 小野川晶(おのがわ・あき)さんは『遠ざかるネバーランド』で共演させていただきましたけど、ほかの方は今回初めての方ばかりです。
――ある意味、百戦錬磨の役者さんたちですね。
ほさか 百戦錬磨というか、基本的に頭のおかしい人たちだから(苦笑)。「お行儀のいい人たちじゃない中で、いい子ちゃんでいる場合じゃないぞ!」っていうことですね。
――必死になっている小西さんの姿が見たいと……なんという“ドS”!
ほさか こんな可愛い顔して負けず嫌いな役者だと僕は思っているので、あえて獅子の群れの中に放り込むようなことします!
――この舞台を終えた時に、小西さんがどんな成長を見せてくれるのか楽しみですね。
小西 はい、皆さんのお芝居に呑まれないように、精一杯足掻きます!
――最後に、空想組曲vol.13 変則短篇集「組曲『遭遇』」の上演を楽しみにしている皆様にメッセージをお願いします。
小西 僕のファンの方は、ほさかさんと一緒にお仕事することを喜んでくれている方も多くて「楽しみにしています」という言葉をたくさんいただいています。『遠ざかるネバーランド』で演じた役とは違う新しい僕を、この作品を通じてほさかさんが引き出してくださると思うので、ぜひ楽しみにしていてください。
ほさか 短編集は久々ですが、小西成弥くんも含めて出演される皆さんの、あまり見たことのない顔を必ずお見せします。中には「小西成弥くんと仲がいいから出したんでしょ」なんて穿った見方をする方もいるかもしれませんが、パンケーキを一緒に食べたくらいで舞台に出すかっ!
(一同、爆笑!)
ほさか 僕は、小西成弥という役者が“いい役者”で、この作品に必要だと思ったから声をかけたんです。この言葉の意味は、舞台を観終わった時に必ず納得していただけると思うので、ぜひその姿を目撃しに劇場に足をお運びください。
~了~
空想組曲vol.13 変則短篇集「組曲『遭遇』」は、12月7日より東京・サンモールスタジオにて上演。山口大地さんや和田琢磨さんなど、日替わりゲストも出演します。チケットほか詳細は、下記Informationより公式サイトをチェックしてください。
(取材・文/近藤明子)
☆Information
空想組曲vol.13 変則短篇集「組曲『遭遇』」
日程:12月7日~12月14日
場所:サンモールスタジオ
作・演出:ほさかよう
出演:
小西成弥
久保貫太郎(クロムモリブデン)
鍛治本大樹(演劇集団キャラメルボックス)
岡田あがさ
小野川晶(虚構の劇団)
家納ジュンコ(サモ・アリナンズ)
中田顕史郎
≪日替りゲスト≫
山口大地(7日/8日)、山田ジェームス武(9日)、川田希・結城洋平(10日マチネ/ソワレ)、三上俊(11日マチネ/ソワレ)、和田琢磨(12日)、宮下雄也(13日マチネ/ソワレ)、武藤晃子(14日)
《公式サイト》
http://k-kumikyoku.com/
《公式Twitter》
@k_kumikyoku
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