村井良大インタビュー前編・ミュージカル『きみはいい人、チャーリー・ブラウン』特集

  • 2017-4-7

世界中から愛されているスヌーピーたちが登場する、『ピーナッツ』の世界を描くブロードウェイ・ミュージカル『きみはいい人、チャーリー・ブラウン』が、いよいよ4月9日より日比谷シアタークリエにて開幕!
スマボでは今作でチャーリー・ブラウン役に挑む村井良大さんに、その意気込みをインタビュー。前編・後編の2日連続更新でお届けいたします。

チャーリー・ブラウン役の村井良大さんを直撃!

チャーリー・ブラウン役の村井良大さんを直撃!

何のとりえもない小学生チャーリー・ブラウンとその飼い犬スヌーピーをはじめとする、個性豊かな仲間たちが登場するチャールズ・M・シュルツ著のコミック『ピーナッツ』。
世界中で愛される彼らの世界は、1967年にオフ・ブロードウェイでミュージカル化。JAZZやクラシック、ショーアップされた大ナンバーなど様々なジャンルにわたるキャッチーな音楽で彩られた作品が、ミュージカル化から50周年の今年、ミュージカル『きみはいい人、チャーリー・ブラウン』として日比谷シアタークリエでの初上演を迎えます。

5人の子どもたちと一匹のビーグル犬を演じるキャストには、ジャンルを超えて才能豊かな面々が集結! チャーリー・ブラウン役には映像、ミュージカル、ストレートプレイを問わず活躍中の村井良大さん。ルーシー役には大人気声優ユニット・スフィアのメンバーでもある高垣彩陽さん。サリー役にはAKB48メンバーであり、ミュージカルでも明るい魅力を発揮している田野優花さん。ライナス役にはミュージカル『テニスの王子様』3rdシーズン8代目の主人公・越前リョーマ役を務めた古田一紀さん。シュローダー役にはHoney L Daysのボーカリストとして活躍、ミュージカル俳優としても出演作多数の東山光明さん。そして注目のスヌーピー役は、ミュージカル『ジャージー・ボーイズ』で主演を務め、第24回読売演劇大賞で最優秀男優賞を獲得した中川晃教さんが演じます。

間もなく待望の開幕を迎える今作から、チャーリー・ブラウン役に挑む村井良大さんへ直撃インタビュー。稽古真っ最中の村井さんが、チャーリー・ブラウンの役作り、そして今作へかける意気込みをたっぷりと語ってくれました。まずは2日連続更新の前編をお届けいたします。

DPP_006-2

■村井良大さんインタビュー 前編

――今作『きみはいい人、チャーリー・ブラウン』は、スヌーピーたちが登場する『ピーナッツ』の世界の物語! 最初に今作への出演を聞いて、どう思いましたか?

村井良大 まず『ピーナッツ』がミュージカル作品になっていることを知らなかったので、最初は題材から驚きました。それに、日本ではスヌーピーのキャラクターが有名ですけど、原作ではチャーリー・ブラウンが主人公なんですよね。スヌーピーっていう単語は知っていても、『ピーナッツ』や、そこに登場する各キャラクターについては詳しくは知らないっていう方も多いんじゃないかと。実は僕も、チャーリー・ブラウンっていうキャラクターをほとんど知らなかったんですよ。

――そんな村井さんが演じるチャーリー・ブラウンは、ごく普通の男の子。ごく普通とは言っても、実際の村井さんとはアメリカ人で、少年で、と色々と違う面が多い役ですよね。

村井 そうですね。8歳の男の子なので、今まで演じた役の中では最年少の設定です(笑)。

――こうして「8歳児の役です」と聞くと、なかなかインパクトがあります。

村井 チャーリー・ブラウンは8歳で、確かに子どもの役ですが…。ほかのキャラクターも含めて今回は全員大人が演じますが、リアルな子どもの姿を描きたいだけなら実際に子役の子が演じればいいと思うんです。だけど、僕たち大人が演じるからには、大人が観て楽しく、そして大人が演じて楽しくもある作品にしたいんです。

――そもそも今作では、子どもたち以前に「犬」であるスヌーピーも、今回は中川晃教さんが演じられるように、人格をもったキャラクターとして登場しますよね。

村井 はい。だから僕の8歳という設定自体は、キャラクターの中のひとつのスパイスぐらいの気持ちでとらえていたいですね。子どもらしさばかりを追求してしまうと、演劇になっていかないと思うんです。全部を子ども基準で演じるのではなく、セリフやふとした部分で子どもにはこういう面があるかもしない、というところを探しています。

――そしてビジュアルの面では、村井さん扮するチャーリー・ブラウンは原作イラストで描かれているイメージそのままの衣装で、前髪がカールした金髪に! ファンや周囲の方から、チャーリー・ブラウン役への反響はありましたか?

村井 どうなんでしょう?(笑) でも最初に「スヌーピーのミュージカルで、チャーリー・ブラウン役を演じます」と決まった時、周りの人から「確かにチャーリー・ブラウンっぽい!」とすごく言われて。スヌーピー役のアッキーさん(中川晃教さん)と初めてお会いした時も、アッキーさんの出演されていたミュージカル『ジャージー・ボーイズ』を観に行った時だったんですが、僕を一目見るなり「チャーリー・ブラウンだ!」って言ってくださったんです。

――村井さんのどんな部分が、そこまで「君はチャーリー・ブラウンだ!」と思わせるんでしょう?

村井 僕も結構、「いい人」って言われがちなんです(笑)。自分ではそんなことないけどな~と思うんですけど、そういうオーラがあるみたいで。周りからは「ビジュアル面でのチャーリー・ブラウンっぽさはOKだよね!」と言われるので、そこはクリアしているのかな、と自分でも思います。

――タイトルでも付け加わる「いい人」というキーワードは、今作のチャーリー・ブラウンを表す言葉そのものですよね。

村井 この「いい人」が難しくて、人によってどんな人を「いい人」だと思うかも違うし、すごく抽象的ですよね。この言葉をどう具現化するかと考えていますが、チャーリー・ブラウンも全てがいいことばかりしている訳じゃないんです。「いい人ってなんだろうな」っていうのは、今も毎日考えて続けています。

――今作のメインテーマでもある「いい人」とは何だ、と。

村井 チャーリー・ブラウンって、自分の性格やできることについて葛藤している場面も多くあって、彼なりに色々と努力はしているんですけど、やることは失敗続き。だけど少しずつ前進していくところが彼の素敵なところで、それが「いい人」なのかと言うとよく分からないんですけど(笑)。彼には自分の中での理想があって、その姿との違いにずっと悩んでいる物語でもあるんです。

――先日、公開稽古を拝見させていただきましたが、そこで披露された劇中冒頭のタイトルナンバーでもある『きみはいい人、チャーリー・ブラウン』でも、周りのキャラクターはチャーリー・ブラウンをいい人だと褒め称える中、本人はそんな声にどこか戸惑っているような様子でしたよね。

村井 特別ないいことをしているわけでもないし、なんだろうな~っていう顔ですよね。それに多分、「いい人」と言っている周りのキャラクターたちも、そこまではチャーリー・ブラウンのことをいい人だとは思っていないんじゃないかな(笑)。そこは子どもたちの調子の良さというか、偉人を心から称えるような感覚ではないので「いい人」具合の捉え方が難しいんです。

――チャーリー・ブラウンが偉業を成し遂げるようなシーンがあるわけでもなく、日常生活のできごとの中だけでこの感覚が描かれるんですね。

村井 「きみはいい人、チャーリー・ブラウン」というテーマがシンプルすぎて、今までやってきたお芝居の中で最上級の難しさを感じています。内容もシンプルで、原作では4コマで完結するように描かれていた『ピーナッツ』の物語が散りばめられていて、一本のストーリーとして起承転結があるのではなく、各キャラクターの性格が垣間見えるシーンが積み重なっている、という雰囲気なんです。

――そして登場キャラクターも、メインキャスト6名が演じる6役だけ!

村井 出演者自体が、アンサンブルもいなくて全員で6人。この6人だけで世界を作り上げるので、1人の比重も大きい分、すごく難しくて。よっぽどの説得力を持っていないと演じられない、レベルの高い演劇に挑戦させてもらっているんだなと思います。すごくやりがいを感じています!

DPP_009

インタビュー前編はここまで。次回の更新では、村井さんから見た共演キャスト陣の姿や、今作の楽曲について語ってくれたインタビュー後編をお届けします。
ブロードウェイ・ミュージカル『きみはいい人、チャーリー・ブラウン』は、4月9日より日比谷シアタークリエにて開幕です。チケット情報ほか、公演に関する詳細はInformationから公式サイトをチェックしてください。

衣装協力:wjk base、GARROT TOKYO、
スタイリスト:吉田ナオキ
ヘアメイク:森 香織

☆Information

ブロードウェイ・ミュージカル
『きみはいい人、チャーリー・ブラウン』
原作:チャールズ・M・シュルツ著コミック「ピーナッツ」より
脚本・音楽・詞:クラーク・ゲスナー
追加脚本:マイケル・メイヤー
追加音楽・詞:アンドリュー・リッパ
訳詞・演出:小林香
キャスト:村井良大/高垣彩陽/田野優花(AKB48)/古田一紀/東山光明/中川晃教
【東京公演】
2017年4月9日(日)~25日(火)シアタークリエ
チケット料金:10,800円(全席指定・税込)
お問合せ先:東宝テレザーブ 03-3201-7777 (営業時間9:30~17:30)
【福岡公演】
2017年4月29日(土)キャナルシティ劇場
【大阪公演】
2017年5月6日(土)・7日(日)サンケイホールブリーゼ
【愛知公演】
2017年5月9日(火)・10日(水)日本特殊陶業市民会館 ビレッジホール
《公式サイト》
http://www.tohostage.com/charlie/

関連記事

前の記事
次の記事

@sumabojp

ページ上部へ戻る