芥川賞作家 小川洋子の小説『密やかな結晶』を石原さとみ主演で舞台化!共演に村上虹郎、山田ジェームス武、風間由次郎ら

  • 2017-11-5

「博士の愛した数式」など作品が海外でも高い評価を受けている芥川賞作家 小川洋子さんの長編小説『密やかな結晶』。有機物であることの人間の哀しみを見つめ、現代の消滅、空無への願望を、美しく危険な状況の中で描いた作品が、石原さとみさん主演、村上虹郎さん、鈴木浩介さん、山田ジェームス武らの共演で待望の舞台化決定! 主演をつとめる石原さとみさんは、4年ぶりに待望の舞台出演を果たします。

石原さとみ主演で小川洋子の小説『密やかな結晶』を舞台化!

石原さとみ主演で小川洋子の小説『密やかな結晶』を舞台化!

傑作小説の舞台化に挑むのは、日本アカデミー最優秀脚本賞・読売演劇賞最優秀作品賞受賞の鄭義信(チョン ウィシン)氏。人生と人間への愛を、笑いも苦しさも悲しみも喜びも一つの作品で芸術的に表現し、独自の解釈で、小説の世界を演劇的に昇華させます。

本作は、昨日まで存在していたものが今日は消滅している、物もその物にまつわる記憶も全てが跡形もなく消滅している、そんな状況が当たり前となった島に住む小説家、“わたし”が主人公。“わたし”を幼いころから世話し見守っているが見た目がずっと若者のままである“おじいさん”、小説家の編集者で、とある秘密を隠しながらも自分に誇りを持ち、目に見えない恐怖に抗いながら生きている“R氏”。この3人の関係と、島の秩序を取り締まる謎の存在で3人を追いつめて行く秘密警察を中心に、不思議な島で生きる人々を描いた物語です。

消えていくモノたちと、消えていく心、消えていく人、それは何を意味するのか……。観る者が考え反芻できる余白のある物語と、ファンタジー要素を肉体で表現する創造力といった、演劇的魅力がつまったこの作品。「物の記憶が無くなっていく不気味さ」、そして「その異質さに慣れてしまって何も感じない人々の不気味さ」を描くことで、人間にとって“失う”とはどういうことなのかが浮かび上がります。辛いこと、悲しいことも含め、様々な記憶を抱えて生きていくことは決して楽しいばかりではないけれど、そんな人間を、その人間の営みを、愛おしく思える演劇作品になっているとのこと。
石原さとみさんと共演の村上虹郎さん、さらに脚本・演出を手掛けた鄭義信氏からコメントも到着しています。

【石原さとみさん 出演に向けてのコメント】
「ここ何年もずっと舞台への思いを強く持っていたので、4年ぶりに舞台に立たせて頂けることを心から嬉しく思います!

実は今回の『密やかな結晶』は、原作を読み、是非これを舞台化して演じてみたいと思い、お願いした作品です。ですので、特に思い入れが強く、今はただ実現していく高揚感に浸っています。記憶が消えてしまう恐怖と悲しいくらいの柔軟性、そして大切な人を守る事で抱く忘れたくない感情を、舞台上でどう感じられるのか今から楽しみで仕方ありません。

演出の鄭さんは、『焼肉ドラゴン』や『ぼくに炎の戦車を』など、作品を観客として観る度に圧倒されていました。いつか鄭さん演出の舞台に出演したいと願っていたので、今回ご一緒できることになり心から感謝の気持ちでいっぱいです。

村上虹郎さん、鈴木浩介さんはじめ、共演者の皆さんとともに早く稽古に入りたいです! 出演を願ってやまなかった舞台、新年明けて2月に本番です! 心から楽しみにしています! どうか皆さん、ぜひ舞台『密やかな結晶』に足をお運びください!!」

【村上虹郎 初共演の石原さとみについてのコメント】
「石原さんはぼくにとっては小さい時からいつも画面の向こう側にいてキラキラしてる存在です。舞台でご一緒できるのは楽しみです。」

【鄭義信氏 舞台化に向けてのメッセージ】
「あらゆるものを表層的に消化していくことが当たり前となった今だからこそ、演劇として上演する意義がこの作品にはあると思います。辛いことや悲しいこと、様々な記憶を抱えて生きていく人間を、人間の営みを愛おしく思える演劇作品になると確信しています。原作から戯曲にする段階で、いくつかの設定上の変更を考えていますが、設定は変えても、小川先生が小説に込められた思いを大切に、そのスピリットを変えることなく戯曲化するつもりです。」

今回の舞台化にあたり、原作とは少し設定が変わる可能性があるとのことですが、登場人物の役柄とあらすじも公表されました。

【主要登場人物 役柄説明】
わたし(石原さとみ)・・・消滅が起こる島にひっそりと暮らす小説家。両親を亡くし、おじいさんだけが心の支えとして生きてきた。編集者のR氏を密かに想っているが、口には出せない。ある事件をきっかけに、思いがけない強さを発揮しておじいさんとR氏の運命を動かしていく。

おじいさん(村上虹郎)・・・わたしを小さいころからお世話し家族同様の存在。容姿は昔から少年のような姿のまま。本来の仕事はとっくに消滅し、今は細かい仕事をしながらわたしを見守ることだけが生きがい。R氏を匿うことになってからは、わたしのそばを離れずに尽くし続ける。

R氏(鈴木浩介)・・・わたしの担当編集者。実は、記憶が消滅しない記憶保持者。そのことに誇りを持ちつつ恐怖と戦っている。わたしの純粋な想いに動かされ、わたしを大切な存在として愛すると同時に、わたしたちの記憶をなんとか留めようと必死に抗う。

秘密警察トップ(山内圭哉)・・・島の秩序を維持するため、記憶保持者を摘発している。冷徹非道な仕事ぶりをみせるが、人間らしさが垣間見えることもある。所詮は組織のコマであるという悲哀も背負っている。わたしとおじいさんとR氏にとっては大きな敵であるが、実際は・・・。

【舞台『密やかな結晶』 あらすじ】
海に囲まれた静かな小島。この島では“消滅”が起こる。香水や鳥、帽子など、様々なものが、“消滅”していった。“消滅”が起こると、島民は身の周りからその痕跡を消去し始める。同時にそれにまつわる記憶も減退していく。

『わたし』は、この島に暮らす小説家。近所に住む『おじいさん』とお茶を飲みながら話をするのが日課という静かな毎日。おじいさんは、わたしのことを赤ん坊の時から見守り続けているが、その頃からずっと若者の容姿をしている。わたしの母は秘密警察に連行され死んだ。鳥の研究家だった父も亡くなり、おじいさんだけが心安らぐ存在だ。

この島にも、少数ではあるが記憶が“消滅”しない人、記憶保持者がいる。彼らはそのことを隠して生活しているが、秘密警察は手を尽くし、彼らを見つけて連行する。島民が恐れる記憶狩りだ。記憶狩りが激化する中、わたしの担当編集者R氏から、記憶保持者であることを告白される。もう二度と、大切な人を秘密警察に奪われたくないと思うわたしは、R氏を守るため、自宅の地下室に匿うことを決意する。わたしの身を案じるおじいさんはR氏の存在を危険視しながらも、わたしのためR氏を匿うサポートをする。

ナチスからユダヤ人を匿うような緊張の日々の中、わたしとR氏の心の通い合いは深くなっていく。R氏はわたしに、人間の生活に寄り添っていた些細なものたちがいかに愛おしいか、本来の豊かな記憶の世界へ引き戻そうとする。が、おじいさんにとってその行為は、わたしを秘密警察の記憶狩り対象者にすることに等しい。記憶を失うことでわたしが『わたし』ではなくなってしまうことを防ごうとするR氏は、わたしを危険にさらさず、島の世界の道理に順応して生きることで彼女を守りたいというおじいさん。考え方は全く違うが、わたしを大切に想う気持ち、守りたいという気持ちが二人をつないでいる。

秘密警察の苦悩、R氏の抑圧感、おじいさんのジレンマ、わたしの恐怖・・・様々な想いを抱えた島は、「消滅」がさらに増えていく。4人はどう生きるのか。最後に消えるのはいったい何なのか――――――

2018年2月2日~25日 東京芸術劇場プレイハウスにて上演 2018年3月 富山公演、大阪公演、福岡公演も決定

2018年2月2日~25日 東京芸術劇場プレイハウスにて上演
2018年3月 富山公演、大阪公演、福岡公演も決定

石原さとみさんが4年ぶり、待望の舞台出演で“小説家役”に挑戦し、鈴木浩介さん、村上虹郎さんら豪華俳優陣が脇を固める舞台『密やかな結晶』は、2018年2月2日~25日、東京芸術劇場プレイハウスにて上演されます。
またスマートボーイズでは、ミュージカル『ヘタリア』などに出演の山田ジェームス武さん、劇団プレステージのメンバーとして知られる風間由次郎さんの活躍にも注目しています。
2月6日、14日の公演後には、出演者によるアフタートークも予定されていますので、乞うご期待! さらに、2018年3月には富山公演、大阪公演、福岡公演も上演されます。その他、チケット情報など公演の詳細は、下記informationより公式サイトをご確認ください。

◆出演者プロフィール
【石原さとみ (いしはら さとみ) さん】
1986 年12月24日生まれ。東京都出身。
2002年ホリプロタレントスカウトキャラバンにてグランプリを受賞。
2003年映画『わたしのグランパ』のヒロイン伍代珠子役でデビュー(第27回日本アカデミー賞新人俳優賞などを受賞)。
主な舞台に、『奇跡の人』(演出:鈴木裕美)、『幕末純情伝』(作・演出:つかこうへい)、『ピグマリオン』(演出:宮田慶子)など。テレビに、『リッチマン、プアウーマン』(CX)、『失恋ショコラティエ』(CX)、『ディア・シスター』(CX)、『5→9~私に恋したお坊さん~』(CX)『地味にスゴイ!校閲ガール・河野悦子』(NTV)など。映画に、『北の零年』(第29回日本アカデミー賞優秀助演女優賞受賞)、『進撃の巨人』、『シン・ゴジラ』(第40回日本アカデミー賞助演女優賞受賞)、『忍びの国』など。最新作に来年1月より主演を務める連続ドラマ『アンナチュラル』(TBS)が控えている。

【村上虹郎 (むらかみ にじろう) さん】
1997年3月17日生まれ。東京都出身。カンヌ国際映画祭コンペティション部門出品『2つ目の窓』で主演を務め、俳優デビュー(第29回高崎映画祭最優秀新人男優賞受賞)。鮮烈な存在感を放ち、賞賛を集める。『ディストラクション・ベイビーズ』では、第90回キネマ旬報ベスト・テン新人男優賞ほか、2つの新人賞を受賞。
舞台出演は『書を捨てよ町へ出よう』(演出:藤田貴大)、『シブヤから遠くはなれて』(演出:岩松了)、『エレクトラ』(演出:鵜山仁)に続く4度目。
テレビには、『あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。』(CX)、『仰げば尊し』(TBS)、『デッドストック~未知への挑戦~』(TX)など。映画に、『武曲 MUKOKU』、『二度めの夏、二度と会えない君』、『ナミヤ雑貨店の奇蹟』、『AMY SAID エイミー・セッド』など。
現在放送中のアニメ『いぬやしき』では声優に初挑戦している。

【鈴木浩介 (すずき こうすけ) さん】
1974年11月29日生まれ。福岡県出身。
1997年に青年座研究所を卒業し、その後同劇団に入団。若手の実力派として活躍。2004年に退団後は主にテレビドラマを中心に活動。様々な作品で強烈なインパクトを放ち、個性的な演技と独自の存在感で、次世代の名バイプレイヤーとして注目を浴びている。
主な舞台に、『ガラスの動物園』(演出:長塚圭史)、『今ひとたびの修羅』(演出:いのうえひでのり)、『才原警部の終わらない明日』(作・演出:福田雄一)、『美幸-アンコンディショナルラブ-』(作・演出:鈴木おさむ)、『遊侠 沓掛時次郎』(演出:寺十吾)など。
テレビに『LIAR GAME』シリーズ(CX)、『昼顔~平日午後3時の恋人たち~』(CX)、『人は見た目が100パーセント』(CX)、『愛してたって、秘密はある。』(NTV)、『ドクターX~外科医・大門未知子~』シリーズ(EX)など。映画に、『ビジランテ』(12月9日公開)など。

【藤原季節 (ふじわら きせつ) さん】
1993年1月18日生まれ。北海道出身。舞台出演は、『青い瞳』(作・演出:岩松了)、主演作『まゆをひそめて、僕を笑って』(作・演出:加藤拓也)、SARUGAKUCOMPANY『二度と燃えぬ火』(構成・演出:礼内幸太)、に続く4度目。映画に、『ライチ☆光クラブ』、『TOO YOUNG TO DIE!若くして死ぬ』、『ケンとカズ』『美しい星』など。テレビに、『カルテット』(TBS)、『 CRISIS 公安機動捜査隊特捜班』(KTV・CX)『貴族探偵』(CX)など。

【山田ジェームス武 (やまだ じぇーむす たけし)さん】
1990年5月7日生まれ。千葉県出身。主な舞台に、『黒子のバスケ』(演出:中屋敷法仁)、『アヒルと鴨のコインロッカー』(演出:ほさかよう)、『メサイア』(演出:西森英行)ユーミン×帝劇 vol.3『朝陽の中で微笑んで』(脚本・演出:松任谷正隆)など。ミュージカルに、『ヘタリア』(演出:吉谷光太郎)など。テレビに、『夜の先生』(TBS)、『地獄先生ぬ~べ~』(NTV)、『THE LAST COP』(NTV)など。映画に、『新大久保物語』、『L♥DK』、『TOKYO TRIBE』『セブンデイズ MONDAY→THURSDAY・FRIDAY→SUNDAY』など。

【福山康平 (ふくやま こうへい) さん】
1998年3月13日生まれ。東京都出身。舞台出演は、『トロイ戦争は起こらない』(演出:栗山民也)に続く2度目。テレビに、『坊ちゃん』(CX)、大河ファンタジー『精霊の守り人Ⅱ悲しき破壊神』(NHK)、『1942年のプレイボール』(NHK)。映画に『予告犯』、『心が叫びたがってるんだ。』。

【風間由次郎 (かざま ゆうじろう) さん】
1987年7月25日生まれ。神奈川県出身。主な舞台に、『地球ゴージャスプロデュース公演Vol.14「The Love Bugs」』(演出:岸谷五朗)、『キンキーブーツ』(演出:ジェリー・ミッチェル)『ビッグ・フィッシュ』(演出:白井晃)、『メンフィス』(演出:ジェフェリー・ページ/山本耕史)など。2017 年夏には「オーバーリング・ギフト」で初の脚本・演出作品に挑戦。テレビに、『ディア・シスター』(CX)など。

☆Information

舞台『密やかな結晶』
<東京公演情報>
日程:2018年2月2日(金)~25日(日)
劇場:東京芸術劇場プレイハウス(東京・池袋)
原作:小川洋子「密やかな結晶」(講談社文庫)
脚本・演出:鄭義信
出演:石原さとみ 村上虹郎 鈴木浩介
藤原季節 山田ジェームス武 福山康平 風間由次郎
江戸川萬時 益山寛司 キキ花香 山村涼子/山内圭哉 ベンガル

<アフタートーク登壇者>
6日終演後:石原さとみ、村上虹郎、鈴木浩介、山内圭哉
14日終演後:石原さとみ、藤原季節、山田ジェームス武、福山康平、風間由次郎

<チケット>
チケット料金(全席指定・税込):S席=\9,000 サイドシート=\7,000
チケット一般発売日:11月25日(土)
・ホリプロオンラインチケット http://hpot.jp(PC & 携帯)
・ホリプロチケットセンター 03-3490-4949
(平日10:00~18:00/土曜 10:00~13:00/日祝休業)
その他、チケットぴあ、イープラス、ローソンチケット、カンフェティ、東京芸術劇場の各プレイガイドでもチケット取り扱いあり。
※3月に富山公演、大阪公演、福岡公演あり

≪公式サイト≫
http://hisoyaka.com/
≪公式Twitter≫
@hisoyaka2018

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