【インタビュー③】ゴーバスターズの髙橋直人が初主演!映画『カミングアウト』が11/29公開

  • 2014-11-28

『特命戦隊ゴーバスターズ』で特命部オペレーター・森下トオル役を演じていた髙橋直人さんの初主演映画『カミングアウト』が11月29日より渋谷ユーロスペースにて公開されます。
映画の話はもちろん、芸能界を目指すきっかけや『ゴーバスターズ』メンバーとのエピソードなど、いろいろ伺ったお話を4回に渡りお届けします。そのPart.3は…

髙橋直人さん

髙橋直人さん

【撮影前に行なった共演者とのディスカッションで、人見知りを克服!】

――今回、映画『カミングアウト』で同性愛の主人公・赤間陽(あかま・よう)を演じましたが、ゲイ役を演じることにとまどいなどはありませんでしたか?

髙橋 ゴーバスターズの現場でも、共演者やスタッフの方に「どこか中性的な感じがする」と言われていたし、僕が観て来た海外の翻訳劇には、必ずと言っていいほど同性愛者が登場して、その多くが魅力的な人物に描かれていることが多かったので、僕自身は陽くんを演じることに対してそこまで構えることもなくオーディションに挑むことができました。
オーディションに合格後、台本を読み進むうちに、カミングアウトすることで周囲に気を使わせたり嫌悪感を抱かせてしまう原因になったり、ストーリーの中にもあったように両親が「自分のせいだ」と転換してしまうこともある中で、カミングアウトを決心して行動に移した陽くんの勇気に感動したし、そんな陽くんを僕なりに精一杯演じたいと思いました。

――それは素晴らしいですね。撮影は、どんな感じで進んだんでしょう?

髙橋 陽くんが思いを寄せる緑川昇役の岡村優さんが「僕はこういう動きをやってみたいと思っているけど、そうしたら髙橋くんはやりずらい?」と積極的に提案して来てくださったので、僕もそれに対していろいろ意見を言わせていただいたり試すことが出来ました。あと、人見知りな僕に共演者との仲を取り持ってくださったり、現場で居心地のいい環境を作ってくださったのが嬉しかったです。

――昇役の岡村さんは同じ事務所に所属する役者さんですが、やはり同じ事務所の方が相手役というのは心強いものですか?

髙橋 同じ事務所の方なので顔と名前は知ってはいたけど、今回が初共演でそれまで直接お話をする機会はなかったんです。初めての取材の時に岡村さんと連絡先を交換させていただいたんですけど、撮影に入る前にもっと岡村さんの人となりやお芝居の相性とかを確認したかったので、勇気を出して「一度お会いして、役についてディスカッションしませんか?」と僕から連絡をさせていただきました。

――積極的ですね、人見知りなのに(苦笑)。

髙橋 アハハハ! そうですね(笑)。でも、撮影のスタート前にそんなワンクッションがあったことで、人見知りをクリアして現場に入ることができたのは、大きかったかもしれないです。

――あと、印象的ばシーンについて……ちょっと面白かったのが、陽くんの衣装がいろんなパターンがあるなぁと思ったんですよね。

髙橋 そうなんですよ! 劇中で着ているのは全部私服で、「16パターン用意してください」って言われて、「え~、どうしよう?」って……。いまどきの大学生が着そうな服を揃えるのが大変でした(苦笑)。

――昇くんなんて毎回同じ服なのに……。

髙橋 昇くんは一人暮らしで、実家暮らしの陽くんに比べたらお金がない設定だから、同じ服でいいんですよ、きっと(笑)。でも僕が大量の服を持って行ったら、岡村さんが「ヤバイ! 昇の衣装はどうなんだろう?」って焦っていました(笑)。
あと、僕自身は普段は半袖の服を着ないので、服装で季節感を出すのがどうしても難しくて、夏のシーンでは監督の服をお借りしました(苦笑)。

緑川昇役の岡村優さん(左)と髙橋さん

緑川昇役の岡村優さん(左)と髙橋さん

――え? 真夏でも長袖で過ごしているんですか?

髙橋 はい。腕とか細いので出すのが何かイヤで……。でも周りの方々から「見ている方が暑いから半袖を着なさい!」と言われて、今年初めて半袖の服を買ったんです。

――夏のシーンといえば、夕暮れの浜辺にひとりで佇んでいる姿も印象的でした。

髙橋 あのシーンの撮影は、本当に大変だったんです! 「日が沈むまであと10分もない!」「絶対に失敗できないぞ!」っていう切羽詰まった状況で、現場はバタバタで(苦笑)。そんな焦った心理状態をお芝居には出さないように、思考回路を……”切り替える”というよりは、”あきらめる”っていう感じで挑みましたね。

――それは、いい意味で「開き直る」という意味でしょうか?

髙橋 ジタバタしてもどうにもならないのなら、根本的に考え方を改めるしかないなと思ったんです。その結果、自分の中で折り合いがつく言葉が「あきらめる」でした。

――「あきらめる」という言葉は、あまりいいイメージでは使わない言葉だと思うのですが、そうやって聞くと何か潔い感じがして、髙橋直人さんらしさが伝わってきますね。

(※Part.4に続く/取材・文=近藤明子)

☆Information

『カミングアウト』
11月29日(土)~渋谷ユーロスペースにて3週間限定公開
脚本・監督:犬童一利
主題歌:『応援の唄』ききまたく
出演: 髙橋直人 岡村優 夏緒 高山侑子 秋山浩介(TooT Aki) 歌川たいじ 一ノ瀬文香 高岡瓶々 杉崎佳穂 辻恵美(※シンニョウの点は1つ) 木村利信 美漸-Bizen
【初日舞台挨拶開催】
11月29日(土)上映前21:00~
場所:渋谷ユーロスペース(渋谷・文化村前交差点左折)
登壇者:髙橋直人 /岡村優 /秋山浩介(TooT Aki)/歌川たいじ/一ノ瀬文香/杉崎佳穂/辻恵美漸/Bizen/犬童一利監督
※登壇者は都合により変更する場合がございまのでご了承ください。
【あらすじ】
陽はゲイの大学生。サークルの同級生で親友の昇に片想いをしているが、大学のサークル仲間にも、一緒に暮らす家族にも、ゲイである事は隠している。唯一、新宿二丁目の行きつけの「Bar B♭」ではありのままの自分でいられる。
仲間達との友情や恋愛の他にも、就職や結婚など将来への不安は尽きない。いつしか、陽の中にある思いが生まれ始めていた。葛藤の末に陽が進む道とは…。
(C)2014映画「カミングアウト」製作委員会
《公式サイト》
http://www.comingout.jp/

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