- 2020-4-18
【はじめに】
4月10日より上演予定されていた斬劇『戦国BASARA』豊臣滅亡は、新型コロナウイルス感染症の拡大を踏まえ、全公演が開催自粛となりました。
スマートボーイズでは、自粛発表前となる3月24日、稽古場にてキャストインタビュー及び稽古風景の取材を実施。残念ながら公演は自粛となりましたが、キャスト及びスタッフの皆さんの作品に対する想いを、一人でも多くの方に届けたく、制作サイドの了承を得て掲載することとなりました。
2020年4月17日 スマートボーイズ編集部
斬劇『戦国BASARA』シリーズの最新作となる斬劇『戦国BASARA』豊臣滅亡が4月10日より、品川ステラボールにて開幕!
シリーズ第17作目となる今作では、沖野晃司さん演じる主人公の石田三成をはじめ、シリーズには欠かせない伊達政宗や真田幸村など総勢14名の武将が登場します。
≪ストーリー≫
天下統一を目前に、豊臣秀吉が斃れた―
豊臣の左腕でもある石田三成は、秀吉を倒した相手、伊達政宗に報復すべく、一路奥州に向かっていた。
絶対的権力者であった秀吉の死に、これを好機と豊臣を滅し天下を獲ろうと目論む者、新しい世を創るべく逡巡する者、秀吉の遺志を継ぎ、豊臣の名のもとに日ノ本を奔走する者。
一方その頃、三成を迎え撃つ政宗が出会ったのは、武田軍の若き将、真田幸村。
そして復讐の一念で政宗を追撃する三成には、豊臣軍の裏切りの報せが届き…
いま、天下は大きく動き出す。
スマートボーイズでは、斬劇『戦国BASARA』豊臣滅亡の稽古場に潜入し、稽古の様子や石田三成役の沖野晃司さん、伊達政宗役の武子直輝さん、真田幸村役の前田隆太朗さんの3人によるインタビューを実施。前後半に渡りお届けするとともに、稽古場ショットレポートとあわせ3日連続でご紹介します。
PART②では、沖野さん&武子さん&前田さんのSPインタビュー後編をお届けします。
――さて、稽古が順調に進んでいるということで、今作の見どころも徐々に見え始めていく頃だと思いますが、現時点で言える範囲で、今作の見どころを教えていただけますか。
沖野 人間関係という点で、いつもフォーカスが当たるのは蒼紅の2人ですが、今回の作品は初めて違う人間が真ん中にフォーカスされていることによって、他のキャラクターたちの描写がいつもより描かれているので、見る人が見たら「あの人ってこんな一面があるんだ」という作品にはなっていると思います。いつもは幸村が走り去ったらそのシーンは終わりですけど、今回は三成が一人残っていると、三成がはけるまで周りの人間がリアクションを取り続けるみたいになっていて、「この人ってこんなに優しかったんだ」とか「こういう解釈でこの人はこの仲間に入っているんだ」という部分が見えていくと思います。
――今までバサラシリーズをご覧になった方は、今までとは違う見え方に感じるかもしれませんね。
沖野 そうですね。まだ稽古中ではありますが、きっとそうなると思います。
前田 オープニングシーンがあって、その次のシーンで豊臣軍が軍議をしているんですけど、今回は三成が主人公ということもあるんですが、とにかくギャーって叫びまくっていて、冷静に見て笑っちゃうんですよ。
沖野 キラキラ感は一切ないよね(笑)。
前田 口を開けば「斬滅する!」とか「斬首してやる!」とか「秀吉さま!!」とかですからね(笑)。ただ僕が幸村を演じて思うのは、三成と同じで主とのことが大好きで、主に対してリスペクトしているというのが一緒なので、三成の話を聞いていると、ジーンとなるところが多くて、だからきっと幸村は豊臣と仲良くなっていくんだなってわかる気がするんです。
沖野 幸村らしさだよね。やっていることも言っていることも、三成と幸村って似ているんだよね。幸村は「親方さま!!」でしょ。俺は「秀吉さま!!」だから(笑)。
前田 最初は「何で俺が豊臣軍にいるんだろう」と思っていたんですけど、人それぞれの正義が見えてくると、「秀吉のためにこんなに思っているのって、幸村と一緒じゃん」っていう三成の姿を見て、感動すら覚えていますね。
武子 今回は三成が主演で、もちろん蒼紅がいろいろなところに出てくるんですけど、幸村は政宗にとって太陽のような存在だなって感じますし、台本を読んでいる最中でもそう思いましたし、実際に立ち稽古が始まってからもっともっと感じるようになりました。今回の政宗は割と“陰”に入っているところがあって、タイトルの「豊臣滅亡」がヒントになっているので、それを照らし出す存在だったなというのもありますし、今回、三成との一騎打ちがあるんですけど、これは演じていて本当に楽しくて、何よりも壮絶なバトルなんですよ。
沖野 壮絶だね!
武子 このシーンは結構ビックリするんじゃないかなって思うので、注目して欲しいです。
沖野 そうだね。初めて刀を合わせた感覚はあまりないかも。3、4回目でかなりのスピードで刀を合わせたよね。
武子 そうですね。幸村との殺陣でも同じことが言えるんですが、一回一回、刃が交わるのが楽しいんですよ。
――楽しいという言葉が出るのはいいことですよね。
武子 幸村と戦っているときはそう思っていてもいいんですが、三成と戦っているときはそう思っちゃいけないんですよね(笑)。
沖野 演劇的にはそうだね(笑)。
武子 三成と政宗の天下の目指し方が対比になっていて、これは見ていただければわかると思いますが、それぞれ目指す天下があって、それぞれに正義があって、それぞれに支えてくれる人がいて、同じ“天下”という二文字なのに、全く違う方向にいっているというのが、どっちの目線で見ると楽しいというのがわかるという面白さがあると思います。
――今回の公演では、同じキャスト&同じ物語で進行するも笑いに特化した「笑劇」の公演が久々に上演されますね。きっと「笑劇」を楽しみにしている方々も多いと思いますので、こちらもネタバレにならないように見どころや注目ポイントなどを教えていただけますか。
沖野 蒼紅の2人はまったくの初めてだよね。俺は頭からエンジンかかっているなと思いながら稽古しています。(演出の)ヨリコ(ジュン)さんも、遠慮なしに指示を出しているけど、2人はどう?
前田 自分たちのシーンの稽古をしている時、ヨリコさんがスーッとこっちに来て「ここから三成出てこようか」っていきなり言い出すんですよ。何の話をしているかまったくわからなくて「何でこの場面で三成が出てくるんだろう。でもきっと何か考えがあるからだ」と思いながら、そういったシチュエーションが何個か続いた時、ヨリコさんに「これってもしかして笑劇の話ですか?」って聞いたら、「そうだよ」って(笑)。今回新しい役を演じるということで、いろいろ覚えないといけないことが多い中での笑劇なので、本当に大変ですけど、沖野さんや伊藤さんといった経験者が引っ張ってくれているので、ありがたいなと思います。ただ正直、同時進行で舞台を2本作っているのは大変です(笑)。
武子 僕も初めての経験で、まず「笑劇」は何をやるんだろうという疑問があったので、沖野さんに「笑劇って何をやるんですか?」と聞いたら、「大体何でも大丈夫だよ」って、アバウトすぎて何の意味かわからなかったので、「これはNGとかあるんですか」とさらに聞いてみたら、「具体的にはないね」って(笑)。わかったことは、それぞれの演者がどういう方向性で演じるかだけ、例えば思い切りキャラクターが崩壊する人もいるし、全然キャラは崩壊しないけど、笑劇になっちゃっている人もいるというのが「笑劇」の面白さですね。特に「笑劇」のオープニングは圧巻です。
前田 頭からエンジン全開ですから。
武子 通常のオープニングもメチャクチャカッコいいですよ。オープニングは見せ場の一つですし、きっと拍手が来ると思いますし、笑劇も別の意味で拍手が来ると思うんです(笑)。
沖野 今我々、通常の3倍ぐらいの稽古をしているよね。
(一同笑)
前田 自分のことで精一杯なのに、いろんなことが舞い込んで来るんです。
沖野 笑劇は見ていただいたら、キャスト・スタッフの心意気が見えると思うよね。
前田 シンプルに「笑劇」ですよね。笑い劇でもありますし、衝撃的の「衝撃」という意味も含まれていると思います。
武子 通常では政宗と三成が戦うというお客さんも胸が痛くなるようなシーンがあるんですが、笑劇になるとお客さんの胸が爆発するかもしれないです。
沖野 爆発させてやろうと思うくらいの意気込みだよね。
――本編も笑劇も油断して見ていたらダメですよね。
前田 一瞬も目が離せないです。
沖野 そして「笑劇」では、俺らもお笑いのことをやっているのに、一瞬も集中を切らさないように気を付けないといけないです。
前田 メチャメチャ集中力を使いますよね。きっと本編と笑劇の両方ご覧になる方もいるかと思いますが、2つの違いを楽しんでもらいたいです。
武子 僕、笑劇の幸村がメッチャ好きなんだよ。
沖野 わかるよ。
前田 怖いよ~! プレッシャーかけないで!!
沖野 笑劇と銘打っているから成り立つと思うんです。通常の舞台で笑劇のことをやっていたら、100%叩かれます(笑)。
前田 僕がファンだったら、「こいつ何してるんだよ!!」ってブチギレて途中で帰りますよ(笑)。
沖野 前回の笑劇では、家康が好きすぎるがあまり、家康の手甲とフードを被って家康のモノマネをするというのを一幕ずっとやり続けるというボケをやっていました。
武子 それはすごいですね。
前田 本当に面白いんで、楽しみにしていただきたいです。
――インタビューの半分近くが笑劇の話になりそうで、あっという間に時間が来でしまいました(笑)。最後に公演を心待ちにしているファンの方へのメッセージをお願いします。
前田 今回初めて参加させていただいて、真田幸村を演じさせていただきますが、もちろん今まで作って方たちの幸村や原作の幸村といういろいろな像があると思います。僕は一緒に稽古をしてきた皆さんを信じて、新しい真田幸村を作っていきたいと思いますので、是非楽しみにしていて欲しいです。あと、殺陣頑張ります!!
武子 蒼紅の2人が入れ替わりまして、初めて皆さんにお見せするんですけど、今までの蒼紅は、幸村が年上で政宗が年下というのが続いていましたが、今回は政宗が年上で幸村が年下ということになります。そういうのも踏まえた上で、どういう風に演劇が広がっていくのかを見ていただきたいですし、石田三成も「嫌われ三成の一生」じゃないですけど、三成のことが好きな方は、いろいろなところで楽しめますし、この作品を通して僕自身も三成のファンになっています。素晴らしい会話劇と斬劇を楽しみにしていてください。
沖野 今回、三成というキャラクターを主において作品を作ってくださると言われた時、嬉しい気持ちもありますし、キャラクター的に不安な部分もありました。でもそれだけ愛されているキャラクターだし、新たな蒼紅を迎えて自分が真ん中に立って演じる責任というのを果たしながら、この作品を終えてまた蒼紅に戦国BASARAの看板を背負ってもらえるようにこの作品を引っ張っていきたいです。顔合わせの段階で、みんなの本読みを聞いたときに「勝ったな」と手応えを感じていて、初日からお客様が完全に楽しんでもらえる作品になっていますし、新たな蒼紅が一歩踏み出す作品にもなっているので、これから戦国BASARAを見て「ずっと追っかけたい作品だな」と思わせる作品になります。是非楽しみに待っていてください。
(PART③へ続く)
※稽古場取材は3月24日に行われたものです。
斬劇『戦国BASARA』豊臣滅亡は、4月19日まで東京公演が行われ、4月24日よりAiiA 2.5 Theater KOBEにて神戸公演が上演。また東京公演の「4月15日14:00~」「4月16日18:30~」「4月17日18:30~」、神戸公演「4月25日17:00~」は、笑いに特化した限定オリジナル演目『笑劇』として上演されます。最新情報はInformationから公式サイトをチェックしてください。
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☆Information
斬劇『戦国BASARA』豊臣滅亡
※全公演開催自粛となりました。
≪日程・会場≫
<東京公演>2020年4月10日(金)~19日(日) 品川ステラボール
<神戸公演>4月24日(金)~26日(日)AiiA 2.5 Theater KOBE
原作:CAPCOM(「戦国BASARA」シリーズ)
構成・演出・映像:ヨリコジュン
脚本:宮城陽亮
脚本協力:太田紘平(CAPCOM)
企画・原作監修:小林裕幸(CAPCOM)
≪出演≫
沖野晃司/武子直輝、前田隆太朗、永田聖一朗/井上正大、松藤拓也
健人、白又敦、寺山武志/護あさな、出口亜梨沙、水原ゆき/寿里/伊藤裕一
■”笑劇” 各公演にキャストと物語は同じで、「笑い」に特化した限定オリジナル演目
<東京公演>
4月15日(水)14:00~
4月16日(木)18:30~
4月17日(金)18:30~
<神戸公演>
4月25日(土)17:00~
≪主催≫
東京公演:エイベックス・エンタテインメント、エースクルー・エンタテインメント、サンライズプロモーション東京
神戸公演:斬劇『戦国BASARA』神戸公演製作委員会
制作:エイベックス・エンタテインメント、エースクルー・エンタテインメント
※現在、グッズ販売に向けて絶賛準備中とのこと。最新情報は公式サイトをチェックしてください。
≪公式サイト≫
http://www.basara-st.com/
≪公式Twitter≫
@BASARA_st