2017-12-14

2015年上演の初演では第23回読売演劇大賞演出家部門優秀賞を受賞、1万人を熱くした奇跡のバックステージミュージカルが再び！　俳優・哀川翔さんがミュージカル初出演を果たし、ラサール石井さんが構想から10年の月日をかけ、自ら原案・作詞・演出を務めて舞台化したミュージカル『HEADS UP！(ヘッズ・アップ！)』が、12月14日よりKAAT神奈川芸術劇場ホールにて約2年ぶりとなる待望の再演初日を迎えました。

(後列左から)池田純矢さん、橋本じゅんさん、青木さやかさん
(前列左から)大空祐飛さん、相葉裕樹さん、哀川翔さん、中川晃教さん、ラサール石井さん

今作は、哀川翔さん演じるベテラン舞台監督と、相葉裕樹さん演じる新人舞台監督の師弟2人を中心に、普段表舞台に登場することのないバックステージで働く舞台スタッフが、夢や希望、時には日頃のうっぷんも音楽にのせてつづるオリジナルミュージカル作品。照明、音響、衣装、制作、小道具、演出部など、各スタッフが劇場入りからステージを作り上げ、そして撤収していくまでの姿を、彼らの舞台に対する愛情とともにコミカルに描く群像劇です。

舞台の魅力を中川晃教さんがみせる、ショーアップされたオープニング

最後の公演を終えたはずの名作が、セットも廃棄して足りないまま再度上演することに！

ベテラン舞台監督の加賀美(左・哀川翔さん)と、舞台監督デビューの新藤(右・相葉裕樹さん)

劇場に多くの思い出を持つ、地元のアルバイトくん・佐野慎也(右・池田純矢さん)

個性豊かなミュージカルナンバーとともに描かれる、裏方スタッフ陣の仕事ぶりも必見

開幕前日に公演ゲネプロとあわせて行われた囲み会見では、原案・作詞・演出のラサール石井さん、主演の哀川翔さんとともに、初演からの続投キャストとなる相葉裕樹さん、橋本じゅんさん、青木さやかさん、大空ゆうひさん、中川晃教さん、そして今回新たに加わった池田純矢さんが登場。公演に向け、それぞれの役柄と意気込みを語りました。

まずは再演についてラサールさんから、「初演とはダンスが全部変わっているナンバーもあります。90％は出来上がっているので、本番でお客様が入れば完成です！」とコメント。さらに「初演も本番直前は“リアルHEADS UP！”状態でしたが、今回もドタバタ。仕込みの日に大道具の方が追加で8人来るはずが、インフルエンザで4人も来られず(笑)。劇中のトラブルはたくさんありますが、ここから僕たちには何も起こらないことを祈ります！」と、まるで今作ストーリーのような波乱の舞台裏を明かします。

そんなラサールさんからのエピソードに、劇場付雑用係・熊川義男役の中川晃教さんも「初演ではただただ幕を開けることに必死でしたが、この物語のメインは幕を開けること、そして幕をちゃんと下ろすことまでと、それを裏で支える人たちのドラマ。普段ステージに立つ側としてのドキドキ感も味わいつつ、幕が開くためにこんなにたくさんの人たちの想いがあるのかということに気付かされた初演だったので、今回もその想いを持って、劇場付雑用係とはどういう人間なのか興味深く観ていただけるよう演じられたら」と話します。

そして主演、ベテランの舞台監督・加賀美賢治役の哀川翔さんは「まさか2回目があるとは(笑)。初演がかなり好評で、ミュージカルを観たことがない方にも楽しんでいただけたと聞いています。みんなで怪我なく来年3月までの長丁場を走りきれることを、舞台監督として目指します」と、頼もしいコメント。また、哀川さんが育てるカブトムシについて話題が飛ぶと、「カブトムシを持って踊ってみたいね(笑)」とジョークも聞かせてくれます。

そんな哀川さんとは師弟役となる、新人舞台監督・新藤祐介役の相葉裕樹さんは「お客様が入って完成となる作品なので、早く本番をやりたいです。ラサールさんからは、“新人でひょろひょろの頼りない役柄だから、あまりちゃんとしないでくれ”と言われているんですが、初演から2年分、僕も歳を重ねまして(笑)。その“ちゃんとしない”を意識しています」と、役作りについて明かします。

続いて女優・真昼野ひかる役の大空ゆうひさんは、「初演は本当にバタバタで、この作品がどこに向かっていくのかをみんなで模索しながら作っていましたが、今回も色んなハプニングはありつつも、私自身も2年間で女優としての活動を重ね、さらにひかるの気持ちが感じられるようになりました。舞台に関わる人間にとっては心に染みる歌詞やセリフも多く、初演よりもうひとつ深く、『HEADS UP！』の物語に入れた気がします」とコメント。

そして今回より新キャストとして加わった、アルバイトくん・佐野慎也役の池田純矢さんは「舞台にはなんの思い入れもないアルバイト青年で、バックステージもので各所のプロフェッショナルが集まったキャラクターの中、一番お客さんに近く、何も知らない役です。僕自身も、初演では観客として感動を受けた立場だったので、2年を経てこちら側に立つことは感慨深いですし、作品も初演からよりブラッシュアップされていると感じます」とコメント。さらに、「制作発表会見で、目標を聞かれて“翔さんからカブトムシをもらう”と話したんですが、稽古2日目でいただきました！(笑)　早々に目標を達成してしまったので、そのあとは役を掴むことに集中できました(笑)」と話し、会場を笑わせます。

演出部・久米長一郎役の橋本じゅんさんは、男らしく「頑張ります！」と意気込みを一言。そして制作・本庄まさこ役の青木さやかさんは「制作はお金のことや、お客さんの入り具合を考えたりと、一番現実的なところが見えている役回り。演じていても、ほかの舞台と比べて“お客さん入っていますか？”と本物の制作さんに聞いてみたり、実際のことが気になって。キャストとしても、裏方としても舞台を作っている気持ちになるんです」と、制作スタッフの気持ちに入り込んでいるよう。彼らが繰り広げるドタバタを通して、舞台スタッフたちの知られざる役割を感じられる作品になっています。

哀川さんと相葉さんが演じる舞台監督の師弟関係＆アルバイト青年を演じる池田さんの変化にも注目！

また舞台監督を演じる哀川さんと相葉さんへ、記者から“実際に舞台監督をやってみたいか”と質問が飛ぶと、2人は揃って「やりたくない(笑)」と即答。「舞台監督の方はとにかく大変で、いつも最後まで劇場に残ってくれている。パッと本番をやって終わったら帰れる、俳優のほうがいいね」と話す哀川さんに、相葉さんも「この役を演じたことで、スタッフさんへのリスペクト度がガンガン上がっています(笑)。僕には到底できることじゃないので、このまま俳優を続けさせてください」と宣言。ラサールさんも「あのセットをやっぱりこうしたい、と頼むと、次の日にはその通りになっている。その指示を統括する舞台監督はすごいし、この舞台にはすごくできるスタッフが集まっています」と、スタッフ陣を称賛しました。

ミュージカル『HEADS UP！』は、2017年12月17日まで神奈川公演が上演中。続いてツアー公演が富山・長野・大阪・名古屋にて上演ののち、2018年3月2日～3月12日までTBS赤坂ACTシアターにて東京公演が行われます。チケット情報ほか、公演詳細はInformationから公式サイトをチェックしてください。

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☆Information

■ミュージカル『HEADS UP！／ヘッズ・アップ！』
脚本：倉持裕
原案・作詞・演出：ラサール石井
出演：哀川翔　／　相葉裕樹　　橋本じゅん　青木さやか　池田純矢
今拓哉　芋洗坂係長　オレノグラフィティ　陰山泰
岡田誠　河本章宏井上珠美　新良エツ子　外岡えりか
福永吉洋　大竹浩一　森内翔大　香月彩里　谷須美子　伊藤結花　小林佑里花
大空ゆうひ　中川晃教
作曲・音楽監督：玉麻尚一
振付：川崎悦子
【神奈川公演】
日程：2017年12月14日(木)～17日(日)
会場：KAAT神奈川芸術劇場＜ホール＞
チケット料金
S席：9,800円　　A席：8,000円　　B席：6,000円
主催：KAAT神奈川芸術劇場／石井光三オフィス／TBSラジオ
お問合せ：チケットかながわ　0570-015-415
【東京公演】
日程：2018年3月2日(金)～12日(月)
会場：TBS赤坂ACTシアター
チケット料金
S席：10,800円　　A席：8,500円　　B席：6,500円
U24チケット：4,000円(当日引換券・サンライズオンライン前売のみ)
主催：石井光三オフィス／ TBSラジオ／ KAAT神奈川芸術劇場
お問合せ：サンライズプロモーション東京　0570-00-3337(全日10：00～18：00)
【富山公演】
日程：2018年1月20日(土)
会場：オーバード・ホール(富山市芸術文化ホール)
【長野公演】
日程：2018年1月26日(金)～　27日(土)
会場：サントミューゼ(上田市交流文化芸術センター)大ホール
【大阪公演】
日程：2018年2月2日(金)～4日(日)
会場：新歌舞伎座
【名古屋公演】
日程：2018年2月15日(木)～16日(金)
会場：刈谷市総合文化センターアイリス大ホール
≪公式サイト≫
http://m-headsup.com/