古典落語を現代風にアレンジし、若手実力者俳優が二人一組の掛け合いで演じる『ハンサム落語』。
新型掛け合い落語として2013年にスタートして以来、回を重ねるごとに盛り上がりをみせ、「第八幕」が11月1日から東京・CBGKシブゲキ!!、11月11日から大阪・テイジンホールにて上演されます。
キャストを代表して米原幸佑さんと碕 理人(さき まさと)さんに、『ハンサム落語』の魅力や共演者への想いなど、3回に渡ってじっくり語っていただきました。

そのPart③は――

【いつかはプロフィールに”特技＝落語”と書けるくらいに極めたい!?】

――落語に限らず、ここ最近はメディアが日本の伝統文化を取り上げる機会が増えているように感じます。

米原　そうですね。最近はプロジェクションマッピングみたいな派手な演出の芝居が増えている一方で、落語や歌舞伎といった日本の古典芸能にも注目が集まっているのは、時代が一周して若い人には逆に新しく感じられるものになったんでしょうね。
芸能の仕事をしている以上、僕も寄席とか見に行ったほうがいいんだろうなとは思うけど、なかなか時間が作れなくて……でも行ったら行ったで、きっと発見というか先人から受け取れる”何か”がいっぱいあるんじゃないかなって思います。

碕　僕自身、『ハンサム落語』に関わるまで、落語に馴染みがなかったけれど、実際に触れてみると、コントや漫才とは違った昔ながらの人情話が元ネタだから、シンプルで分かりやすいし、親しみやすいし、肩ひじ張らずに聞けて面白いんですよね。まだ落語の面白さを知らない人たちに、その一端でも伝えるのが僕らの役割なのかなと思います。
舞台だとキャラクターがあるのでアドリブが制限されることも多いけど、『ハンサム落語』は役者の素の部分や個性が見られると思うので、2.5次元とか派手な舞台が好きな人が『ハンサム落語』を見て面白いと思ってくれたり、年齢を問わず多くの人に観ていただいて、落語がもっと身近なものになったらうれしいですね。

――舞台はセットも大掛かりで移動も簡単にはできないけれど、落語は場所さえあればどこでも出来るという身軽さがありますよね。

米原　座布団とマイクがあれば、何とかなりますからね。実際、それで『ブタイモン』(舞台とテレビをつなぐカルチャー番組。毎週日曜・朝7時からTOKYO MX／MX1で放送中)ではロケに行った先でお客さんを集めて、落語を披露したりしているし。

――回を重ねるごとに落語の奥深さや楽しさを知って面白くなっているかと思いますが、今後もっと極めてみようと思ったりはしませんか？　例えばプロフィールに「特技＝落語」って書けるくらいになりたいとか。

碕　それはスゴイですね(笑)。

米原　そこまで固く考えなくても、一人芝居の勉強やトーク力とか上がりそうだから、今後も機会をいただけたら『ハンサム落語』には参加していきたいなとは思っています。それこそ笑福亭鶴瓶師匠は落語も普通のひとりしゃべりも面白いし、やっぱり人を引き付けるしゃべり方を学ぶんやったら、落語はすごくいいなと思いますね。

――ところで今回の地方公演、米原さんはガッツリと他の舞台スケジュールとかぶってませんか？

米原　なんか僕、『ハンサム落語』で1回も地方公演に行けてないんです。それはちょっと僕の中でも心残りなので、いつか『ハンサム落語』で地方に……できることなら地元・大阪に行きたいなと思っています。

――米原さんにとって、大阪公演は故郷に錦を飾る凱旋公演でもあるわけですからね。

米原　うん。行きたい！　行きたい！　そのためにも第八幕を成功させて、長く続く作品になるよう、全力で挑ませていただきます。

碕　僕、前回の『ハンサム落語』第七幕で大阪公演に行って思ったのは、東京の人と大阪の人の笑いのツボは全然違うんだなってこと。やっぱり大阪の方は笑いに対して厳しいなっていう印象があってビビってたんですが、今回また大阪に行かせてもらえるとしたら「大阪の人を、笑かしてやるから」みたいな気持ちで、自分の中で勝手にリベンジだと思っています。

米原　気合い入れんとな！

碕　はい、気合入れんと！

――では改めて、公演を楽しみにしているファンの皆さんにメッセージをお願いします。

米原　僕は去年ぶり3回目の『ハンサム落語』になりますが、1回目、2回目がけっこう手さぐり状態でしたが、3回目となる今回は自分なりに楽しみながら出来たらいいな。あと碕と一緒にからめたらうれしいなって思います。

碕　絶対いじり倒すんでしょ？

米原　当たり前や！

碕　あはは！　僕は前回が初参加で、いきなり平野 良くんっていうモンスターに出会って “てんやわんや”しちゃったんですが、今回は誰とペアを組んでも必死にくらいついていって結果を残すのが目標です！
前回よりは緊張しないように、自分のやりたいことをしっかり伝えられるように、そして前回観に来てくださったお客様には「碕くん、成長したな」と思っていただけるように……。米原さんとの”からみ”も期待していてください。普段の舞台の僕とは違う僕を『ハンサム落語』で見せたいと思っていますので、ぜひ楽しみに劇場にお越しください！

～了～

(取材・文／近藤明子)

☆Information

『ハンサム落語 第八幕』
【東京公演】
日程11月1日～11月6日
場所:CBGKシブゲキ!!
【大阪公演】
日程:11月11日～11月13日
場所:大阪 テイジンホール
脚色・演出:なるせゆうせい
出演：小笠原 健、碕 理人、西山丈也、林 明寛、平野 良、宮下雄也、吉田友一、米原幸佑 (五十音順)ほか
(c)ハンサム落語製作委員会

《公式サイト》
http://www.clie.asia/hr8/
《公式Twitter》
@clie_seisaku

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