2019-9-7

映画『いなくなれ、群青』が9月6日に全国映画館にて公開、初日舞台挨拶が東京・新宿のバルト9で行われました。

(左より)柳明菜監督、松本妃代さん、矢作穂香さん、横浜流星さん、飯豊まりえさん、松岡広大さん、中村里帆さん

本作は、第8回「大学読書人大賞」受賞作にして、「読書メーター読みたい本ランキング」第1位を獲得。シリーズ累計100万部を突破した河野裕氏原作のベストセラー小説『いなくなれ、群青』が、横浜さんをはじめ、君沢ユウキさん、黒羽麻璃央さんなど、舞台や映画で活躍する若手俳優を結集して実写映画化されたもの。

舞台挨拶には主演の横浜流星さんをはじめ、共演の飯豊まりえさん、矢作穂香さん、松岡広大さん、松本妃代さん、中村里帆さん、柳明菜監督が登壇しました。

主人公・七草を演じる横浜さんは、まず公開初日を迎えての心境を聞かれ「こんなにもたくさんの方々に来ていただけて本当に幸せです。本当に、本当に一人でも多くの方に見ていただきたいです」と、集まったファンの皆さんへ率直なメッセージを送ります。
繊細で複雑なストーリー展開ということもあって、撮影前に入念な打ち合わせをしたそうで、「実写化をするにはすごく高い壁だったので、監督とプロデューサーと3人で相談して、監督がパイロット版を見せてくれて、そこでこういう感じなるんだという期待も膨らみ、その後にみんなでリハーサルしました。大事なシーンはひと通りリハーサルをやったからこそ、撮影はスムーズに入れました」と撮影秘話を披露してくれました。

七草役の横浜流星さん

佐々岡役の松岡広大さん

映画の撮影で全体的に入念なリハーサルをやることはあまり一般的ではないとのことで、ヒロイン・真辺由宇を演じる飯豊さんも「リハーサルが出来なかったら、耐えられなかったと思うくらい複雑な役柄で、素敵な作品にしたいという思いがあった分、時間かけちゃいけないんですけど、妥協せず何度もリハーサルさせてもらって、納得のいくような自信を持って皆さんにお届けできる作品になったなと思っています」と、柳監督に感謝の言葉を送りました。

また、物語の舞台である「階段島」は「捨てられた人たちの島」、「誰もこの島に来た理由を知らない」という謎だらけの島で、この島を脱出するには“失くしたものを見つけなければならない”という設定にちなんで、登壇者に「これまでに失くしたもの」のトークテーマが出題。実際の映画の中で、象徴的なシーンで使われたダイヤル式電話機に向かって、各々が発表することに。

「ダイヤル式公衆電話を使ったことがない」という飯豊さんに、横浜さんや松岡さんから「ほとんど年齢変わらないのに！」とツッコミの嵐が

飯豊さん「童心の心を失くしました。小学校の時に、消しゴムに好きな人の名前を削って誰にも見せずに使い切ると両思いになるというおまじないが好きだったんですけど、今ではそんなおなじないすることなく、大人になってしまったなって……」

矢作さん「足の脂肪を失くしてしまって。小学生の時の足のサイズが24㎝でしたけど、今は22.5㎝で、当時履いていた靴はみんな捨てちゃいました」

松本さん「幼稚園の時の沖縄旅行で大事にしたブタのぬいぐるみを失くし、今も引きずっています」

中村さん「小2の時に友達から預かったバレンタインチョコを失くしました。あとでお母さんと一緒に謝りに行きました」

などなど、会場に集まったファンもドン引くエピソードが連発される中、松岡さんは「十代の頃の笑顔です。11歳からこの仕事を始めたんですが、そこからいろいろな大人の世界が見えて来て、素直に笑えなくなりました。怖くなっちゃう時もあるなって」と職業柄の悲しいエピソードを披露。すると飯豊さんが「そういう時はこの映画を見なよ！」とフォローし、「そうだね！」と即元気モードになってニッコリ笑顔を見せてくれました。

松岡さんの失くしたものは「十代の頃の笑顔」

そしてラストを飾る横浜さんは「失くしたものはありません……」と強がっていましたが、少し間を置いたあと「意気がっていた自分」と告白。「中学高校とちょっとヤンチャして、カッコつけて、意気がっていたんですね。ただ、今振り返ると、あの頃の自分は輝いていたなって思う瞬間があって、あの時があったから今の自分がいるので、意気がっていた自分も受け入れてこれから前へと進んでいきたいと思いました」と決意表明。ですが「この作品を見てそう思いました」と続けた途端に、松岡さんからの「宣伝？」という突っ込みが入り、すかさず「そう」と答える2人の掛け合いに、会場は爆笑に包まれました。

横浜さんの失くしたものは「意気がっていた自分」

その後フォトセッションが行われ、最後に登壇者を代表して、横浜さんが「この作品は人それぞれ受け取り方は違うと思うので、皆さんそれぞれの受け取り方をして欲しいですし、自分の嫌いな部分に向き合って肯定して前へと進んでいく物語でもあるので、この作品を見て、自分の嫌な部分を受け入れて、少しでも自分を好きになってくれるきっかけになってくれたら嬉しいです」と挨拶してイベントは終了しました。

～STORY～
ある日突然、僕は〈階段島〉にやって来た。ここは捨てられた人たちの島で、どうして僕たちがこの島にやって来たのか知る人はいない。この島を出るには、失くしたものを見つけなければいけない。だが、疑問さえ抱かなければ、島の日常は安定していた。幼馴染の彼女に再会するまでは――真辺由宇。この物語はどうしようもなく、彼女に出会った時から始まる。「納得できない」と憤慨する真辺は、島から出るために、僕と周囲を巻き込みながら島にまつわる謎を解き明かそうとするのだが――。やがて明かされる真相は、青春の残酷な現実を突きつける。

映画『いなくなれ、群青』は、現在全国公開中。作品の最新情報はInformationより公式サイト・公式Twitter・公式Instagramをチェックしてください。

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