舞台「魍魎の匣(もうりょうのはこ)」が6月21日、東京・天王洲 銀河劇場にて開幕しました。

今作は、戦後間もない昭和20年代後半の時代を舞台に、癖のある魅力的な登場人物と、民俗学や論理学、妖怪など様々な分野の薀蓄(うんちく)がぎっしりと詰め込んだ不思議な世界観で多くのファンを獲得している作家・京極夏彦さんの大人気小説「百鬼夜行シリーズ」の中でも、傑作との呼び声が高い『魍魎の匣(もうりょうのはこ)』を舞台化した作品。

開幕初日直前に公開ゲネプロ及び初日会見が行われ、主演の橘ケンチさんをはじめ、内田朝陽さん、高橋良輔さん、北園涼さん、高橋健介さん、紫吹淳さん、西岡徳馬さん、演出の松崎史也さんが会見に登壇。初日を直前に迎えての心境や意気込みなどを語りました。

(左前列より)松崎史也さん、紫吹淳さん、橘ケンチさん、西岡德馬さん
(左後列より)高橋健介さん、内田朝陽さん、高橋良輔さん、北園涼さん

橘　いよいよ初日を迎えますが、約一ヶ月間この座組で培ってきたものを初めてお客様に届けられることを嬉しく思います。「魍魎の匣」という作品が舞台という形態でどういう箱を開くのかを楽しみにしてください。

内田　怖い作品ですし、残酷な表現もありますし、ホラーな部分もありますが、とても文学的で言葉が面白かったり、キャラクターも色っぽい作品だと思うので、僕も頑張ろうと思います。

高橋良輔　素敵な言葉をセリフとして、言わせていただきますので、一つ一つ大切に皆さんの前にお届けできればなと思っております。

北園　演劇で舞台が行われることですけど、身近に起こりうる内容になっていると思うので、それを見ていただいたお客様が何を思って帰ってただくか、とても楽しみです。

高橋健介　最近は歌やダンスの舞台が多かったのですが、今回は言葉のみでの戦いの作品でもあり、それが魅力の一つでもあるので、約2時間言葉の楽しさを皆さんに味わっていただければなと思います。

紫吹　長いこと舞台をやらせていただいて、愛をテーマにしたハッピーの作品が多かったんですが、今回は「歪んだ愛」がテーマで、こんな愛の表現もあるんだなと、私自身の新たな扉を開かせていただきました。私が演じる柚木陽子のイメージはかなり確立されたものがあるので、そのイメージを崩さないように演じられたらと思います。

西岡　先程北園くんが「身近に起こりうる内容」と仰っていましたが、こんな話があり得たら困るなって(笑)。人間の発想では、なかなか出来ない仕組みの本になっていて、俳優たちはその仕組みに負けないように芝居をしないといけないので、エネルギーある演技を皆様にお見せできればと思います。チケットがかなり売れているそうですけど、立ち見席もあるので是非ご覧ください。

松崎　この作品を見ることで、お客様の中に備えが一つ加わればいいなと思います。「俳優・橘ケンチの代表作」になると思っていますし、本当に役者たちが素晴らしくて、このメンバーでシリーズを続けたいと勝手に思うくらい充実した稽古でした。

稽古前に行われた顔合わせには、原作の京極夏彦さんも参加したそうで、橘さんは「『皆さんの思う魍魎の匣をやってください。それがよければ僕は何も言うことはないです』と有難い言葉を言っていただきました。プレッシャーも感じましたが、それだけ先生に託していただいたこともあるので、気合いが入りました。また、先生の自宅にもうかがう機会がありまして、日本一の書斎という噂を聞いていましたが、本棚にビッシリと所蔵されていて、ものすごい書斎でした」と京極さんとのエピソードを披露。北園さんも「緊張した顔合わせでした。稽古を経て作り上げたものがあるので、自信持っていますが、最初はとても緊張しました」と、緊張感の伝わるコメントを披露してくれました。

また、豪華キャスティングに関して、スタッフから「気合いを入れないとマズいメンバーが揃いました」と言われたそう。高橋健介さんが「気合いを入れなきゃなと思うメンバーでございましたが、ひとたびご飯になれば、全員参加していただけるという、何とも素敵な方々でした」と感想を語ると、西岡さんが「いつも幹事やってくれるんだよね」と高橋さんをねぎらいますが、高橋さんは「大変なんです」と思わず(？)口を滑らせ、笑いを誘っていました。

質疑応答では、橘さんの座長ぶりについての質問が。西岡さんは「TVで2本共演していますが、真摯で真面目で間違いないなと思っていて、通し稽古ではすごい頑張ったので、誉めてあげました」と絶賛。さらに西岡さん同様途中から稽古に合流した紫吹さんは「主役なのに率先して稽古場のトイレ掃除しているのを見てビックリしました。トイレ掃除をしているさまもカッコいいですし、そんな主役は見たことありません」と稽古場でのエピソードを披露。「『稽古場のトイレは定期清掃が入らないので丁寧に使いましょう』と紙が貼られていて、1週間ぐらい経ってから汚れが目立つようになって。これ以上汚れ続けるのも嫌だったので、日替わり当番でトイレ掃除を提案したら、皆さん率先して掃除をしていただきまして、稽古の最後もトイレは綺麗でした」と橘さんが丁寧に経緯を説明。この姿に内田さんも思わず「部長みたい感じだったよね」と橘さんのリーダーシップを讃えていました。

最後に橘さんから「決してハッピーエンドの作品ではありませんが、きっと皆さまの記憶と心の奥底に刺さるようなインパクトを届けられる作品だと思います。ぜひ楽しみにしていてください」とファンにメッセージを送り、初日会見は終了しました。

≪公開ゲネプロ画像≫

中禅寺秋彦役の橘ケンチさん

木場修太郎役の内田朝陽さん

関口 巽役の高橋良輔さん

榎木津礼二郎役の北園涼さん

鳥口守彦役の高橋健介さん

劇中では橘さんのダンスも披露！

舞台「魍魎の匣」は、6月30日まで東京公演が上演され、7月4日よりAiiA 2.5 Theater Kobeにて神戸公演が行われます。当日券などの詳細はInformationから公式サイトをチェックしてください。

☆Information

舞台「魍魎の匣」

【日程・会場】
東京：2019年6月21日(金)～6月30日(日) 天王洲 銀河劇場
神戸：2019年７月4日(木)～７月7日(日)AiiA 2.5 Theater Kobe

【原作】京極夏彦「魍魎の匣」(講談社文庫)
【脚本】畑 雅文
【演出】松崎史也

【出演者】
中禅寺秋彦役：橘 ケンチ
木場修太郎役：内田朝陽
関口 巽役：高橋良輔
榎木津礼二郎役：北園 涼
鳥口守彦役：高橋健介
楠本君枝役：坂井香奈美
久保竣公役：吉川純広
楠本頼子役：平川結月
柚木加菜子役：井上音生
中禅寺敦子役：加藤里保菜
雨宮典匡役：田口 涼
須崎太郎役：倉沢 学
増岡則之役：津田幹土
青木文蔵役：船木政秀
福本郁雄役：小林賢祐
里村絋市役：中原敏宏
寺田サト役：新原ミナミ
寺田兵衛役：花王おさむ
柚木陽子役：紫吹 淳
美馬坂幸四郎役：西岡德馬

【企画協力】株式会社ラクーンエージェンシー
【主 催】ネルケプランニング
【公演に関するお問合せ】ネルケプランニング TEL：03-3715-5624(平日11:00～18:00)
【チケットに関するお問合せ】サンライズプロモーション東京 TEL：03-3715-5624(全日11:00～18:00)

【チケット料金】
8,500円(前売･当日共／全席指定･税込)
※東京公演のみ：立見券 7,500円(前売・当日共／税込)
※神戸公演のみ：カジュアルシート 7,500円(前売・当日共／税込)

≪公式サイト≫
https://www.nelke.co.jp/stage/mouryou/≪公式Twitter≫
https://twitter.com/stage_mouryou

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