2019-6-17

舞台『アンフェアな月』に続く待望の第2弾となる、～刑事雪平夏見シリーズ～『殺してもいい命』が2019年6月21日(金)に東京・サンシャイン劇場にて開幕を迎えます。
篠田麻里子さんが主演・雪平夏見を務める今作について、スマートボーイズではメンズキャストの田中稔彦さん×瀬戸啓太さん×齋藤健心さん、そして松田凌さん×中村優一さんにインタビュー！　それぞれの前後編を、4日連続更新の特集でお届けいたします。

まずは【田中稔彦さん×瀬戸啓太さん×齋藤健心さん】のインタビューをお届け！

原作は、脚本化・映画監督としても活躍する秦建日子氏の大ベストセラー「刑事雪平夏見シリーズ」。その小説一作目『推理小説』は、篠原涼子さんが主演・雪平夏見を演じるTVドラマ『アンフェア』として連続ドラマ化され、劇場版も大ヒットとなりました。
そして同シリーズ初の舞台化として、2018年2月には篠田麻里子さんの主演によって小説二作目『アンフェアな月』を原作に忠実に舞台化。そして2019年6月には、菅野臣太朗さんの脚本・演出のもと、いよいよ舞台第2弾『殺してもいい命』が上演を迎えます。

キャストには、初演より引き続き、捜査一課の“無駄に美人”でワーカホリックな女刑事・雪平夏見役で篠田麻里子さんが主演。また雪平の相棒にして、監視役でもある刑事・安藤一之役は新たに松田凌さんが務め、雪平の元夫・佐藤和夫には中村優一さんが前作より続投。ほか、水谷あつしさん、小島よしおさん、山口馬木也さんら、多彩な面々が集結しました。

スマートボーイズでは稽古序盤のある日、今作の注目キャストを直撃！　捜査一課の刑事たちを演じる【田中稔彦さん×瀬戸啓太さん×齋藤健心さん】、そして雪平とはコンビを組む相棒刑事＆今作の事件被害者となる元夫の【松田凌さん×中村優一さん】の組み合わせで、座談会形式のインタビューをお届けいたします。
まずは刑事役への意気込みを語ってくれた、【田中稔彦さん×瀬戸啓太さん×齋藤健心さん】のインタビュー前編をお楽しみください。

■田中稔彦さん×瀬戸啓太さん×齋藤健心さんインタビュー前編

――今作では刑事役を演じられる皆さんですが、まずはそれぞれの役柄をご紹介ください。

瀬戸啓太(以下、瀬戸)　僕が演じる神雅臣は、捜査一課の新人刑事です。刑事歴が浅いという点では、客観的に物語に関わる人たちのことを知っていく人物になるんじゃないかなと。ある意味で、観客の皆さんとの距離が近い役かなと思っています。

齋藤健心(以下、齋藤)　今回と前作での違いでは、刑事たちの人間関係がよりはっきりと描かれている、という面が大きいかなと思うんです。刑事にも一人一人のドラマがあり、それは僕の役柄でも描かれていて……僕が演じる刑事・安西一馬は、抱えているものを持ちながらも、前に進もうとしている姿が見られると思います。

田中稔彦(以下、田中)　僕が演じる松岡智輔は、今作では警視庁捜査一課の中堅という役どころになりまして。後輩もできつつ、もちろん先輩も多くいるという立場で、今回はそこをベースに、よりくっきりとした人間像を作ることができるなと思っています。後輩を思いやる気持ちもあるし、先輩や警察に対しては、「組織とはどうしてこうも動きづらいんだ、もっと事件解決に向けて邁進しなくてはいけないのに」ともどかしく思う、熱い思いを持った人間です。演じていても色々な感情が湧いてくるので、すごく面白い役どころだと感じています。

松岡智輔役の田中稔彦さん

神雅臣役の瀬戸啓太さん

安西一馬役の齋藤健心さん

――田中さんと齋藤さんは、前作から引き続きの登場に。前作を経験した上で、今回新たに意識されることはありますか？

齋藤　作品に対する熱量、みたいなものは前回から変わっていないんですが、日常的に流れてくるニュースを、これまで以上に気にするようになったというのは自分の中でも感じている変化ですね。役作りをしていく上で、「その事件に対して自分はどう考えるのか」っていうのも、この作品では大事になってくるんじゃないかなと思っているんです。
それ以外にも、例えば電車の中で席を譲る方を見たときに、親切な心を感じるのと同時に、「刑事はこういう、日常の幸せを守っていかなくちゃいけない職業なんだ」って前作以上に意識するようになりました。そういう風に感じた想いを、作品にもぶつけたいです。

田中　今作からキャストが変わった役もある中で、僕は前作からキャラクターを継続しているので、前作での感情を持ったまま演じることができています。例えば、山口馬木也さんが演じる林堂という役が、前作では僕の直属の上司だったんですが、今作では別の捜査チームにいるので、台本上だとあまり接点がないんですけど、俺が演じる上では1本の線が通っていて、何かあったときには松岡の目線が林堂さんの反応を伺ったりする。そういう繋がりは持っていたいんです。

――前作からの時間は経過していつつも、同じ世界線の出来事ではある、と。

田中　主人公の雪平夏見に対しても、松岡にとっては前作の劇中で出会った人物なんですが、彼女が事件を解決していく姿を目の当たりにして、尊敬を感じている部分があって。その上で今作では関わっていく部分が増えていくので、彼女を見る目に対しては前作からより上乗せされていくという気持ちでいます。そういったことを意識できる点は、続投キャストとしてのアドバンテージを感じています。

――対して今作より加わった瀬戸さんは、まず刑事役に挑むことをどう感じましたか？

瀬戸　僕の父は警察官なので、小さい頃には父に憧れて「警察官になりたいな」と思っていたこともあったんです。なので、小さな夢が一つ叶ったという気持ちがありました。

――今回からの新キャストの方は他にもいらっしゃいますが、新人刑事というキャラクターには、瀬戸さん自身も新キャストとして重なる点があるのでは？

瀬戸　原作である小説は読みましたが、前作からのシリーズとしては、僕がまだ知らないこと、これから知っていくことも多くあって。それは僕が演じる神も、新人刑事として入ってくるので同じ環境なのかなぁと思います。彼は捜査一課に入りたくて、念願が叶って入ってきた人物なんですが、そこで得られる情報は、まだ彼自身が目の当たりにしたことではなく、周りから聞いた情報でしかないんです。そういった意味では、彼の目線は観に来ていただく皆様ともリンクしていくんじゃないかなと思っています。

――瀬戸さんにとって、これまでにも共演作が多い田中さんのことはよくご存知だと思いますが、加わってみてカンパニーの雰囲気はいかがでしたか？

瀬戸　稔さんがいてくれるのは、ものすごく心強い！　神が加わるチームも、稔さんが演じる松岡がいるチームなので一番頼りにしています！　瀬戸啓太としても田中稔彦という人をすごく尊敬しているので、直属の先輩役としてお芝居ができるのが嬉しいです。

田中　おお！　ありがとうございまーす！

瀬戸　僕は結構、初めての現場では人見知りをしてしまうので……特にベテランの方がいらっしゃると、ちっちゃくなってしまうんですけど(笑)。でも先輩方も優しく接してくれますし、稔さんが繋いでくれる部分もあって、今回はあまり小さくならずに、皆さんの輪に入れているなって思います。

――では齋藤さんと田中さんは、刑事仲間に瀬戸さんを迎えていかがですか？

齋藤　僕は今回が初共演なんですが、瀬戸さんは本当に優しいです！　心が広いというか、まだ瀬戸さんがどんな方なのかを多く知らないのに、僕がノリで絡みにいっても受け止めてくれる。……ウザかったら、「ウザい」ってちゃんと言ってくださいね？(笑)

瀬戸　昨日ぐらいから、「やたら横腹を突いてくるなぁ」とは思っています(笑)。

齋藤　そういうどこまでやってもいいかの線引きは、今のところ探り探りなんですけど(笑)。でも、早く仲良くなりたくて！　いつも優しく接してくれるので、僕がそういう風に絡みにいくのも、いきやすい空気にしてくれているのかなって思います。今回、共演できて本当に嬉しく思っています！

田中　僕も、啓太とはまだ出会って1年ちょっとなんですが、その1年間の濃さでは「誰よりも共演したな」っていうくらい一緒にいたので、人間性もお互いによく分かっているし、芝居のテイストも分かってきたつもりでいるので、僕もやりやすさを感じています。
それに僕は今作では、警察に所属する人間がたくさん出てきますが、その中で捜査一課に入りたての神という人物はすごく特殊な立ち位置だと思っているんです。組織の現実を見てきている俺たちの役柄ではすでに失っているような、希望を持って入ってきた人物なので……それを演じるのが啓太だからこそ、僕ももっと深いところまで役柄を作り込む相談ができます。

――捜査一課の刑事の中でも、それぞれの立ち位置が今作では際立っているんですね。

田中　あと健心に関しては、僕と啓太の間に入るポジションなので、一番後輩だったら後輩キャラっていう作り方があるかもしれないんですけど、今回は神が登場したことで、さらに後輩が入るっていう難しいキャラクター作りになっていると思います。だから僕たち3人は、これからまた色々と話し合って、ひとつのチームの関係を作っていかなきゃいけないなと思っています。そこは僕たちのチームワークを活かせるところですね。

――今作は推理モノとしての側面はもちろん、これだけ様々な立ち位置の人間が出てくることで、組織の姿を描く側面も大きいと思います。演じられる面々にはベテランの方も多くいらっしゃいますが、刑事キャストの全体での関係はいかがでしょうか？

田中　今回はすごく、刑事チームの層が厚くなっています。やはり先輩方がしっかりと存在感を出してくださり、その上で僕たち若手から中堅のキャストも、「先輩には負けませんよ」という気持ちでいられる。それって警察組織の中でも、同じだと思うんですよね。それが作品自体でも、いい熱量となって影響していると僕は思っています。

瀬戸　僕はすごく緊張しやすくて、稽古序盤だと焦ってしまう時があるんです。ある時に松田凌さんとのシーンで、僕が緊張してセリフが出てこなくなってしまったんですが、その時に松田さんからアドリブのパスがあって、そのシーンを繋ぐことができたんです。そういう技量の面でもすごく尊敬できるなと思いますし、同年代と言われるからには、僕ももっと頼りになる人間にならなければいけないなと思いました。

齋藤　周りのキャストの方々はすごい方ばかりで、皆さんをすごく尊敬しているんですが、僕も初めての方とお話しすることが得意ではないので、まずは芝居の中でいろいろな感情をぶつけて、それを返してもらうことで、その方自身が持っている人間性も感じながら、皆さんに近づいていけたらと思っています。

――その中には、主演の篠田麻里子さんもいらっしゃいますよね。

齋藤　篠田さんはまず、オーラが半端無いです。お芝居に対しても、スイッチが入った瞬間からの集中力がすごいですし、その背中を見ることで僕たちにも気合いが入るというか。全員が作品に没頭することができる稽古場になっていて、「すごく存在感がある座長さんだな」と感じています。

瀬戸　作品のテーマ的にも、みんなでワイワイとする、賑やかな稽古場とは言わないですが、いい意味での緊張感があるというか。

田中　この現場はすごく、お芝居が好きな人が多いと思うんです。それぞれが芝居について話し合っている時に、みんなの心が生き生きとしていることを感じる瞬間があって。それはこの作品ならではの空気ですし、貴重な経験だと思います。

(6月18日更新・インタビュー後編へ続く)

6月18日(火)更新の【田中稔彦さん×瀬戸啓太さん×齋藤健心さん】インタビュー後編では、3人がそれぞれ自分の“無駄に○○”だと思うことをトーク、意外な特技も明らかに？
続いて19日(水)・20日(木)更新では【松田凌さん×中村優一さん】の仲良しインタビューをお届けいたします。それぞれ撮り下ろし写真もお楽しみに！

舞台『アンフェアな月』第2弾～刑事雪平夏見シリーズ～『殺してもいい命』は、2019年6月21日(金)～30日(日)まで東京・サンシャイン劇場にて上演されます。
公演詳細・チケット情報は、下記のInformationより公演公式サイトをご確認ください。