2019-1-5

劇団「少年社中」の20周年記念公演のファイナルを飾る「トゥーランドット～廃墟に眠る少年の夢～」が、2019年1月10日より東京・サンシャイン劇場にて上演。

松田凌さん＆生駒里奈さんのW主演！

今作は、オペラ「トゥーランドット」をモチーフに、遠い未来の厳格な管理社会に抗い、“演劇で世界を変える”物語が描かれ、脚本・演出を劇団「少年社中」の主宰・毛利亘宏さんが手掛ける新作公演。
井俣太良さんをはじめとする少年社中劇団員12人に加え、W主演となる生駒里奈さんと松田凌さん、さらには有澤樟太郎さん、赤澤燈さん、ザンヨウコさん、馬場良馬さん、鈴木勝吾さん、藤木孝さんといった20周年記念公演ファイナルに相応しい豪華キャストが出演します。

【出演】
トゥーランドット／ケツァール……生駒里奈
カラス……松田凌

インコ……赤澤燈
モズ……井俣太良
ガン……馬場良馬
ハゲタカ……山川ありそ
トンビ……廿浦裕介
アジサシ……加藤良子
キュウカンチョウ……ザンヨウコ
ダチョウ……内山智絵
サイチョウ……大竹えり
ペンギン……堀池直毅

謎の男……鈴木勝吾
ティムール……岩田有民

高貴な女……杉山未央
アルトゥム……藤木孝

大将軍ローラン……有澤樟太郎

ピン……川本裕之
ポン……竹内尚文
パン……長谷川太郎

スマートボーイズでは、今作に出演するキャストの中から5名にそれぞれ単独インタビュー！　5日連続で各キャストをご紹介します。

PART①は、「カラス」役の松田凌さんです。

「カラス」役の松田凌さん

――よろしくお願いします。まず、オファーをいただいての第一印象をお聞かせ願いますか。

松田　実はこのお話をいただく前に、プライベートで主宰の毛利さんとプロデューサーの中村さん、僕と宮崎秋人くんと4人でご飯に食べに行ったんですが、その時に毛利さんがこの作品について話されていまして、ものすごく毛利さんの真っすぐな熱い思いを聞きまして、これは「やるしかないな」と(笑)。自分が演技に携わって、役者として生きたいのであれば、この作品をやらないかと言われれば、二つ返事で「やりたいです」と思っていましたし、出演が決まった瞬間、今までにない“熱いもの”を感じましたね。

――これまでたくさんの作品に出演されてきましたが、それとは全然違う気持ちだったんですか。

松田　違っていましたね。少年社中さんの「20周年記念作品ファイナル」であるということと、東京公演が自分のゆかりの地でもあるサンシャイン劇場でやらせていただくということが、松田凌という役者人生の中で、大切なものが繋がっていて、そこに自分ももう一度繋がりたいなと思いました。

――前回、少年社中さんの公演で出演されたのが、「パラノイア★サーカス」で、その時もサンシャイン劇場でしたね。そういえば「パラノイア★サーカス」の単独インタビューで、『少年社中さんの作品に出させてくださいと常に懇願していた』とお話しされていましたが、その後もずっとアピールし続けていたんですか？

松田　もちろんです。以前、毛利さんと中村さんと3人で飲みに行った時も「少年社中さんの本公演に出たい」と言っていました。「パラノイア★サーカス」は少年社中さんと東映さんと舞台プロジェクトとしての公演でしたが、今回は少年社中の本公演で、さらに劇団の20周年記念公演ファイナルということで、自分にとっても満を持してお話をいただけて、よかったなという思いはありました。

――実は先程まで、毛利さんとお話しされていたようですが、何か印象に残った言葉などありましたか？

松田　今作が「演劇で世界を変える。世界は変わる」という、演劇人にとっては最果てなテーマがありまして、それをあて書きで自分が演じるからこそ、こういう作品にしたかったと毛利さんがおっしゃって下さったので、大千秋楽が終わるまでは、ずっと持ち続けるでしょうし、心の中から外れない自分の中での“裏テーマ”なのかなと思います。毛利さんは、夢を持ってそれを言葉にして体現していくのをずっとやってきた方だと思っていて、少年の夢を叶え続けてきている。そして、心が優しき方だけじゃなくて、実は熱き人なんです。きっと今作の出演者全員も「この演劇で世界を変えたい」と心の中に全てをぶつけたいものがあるんだと思っています。

――もちろん「この演劇で世界を変えたい」という気持ちを毛利さんにもぶつけたいですよね。

松田　もちろんそうです。毛利さんのリクエストにはどんなことでもやっていきたいですし、欲を言えば毛利さんの想像を超えたいです。

――「パラノイア★サーカス」から2年経ちましたから、その間の成長というものもアピールしたいという気持ちもありますよね。

松田　ありますね。ミュージカル『薄桜鬼』の初演(2012年、松田さんの初出演にして初主演舞台)から自分を見て下さった方なので、役者として8年目になりますが、これまで積み重ねたものを毛利さんには提示したいです。

――それこそ、役者として“赤ん坊”のころからご覧になったわけですから、毛利さんは他の演出家さんとは違う存在でしょうね。

松田　毛利さんは自分にとって、演出家と役者という縁だけではないので。いっしょに戦ってきた仲間の一人だとも思っています。そういった意味では深い縁ではありますね。さっき、毛利さんが演劇に携わって26年ぐらい経つとおっしゃっていて、自分が今年で27歳で、実年齢とほぼ変わらないんです。そう考えると自分の人生を生きてきた分だけ演劇に関わってきた方に仲間って言うのも失礼ですが。

――今作は、「少年社中20周年記念作品第4弾」でありシリーズファイナルとなりますけど、第1弾の「ピカレスク◆セブン」、第2弾の「MAPS」、第3弾の「機械城奇譚」はご覧になられましたか？

松田　一番観たかった「機械城奇譚」だけ行けなかったんです。劇団員全員のみ出演するというなかなか観られない本公演だったので……。観たかったなぁ……。関係者の皆さん、本当にすみません(苦笑)。

――では「ピカレスク◆セブン」「MAPS」は観られたということですね。率直な感想はいかがでしたか？

松田　両方とも少年社中さんならではの世界観が好きではありますけど、つい演者のことも観てしまいがちです。「ピカレスク◆セブン」では鈴木勝吾くんと宮崎秋人くんが演劇という力をぶつけ合っていて、「MAPS」では多和田任益(当時：秀弥)くんが船長としていろんな指針をみんなで作り上げている姿を観て、嫉妬しましたね。勝ち負けではありませんが、自分も今回、主人公の一人を演じるにあたってやるからには、今作でほかの役者さんが嫉妬するくらいのお芝居が出来たらなとは思います。

少年社中公演では「パラノイア★サーカス」以来の出演となる松田さん

――あと、共演者にも触れたいと思いますが、女性ゲストの生駒里奈さんと、ザンヨウコさんは今回が初共演となります。先日、生駒さんとビジュアル撮影でお会いされているんですよね。

松田　生駒さんもザンさんも共演したいなと思っていた女優さんです。生駒さんに関しては、昨年出演されていた「モマの火星探検記」を観に行ったんですけど、凄いエネルギーと情熱を持った演技をされていて、驚きました。あの可愛らしい可憐な見た目からは考えられないくらい、演劇をする上で一番必要だと思う心の部分が素敵だなと思いました。このタイミングで共演することになって、どんな化学反応が起こるか、本当に楽しみですし、早く作品をみてもらいたいと思いますね。ザンさんは、周りの関係者から素晴らしい女優さんだということをよく聞いていて、ザンさんがどういう風な芝居の組み立て方をするのかを楽しみにしています。

――初共演の女性キャストに対して、男性のキャストは全員共演経験があるそうですが。では一人ずつ伺っていきましょうか。まず始めは、事務所の後輩でもある有澤樟太郎さん。2015年の舞台「K」第二章以来の共演となります。

松田　「K」は樟太郎にとって初舞台のようなもので、きっと樟太郎は自分に対して、「俺もこれだけの力をつけてきましたよ」とぶつけたいという気持ちもあるだろうし、自分の背中を見てくれていたうちの一人だったから、肩透かしにならないよう、「松田凌さんはお芝居に対しては真摯だな」と思われるようには頑張りたいなと(笑)。樟太郎は内に熱を持った面白い役者だから、今回の共演でお互いの違った一面が見られたらいいですね。

――続いて赤澤燈さんは「男水！」で共演されています。

松田　燈がいると何故だか安心しますね。飄々と見えて実は一番真面目で、真っすぐなお芝居も少し屈折したお芝居も上手いなぁって思うことが多いので、燈と今回共演出来て嬉しいです。毛利さんからも「違った一面を掘り下げたい」とおっしゃっていたので、燈の違った一面が見られるかもしれませんね。

――それは楽しみですね。馬場良馬さんとは、今年2月上演の舞台「99才まで生きたあかんぼう」に続いて2度目の共演です。

松田　僕のお芝居の作り方とロジックが全く違っていて、寸分狂わず気持ちも動作も組み立てる方で、自分にないものを持っている点に魅力を感じています。経験も豊富ですし、何があれば良馬くんに頼りたいなとは思っていますし、いいところはどんどん盗んでいきたいです。

――鈴木勝吾さんとは、ミュージカル『薄桜鬼』、「東京喰種-トーキョーグール-」、「パラノイア★サーカス」など、もう腐れ縁ではないかというくらいの数多くの作品共演をされています。

松田　鈴木勝吾兄様とは、初めて出会ってから7年ぐらい経つんですが、公私ともに会わなかった時がないですからね。自分は鈴木勝吾という役者にも人間性にも惚れ込んでしまっていて、僕が男性キャストの中で真ん中を担って、彼がおそらく対になるような立ち位置の存在だと思うので、「パラノイア★サーカス」にはなかったような関係性を生みたしたいと思いますし、やっぱり鈴木勝吾には負けたくない(笑)。悔しいですけど、凄い役者さんだから……。だから今回もお世話になりますって感じですね(笑)。

――そして、藤木孝さんとは舞台「曇天に笑う」や「野球」と最近共演されていますが、今年で78歳とは思えないくらいの若々しくパワフルな演技をされていますよね。

松田　藤木さんとは、また共演出来てとても光栄ですという風に思うのが全てです。藤木さんと一緒にお芝居をさせていただいて、演劇だけでなくお芝居というものを丁寧に見せていただいたので、今回の共演で、お客様に心のこもったものを届けられるんじゃないかなと思います。同じシーンで会話を交わすことも多いと思っているので、今回が一番楽しみです。今回、劇団員の皆さんとこの出演者陣が、芝居を織りなすとしたら、凄いものにはなるんじゃないかなという確信はもう得ていますね。

――私もそう思いますね。では最後にファンの方へのメッセージをお願いします。

松田　今回の「トゥーランドット～廃墟に眠る少年の夢～」は、実は自分の夢を叶える絶好の機会でもあるような気がしています。僕が役者になりたいと思ってから、心の中にずっとにあった夢をお芝居で演じさせていただくという、役者にとってこれ以上ない嬉しさでもあり贅沢でもあります。だからこその怖さもあります…。
その先のテーマとして「演劇で世界を変える、世界は変わる」という思いが凄くあって、2019年一発目のお芝居をする上で、自分にとっての世界も変えていきたいと思いますし、毛利さんもおっしゃっていましたが「観に来て下さった皆様に対して、次の一日が少しでも幸せになってくれたら」という思いを込めて、皆様に届けます。観に来て下されば、あなたの世界は変わると思うので、ぜひ劇場へ確かめに来てください！

【あらすじ】
これは遠い未来の物語。
世界は一つとなり、争いの無い平和な世の中となっていた。

世界を統治する『トゥーランドット姫』の元、人々が「感情」すら失う厳格な管理社会。
平和を脅かす危険な思考を持つ者は姫の命令のもと、その場で処刑される…。

だが、姫はその世界に疑問を感じ始めていた。
そして遙か昔に失われた感情「愛」を夢見るようになる。

そんな中、姫は一人の少年と運命の出会いを果たす。

その少年の名は『カラフ』。
彼は管理社会を打ち壊そうとするレジスタンスの一員であった。
彼らの反逆の手段は、遙か遠い昔に禁じられた「演劇」。
カラフたちは、この世界に演劇を蘇らせることで世界を変えようとしていた。

カラフは「演劇」した罪で捉えられるが、そこでトゥーランドット姫と出会い、二人は運命の恋に落ちる。
二人は仲間と共に世界を変えるために、偶然にも「トゥーランドット姫」と「カラフ」という名前の主人公が出てくる物語『トゥーランドット』を演劇として上演しようとする。
演劇で世界を変える。世界は変わる。

少年社中・舞台「トゥーランドット～廃墟に眠る少年の夢～」は1月20日まで東京公演が行われ、1月24日より梅田芸術劇場シアター・ドラマシティにて大阪公演、1月30日よりももちパレス(福岡県立ももち文化センター大ホール)にて福岡公演がそれぞれ上演。詳細はInformationから公式サイトをチェックしてください。

©少年社中

■松田凌赤澤燈馬場良馬出演動画はアプリで好評配信中↓■