木ノ本嶺浩「シャトナーさんの世界観は本当に深いなぁって感じました」舞台『遠い夏のゴッホ』開幕直前SP②

  • 2017-7-6

7月14日より東京・天王洲 銀河劇場にて開幕する舞台『遠い夏のゴッホ』。

今作は、「破壊ランナー」、舞台「弱虫ペダル」シリーズなどを手掛けている演出家・西田シャトナーさんが自作戯曲を上演するプロジェクト「SHATNER of WONDER」の第6弾。2013年に松山ケンイチさんの初舞台作品として上演され、セミが主人公、ほかの登場人物たちもすべて人間ではない生物たちという斬新な設定ながら、誰も知らないちいさな森の奥で起こる究極の愛の物語として話題を呼んだ名作が、約4年ぶりの上演となります。

恋人よりも1年早く羽化してしまった“ユウダチゼミ”のゴッホが、生きて生きて生きまくり、セミには絶対不可能な冬越えに挑む大冒険の物語です。

【遠い夏のゴッホ】上演&%-iloveimg-converted

スマートボーイズでは、今作に出演する安西慎太郎さん、木ノ本嶺浩さん、伊勢大貴さん、兼崎健太郎さんに直撃インタビュー! 4日連続で各キャストをご紹介します。

PART②は、カレハミミズのホセを演じる木ノ本嶺浩さんです。

ホセ[カレハミミズ]役の木ノ本嶺浩さん

ホセ[カレハミミズ]役の木ノ本嶺浩さん

——まずは「遠い夏のゴッホ」の出演オファーが来た時に感想をお聞かせ願います。

木ノ本 シャトナーさんの作品は「ロボ・ロボ」「ソラオの世界」「破壊ランナー」を観劇していまして、「演劇ってこんなに自由な世界があるんだ」というのを感じました。身体で物とか液体とか固体とか全てを表現されるので、今回そのような作品に参加するんだという緊張感がありますし、「遠い夏のゴッホ」自体の話は聞いたことがあったので、自分がどういう形で参加するんだろうというワクワクした気持ちや、自分と年齢が近い方々と一緒に演劇を作るということで「よし、やるぞ!」といった意気込みがありました。

——シャトナーさんの作品を初めて見た時は、驚いたのでは?

木ノ本 衝撃でした。「えっ、こんな!!」みたいな感じで、演劇って何でもできるんだって思いましたね。

——シャトナーさんの舞台は、一人でいろいろな役を演じますからね。

木ノ本 波とか風とかも表現しますからね。シャトナーさんの舞台に出演するのは初めてですが、今後何が起きるんだろうというのが楽しみです。

——木ノ本さんといえば、映像作品に多く出演されていますが、今回のようなガッツリと舞台に出演するのは久々ですか?

木ノ本 大人数でのストレートプレイの舞台に出演するのは約1年ぶりですね。

——今回の作品では、素晴らしい役者陣が揃いましたが、以前共演された方はどのぐらいいらっしゃいますか?

木ノ本 安西くん、陳内(将)くん、兼崎さんですね。あとは丸目(聖人)さんとはドラマで共演はありますが、本当に少ないです。

——4人しかいないって、意外ですね。

木ノ本 共演回数で一番多いのは安西くんですが、本当に楽しみにです。安西くんが恋をするという瞬間が見られるという事が(笑)。彼は演劇に熱く、楽しいことをどんどん貪欲に探していくタイプで、稽古終わりでも僕と2人で演劇に関する話をずっと喋ったりしていました。安西くんはすごく心地いい男ですし、年齢は4つ離れていますが、1つか2つしか離れていないくらいの感覚で、いい関係です。
陳内くんとはプライベートで飲んだこともあり、そういう意味では信頼できる2人がいるのは心強いですし、兼崎さんとは破壊ランナーの時に会った際に「よろしくお願いします」って言ったら、「お前ら自由にやれ!」って言ってくださいました。

——木ノ本さんは2009年の「仮面ライダーW」がTVドラマ出演作ですが、今回のキャスト陣を見てみると、小澤亮太さん(海賊戦隊ゴーカイジャー)、山本匠馬さん(仮面ライダーキバ)、陳内さん(特命戦隊ゴーバスターズ)、伊勢さん(烈車戦隊トッキュウジャーの主題歌担当)、土屋シオンさん(仮面ライダーフォーゼ)、萩野崇さん(仮面ライダー龍騎)と、東映特撮作品出身者が多いですね。

木ノ本 こう見ると、本当に多いですね。今回は東映プレゼンツの作品でもありますし、また東映さんとご一緒にお仕事が出来るということは嬉しいですね。実はこの取材を受けている場所が、仮面ライダーWのオーディションを受けた場所なんです。

——そうなんですか!

木ノ本 ちょうど特撮にハマっていた時期に「仮面ライダー」はオンエアされていなかったんですが、「ブルースワット」(1994)、「重甲ビーファイター」(1995)といったメタルヒーローシリーズの作品はめっちゃ好きで、撮影現場ではメタルヒーローの話をしまくっちゃって、スタッフの皆さんに引かれるということもありました。あ、ちょっと話がそれましたね(笑)。

——いえいえ、貴重なお話ありがとうございます! 木ノ本さんが演じられる役は、ゴッホとその恋人のベアトリーチェにはさまれて翻弄されていくミミズのホセですが、最初にミミズを演じると聞いて、さぞかし驚かれたのではないでしょうか。

木ノ本 ビックリしました(笑)。どの役になっても大変だとは思いますが、ミミズだからこそできる世界の見え方という視点で演じることを考えると「面白いなぁ」という欲は湧いてきますね。

——先日、ビジュアル撮影に参加したそうですが?

木ノ本 とても楽しい撮影でした。シャトナーさんからは「ホセは、いろんな表情を撮影していきたい」というリクエストがあったので、いろいろ動き回りつつ、スコップを持ったり、常にフィンガーボールのふちに座って手を洗いながらというポーズで撮影したりと、ある意味初めてのビジュアル撮影でした。ただスコップを持っての撮影で、スタッフから「殺人鬼だよ」って言われましたが(苦笑)。

——ビジュアル撮影の合間には、シャトナーさんからいろいろ話されたそうですね。

木ノ本 作品のことや僕が演じるミミズのホセについての話をしました。シャトナーさん頭の中には何が広がっていて、普段はどういう感覚で生活しているんだろうって。一番印象に残っている言葉は、「ミミズはある意味一番神に近い存在じゃないか」で、「ミミズはただただ下等な生物に見えるけど、本当は土を良くしたり、周りの生物のために生きていると考えたら、実は一番尊い存在であって、でもミミズたちは自分たちが尊い存在だということを気付いていないことを表現してみたらどうだろう?」というお話をされていて、シャトナーさんの世界観は本当に深いなぁって感じました。

——シャトナーさんのミミズに対する想いを聞くまで、木ノ本さんはミミズをはどういう存在と思っていましたか?

木ノ本 釣りの餌でしか思っていませんでした(苦笑)。あとは「畑の土地にミミズがいれば良い土地」ぐらいな感覚でしたが、ミミズがいたからよかったなんて考えたこともなかったです。

——シャトナーさんの話を聞いたら、木ノ本さんもミミズについてもっと深く勉強しようかなって思うんじゃないでしょうか。

木ノ本 そうですね。でも改めて台本を読み返して、どこまで掘り下げていけばいいのかと考えているうちに、ある種自分の知らないことは知らないままでいいのかなって思っていたりもします。

——この作品は、恋人同士のゴッホとベアトリーチェによる“究極の純愛物語”という内容になっていますが、ストーリー的には、恋人よりも1年早く羽化したユウダチゼミのゴッホが、恋人に会うためにひと夏しか生きられない寿命を乗り越え、不可能とも言える“冬越え”に挑むという、無理難題なことに挑む冒険物語という一面もあります。
そこで、木ノ本さんがこれまでやってきた「無理難題なチャレンジ」のエピソードなどありましたら教えていただけませんしょうか。

木ノ本 これまでを振り返ると「俳優になること」でしょうか。17歳の時に決めたことですが、その決断が今までで一番大きいチャレンジでしたね。仕事的には、2年前にやった「一人芝居」です。90分の上演で、周りからは「よくやったね!」ていう声を多くいただきました。やってみて大変でしたが、すごく楽しかったです。

——ちなみに、今後何かチャレンジしたいことはありますか?

木ノ本 映画や舞台を制作してみたいですね。ここ1、2年、学生制作や自主制作の作品に関わることがあって、すごく楽しかったんですよ。体一つあれば何でもできるんだっていうのは、無茶な話かもしれませんが、やっていたい挑戦です。

——今回の作品も体一つで表現するという点においては共通点がありますね。では最後にファンの方へのメッセージをお願いします。

木ノ本 約1年ぶりにストレートでお芝居をやります。西田シャトナーさん演出のもと、共演者の方々と、壮大なファンタジーであり、でも現実に基づいた虫たちの世界を作って行けたらと思います。セミが果たして越冬出来るか、そこでミミズは何をするか、上演の日程がちょうどセミが鳴いている時期なので、劇場を入る前に聞いていた時のセミの声は、劇場を出たらまた聞こえ方が変わってくると思うので、そこの情調を感じながら楽しみにしていただけたらと思います。

※PART③では、伊勢大貴さんが登場します。お楽しみに!

舞台『遠い夏のゴッホ』は7月23日まで東京公演が上演され、7月29日より森ノ宮ピロティホールにて大阪公演がスタートします。詳細はInformationから公式サイトをチェックしてください。

© 2017 Kitty Entertainment×東映 Presents「遠い夏のゴッホ」

☆Information

キティエンターテインメント × 東映 Presents
SHATNER of WONDER #6
『遠い夏のゴッホ』
作・演出:西田シャトナー
出演:
安西慎太郎 / 山下聖菜 / 小澤亮太、木ノ本嶺浩、山本匠馬 / 陳内将
伊勢大貴、宮下雄也、三上俊、永田彬、土屋シオン、丸目聖人、星元裕月
米原幸佑、平田裕一郎、兼崎健太郎 ほか
日程:
〈東京公演〉7月14日(金)~23日(日) 天王洲 銀河劇場
〈大阪公演〉7月29日(土)・30日(日) 森ノ宮ピロティホール
チケット料金:全席指定7,900円(税込)※未就学児入場不可
企画・製作・キティエンターテインメント・東映
《公式サイト》
http://toinatsu-gogh.com/
《公式ツイッター》
@SHATNERofWONDER

関連記事

前の記事
次の記事

@sumabojp

ページ上部へ戻る