志尊淳がストレートプレイ初主演で14歳の性の衝動を熱演!思春期の悲劇を描く衝撃作『春のめざめ』が開幕

  • 2017-5-5

志尊淳さん、大野いとさん、栗原類さんと注目の若手俳優が出演、フランク・ヴェデキント作の舞台『春のめざめ』が5月5日にKAAT神奈川芸術劇場 大スタジオにて公演開幕を迎えました。
前日5月4日には公開ゲネプロとあわせ、志尊さんらキャスト3名が今作の構成・演出を手掛ける白井晃さんとともに会見へと登場。思春期の少年少女たちの性と生への葛藤を描く、衝撃作へと挑む意気込みを語りました。

(左から)白井晃さん、大野いとさん、志尊淳さん、栗原類さん

(左から)白井晃さん、大野いとさん、志尊淳さん、栗原類さん

1891年にドイツの劇作家フランク・ヴェデキントによって書かれた戯曲『春のめざめ』とは、思春期の少年少女たちの性への目覚め、生きることへの葛藤、大人や社会からの抑圧などを描き、そのセンセーショナルな内容から当時、上演禁止の処分を受けた問題作。近年はミュージカル上演で人気を博している今作が、KAAT神奈川芸術劇場の芸術監督である白井晃さん構成・演出の元、原作版ストレートプレイとして現代に蘇りました。

物語の中心となる3人の登場人物には、優等生の少年メルヒオール役に『烈車戦隊トッキュウジャー』で注目を集め、映画・ドラマと話題作への出演が続く志尊淳(しそん じゅん)さん。そして幼馴染の少女ヴェントラ役に大野いとさん、メルヒオールの友人で劣等生の少年モーリッツ役にモデルとしても活躍する栗原類さんと、瑞々しい若手俳優たちが挑みます。

公演前日に行われた会見では、まずは主演の志尊さんから「まだ開幕への実感は湧かないんですが、約1ヶ月半の稽古で白井さんのもと、みんなと作り上げてきたものを最大限に、そしてそれを超えるように表現していきたい」と意気込みを力強くコメント。続いて大野さんは「自分なりに考えながら稽古してきたので、ヴェントラとしてしっかり生きたい」と、栗原さんも「不安がないと言えばウソになりますが、白井さんから言われてきた『僕らが何を表現したいのか』をしっかり考えて最後の稽古に挑みたいです」と話します。

演出を務める白井さんは、「今作は若い俳優を中心に作っていて、難しく厳しい表現を求められる作品ですが、僕は舞台に描かれているギムナジウム(学校)の校長先生のように、彼らを叱咤激励しながらやってきました」とコメント。さらに、記者から“現時点での仕上がりは何点?”と聞かれると、「まだ80点。この後の公開稽古で90点に、そして初日本番で100点が出る予定です」と話し、若いキャストたちの奮闘に期待を寄せます。

舞台経験の浅いキャストを中心とした今作に「ベテランでは出せないエネルギーで、技術ではなく、一生懸命に舞台へ立ち向かおうとする姿が見どころに繋がれば」と話す白井さん。期待がかかる中、初の本格ストレートプレイにして初座長を務める志尊さんは「舞台出演自体が久しぶりなので、いろんな人から吸収しながら挑んでいるところで、座長という意識は全くないです。ですが本番での役に向き合いながら、これから千秋楽までに座長として何か形にしたいです」と語ります。

また志尊さんは「実は誰とも食事にも行ってなくて、座長らしいこと何もしてないんですよね(笑)」と苦笑い。そんな志尊さんの座長ぶりについて聞かれた大野さんも、「ウフフ」と吹き出してしまい、志尊さんも「ほら! 笑っちゃってるぐらいですから!(笑)」と自らツッコむほど。大野さんは「でも座長として、誰より真剣に役と向き合っている姿は見ているので、人一倍のプレッシャーを感じているんだろうなと思います」と話します。

栗原さんも「白井さんは、志尊さんだけじゃなく僕ら全員に厳しく表現を求めていたので、僕らそれぞれ全員に課題がありました。最初は白井さんが何を求めているのかが分からなくて頭を抱えましたが、劇場に入って空間も含めた表現がつかめるようになり…中でも志尊さんは白井さんとのディスカッションをたくさんしていたので、本番でどんなメルヒオールになるのか楽しみです」と、難役に挑む志尊さんの真剣さを語りました。

今作のタイトルにかけ、“最近めざめたものは?”と質問が飛ぶと、志尊さんは稽古中によく食べていたという「コンビニのおにぎり」、大野さんは舞台メイクで気付いたという「チークをたくさんつけるとカワイイ」こと、そして栗原さんはトレードマークでもあったロングヘアーに対し、今作でのヘアスタイルで「僕、ボブカットも似合うんだなって目覚めました(笑)」とそれぞれコメント。

最後は、志尊さんが「僕たちが演じる14歳の役柄は、僕たち自身が通ってきたことでもありますし、各々が抱えている葛藤は誰しもが感じていることでもあって、この作品は観る方により捉え方が変わると思います。そんな戯曲の世界を舞台でも発揮したいと思いますので、ぜひ劇場で観ていただきたい作品です」とメッセージを送り、会見を締めくくりました。

その後のゲネプロでは、KAAT神奈川芸術劇場 大スタジオに設けられた約200席の客席を前に、濃密かつ緊迫した空間での芝居が展開。舞台と客席に明確な区切りがなく、がらんと広がる無機質なスペースで表現される子どもたちの悲劇は、観客までも物語の当事者であるように心を締め付けます。好奇心や探求心、そして葛藤を抱えた彼らの結末は…。

メルヒオール(左・志尊淳さん)とモーリッツ(右・栗原類さん)は、性について会話を交わす

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無垢なヴェントラ(右・大野いとさん)は、子供がどうして作られるのかをまだ知らない

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劣等生のモーリッツは、進級がかかる学校での競争についていくことができない

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メルヒオールは性への関心を恥ずべきことと抑圧する大人に疑問と不信を抱く

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メルヒオールに芽生えた衝動は、性への知識の幼いヴェントラに向かい…

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【公演概要】
『春のめざめ』
原作:フランク・ヴェデキント
翻訳:酒寄進一
音楽:降谷建志
構成・演出:白井 晃
出演:志尊 淳 大野いと 栗原類
小川ゲン 中別府葵 北浦愛 安藤輪子 古木将也 吉田健悟 長友郁真 山根大弥
あめくみちこ 河内大和 那須佐代子 大鷹明良

KAAT神奈川芸術劇場プロデュース『春のめざめ』は、2017年5月23日までKAAT神奈川芸術劇場 大スタジオにて神奈川公演が上演中。続いて京都、北九州、兵庫での地方公演が上演となります。公演詳細はInformationより公式サイトをご確認ください。

☆Information

KAAT神奈川芸術劇場プロデュース『春のめざめ』
原作:フランク・ヴェデキント
翻訳:酒寄進一
音楽:降谷建志
構成・演出:白井 晃
出演:志尊 淳 大野いと 栗原類
小川ゲン 中別府葵 北浦愛 安藤輪子 古木将也 吉田健悟 長友郁真 山根大弥
あめくみちこ 河内大和 那須佐代子 大鷹明良
▼神奈川公演
2017年5月5日(金)~2017年5月23日(火)
チケット料金:全席指定・税込
・プレビュー公演(5月5日・6日)
5,000円(各種割引料金はございません)
・本公演(5月7日~23日)
一般6,500円 U24チケット(24歳以下)3,250円 高校生以下割引(高校生以下)1,000円 シルバー割引(満65歳以上)6,000円
※未就学児入場不可
※U24、高校生以下、シルバー割引は、チケットかながわの電話・窓口で取扱(前売のみ、枚数限定)
お問合せ:チケットかながわ 0570-015-415(10:00~18:00)
▼京都公演
2017年5月27日(土)13:00、18:00/28日(日)13:00
会場:ロームシアター京都 サウスホール
チケット料金:全席指定・税込 S席5,500円、A席(2階席)4,500円、B席(2階席後方)3,500円
ユース(25歳未満) 各席種 1,000円割引(枚数限定)
お問合せ:ロームシアター京都 075-746-3201
主催:ロームシアター京都(公益財団法人京都市音楽芸術文化振興財団)/京都市
▼北九州公演
2017年6月4日(日)13:00
会場:北九州芸術劇場 中劇場
チケット料金:(全席指定・税込) 一般5,800円、ユース(24歳以下)3,000円、高校生チケット1,500円
お問合せ:北九州芸術劇場 093-562-2655
主催:(公財)北九州市芸術文化振興財団
共催:北九州市
▼兵庫公演
2017年6月10日(土)15:00(※アフタートークあり)/11日(日)13:00
会場:兵庫県立芸術文化センター 阪急中ホール
チケット料金 :(全席指定・税込) A席 5,000円 B席 3,000円
お問合せ:芸術文化センターチケットオフィス
0798-68-0255(10:00~17:00 / 月曜休み ※祝日の場合翌日)
主催:兵庫県、兵庫県立芸術文化センター
《公式サイト》
https://www.harumeza.jp/

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