市川知宏×陳内将の××が露わに!? 中屋敷法仁演出舞台『露出狂』9/30開幕直前SP鼎談②

  • 2016-9-27

9月30日より東京・Zeppブルーシアター六本木にて開幕する、中屋敷法仁さん作・演出の舞台『露出狂』。
2010年の初演では、高校のサッカー部をモチーフに、部活という閉鎖された空間で繰り広げられる濃密かつ複雑な人間関係を、単なる青春賛歌で終わらない硬質な青春ドラマとして描き多くの反響を呼びました。
2012年のオール男性キャストによるリメイク公演から4年の歳月を経て上演される2016年版では、総勢32人の俳優による”露(あらわ)””出(いずる)””狂(くるう)”3チームの三つ巴の戦いが繰り広げられる!?
本作に出演する市川知宏さん、陳内将さん、そして中屋敷さんに、本作の魅力や見どころ、さらに学生時代の部活動の思い出など、たっぷり語っていただきました。
インタビュー直前、報道陣に公開されたワークショップで撮影した写真とともに、3回に渡りお届けします!

そのPart②は――

(写真左より)陳内将さん、市川知宏さん、中屋敷法仁さん

(写真左より)陳内将さん、市川知宏さん、中屋敷法仁さん

【まだ開けていない役者の引き出しが”さらけ出される”のかも!?】

――今回、それぞれが演じる役についても伺いたいのですが?

陳内将(以下、陳内) 僕はチーム露(あらわ)で白峰(シラミネ)、チーム出(いずる)で佐反町(サソリマチ)の2役を演じますが、”頭脳明晰”な白峰と”喧嘩上等”な佐反町で正反対の役かと思いきや、意外とどっちも近い感じで……。面白いのが台本を読み込んでいくと、知的な白峰が言っていることの方がおかしかったり、暴れん坊でヤバイ奴のはずの佐反町が一番優しかったりするんですよ。このキャラクターたちの中で、佐反町は”お母さん”担当ですね。

――市川さんもチーム露(あらわ)で佐反町を演じますね。あとチーム出(いずる)で御器(ゴキ)役。

市川知宏(以下、市川) 普段の僕の性格からすると、佐反町のような役は意外に思われるかもしれませんね。どっちかというと御器の方がイメージに合ってるのかな? 佐反町のような熱い役を演じることは今までなかったので、今回の2役は僕の中でもチャレンジですし、刺激が多い楽しい毎日になりそうだなって思います。それぞれの役を通じて、共演の皆さんが演じるいろんな濃いキャラクターと”からむ”のも楽しみです。

チーム露(あらわ)・佐反町(サソリマチ)役/チーム出(いずる)・御器(ゴキ)役を演じる市川知宏さん

チーム露(あらわ)・佐反町(サソリマチ)役/チーム出(いずる)・御器(ゴキ)役を演じる市川知宏さん

演出:中屋敷法仁(以下、中屋敷) 関係性の中でそれぞれのキャラクターの印象が二転三転していくから、その複雑さをどう演じるかは役者次第。「この役作りでいけばクリアーできる」なんてふうにはなっていないし、そうさせない共演陣だと思ってますね。そこは僕も何が飛び出すのか楽しみです。

陳内 例えば僕はチーム出(いずる)で佐反町を演じるけれど、イッチーが休みの時にチーム露(あらわ)に佐反町で入ったらどうなるんだろうとか……稽古場限りのキャスティングでシャッフルして演じたりしたら、絶対それは”何か”のヒントになるはずだし、この『露出狂』の舞台では生かせなかったとしても、今後の俳優生活で使える”何か”をいただくきっかけにもなるんだろうなって思うんですよね。

チーム露(あらわ)・白峰(シラミネ)役/チーム出(いずる)・佐反町(サソリマチ)役を演じる陳内将さん

チーム露(あらわ)・白峰(シラミネ)役/チーム出(いずる)・佐反町(サソリマチ)役を演じる陳内将さん

――共演者同士で「あいつ、あの役をどう演じるんだろう?」と、戦々恐々しそうですね。

市川 ちょっと気になっているんですけど、チーム出(いずる)で佐反町を演じる陳内くんに対して中屋敷さんが言うアドバイスやダメ出しを聞いて、僕はチーム露(あらわ)の佐反町にも反映すべきでしょうか?

陳内 あぁー、それね! 僕も逆の立場で気になる!

中屋敷 反映できるものと反映できないものがあるから。例えば芝居中の立ち位置やきっかけとか明確に共通するものは反映してほしいけれど、芝居のニュアンス的なものは根本的に違うから、そこはむしろ各自でつかんでいかなければいけないところだからね。

市川 ってことは、内面的な芝居に関しては別のチームのことは考えずに、自分がやっていることだけを考えればいいんですね。

中屋敷 考えなくなれればいいけど、考えないっていうことは多分無理(笑)。

陳内 そうだね、どっかで入っちゃうよね、きっと。

中屋敷 そもそも「3チーム全部最高傑作!」なんて無理だから。そうじゃなくて、”いいもの”を作るためには、どうすればいいかってこと。それぞれの”味”と”角度”と、明確な”目的”がしっかりしてるかどうかが大事!

舞台『ハイキュー!!』の脚本でも注目を集める、作・演出の中屋敷法仁さん

舞台『ハイキュー!!』の脚本でも注目を集める、作・演出の中屋敷法仁さん

――いうなれば、パラレルワールドですよね。チーム露(あらわ)・出(いずる)・狂(くるう)の3通りの世界。

中屋敷 そうですね。3つの並行世界で、いかに「らしくあれるか」を、それぞれのチームが突き詰められるかどうかですね。

――ところで、稽古の前に行われた会見では「さらけ出す」というキーワードも出てきましたが、どんなものがさらけ出されていくのでしょう?

陳内 いままでお芝居をやって来て、「開けられていない引き出し」が自分の中にまだまだたくさんあると思っていて。それを中屋敷さんと、この作品と、このメンバーが開いてくれたら、それは新しい”露出”かなぁと思いますね。それが出来たらうれしいです。

市川 僕も、今までの自分にないテイストの芝居を模索する中で、稽古の途中でパニックになることもあると思うんです。モヤモヤすることや、もまれている感じが上手く作品とリンクして、その苦しみが部活の苦しみとリンクされたら、また何か新しい”味”が出るかもしれないなって密かに期待しています。すべてをさらけ出して、くらいついていきたいなと思います!

「だるまさんがころんだ」と言う間に二人一組でペアを組む。これが意外とむずかしい!

「だるまさんがころんだ」と言う間に二人一組でペアを組む。これが意外とむずかしい!

「ペアになった人から座る」「手を上げてアピールする」「積極的に声を出す」など、様々な案が出ました。

「ペアになった人から座る」「手を上げてアピールする」「積極的に声を出す」など、様々な案が出ました。

体を動かし声を出すうちに、緊張も解けて次第に笑顔に

体を動かし声を出すうちに、緊張も解けて次第に笑顔に

◆あらすじ◆
高天原高校サッカー部に入部した〈佐反町〉〈白峰〉〈比留〉の3人はその圧倒的な実力が災いし、入部早々先輩たちと対立する。同じ1年生の〈御器〉も含めた4人は、退部を掛けて上級生と真剣試合した結果、あっさり勝利をおさめてしまう。高天原高校サッカー部は1年生4人だけで再スタートを切ることになった。

とにかく、勝ちたい。
とにかく、勝てるだけ勝ちたい。

勝つために必要なのは最高のチームワークだと悟った彼らは、驚異的なまでの結束力を築く。
わずか3年で強豪校として全国に名を馳せるまでになった高天原高校サッカー部の掟とは?
個人の能力とチームの結束力を飛躍的に伸ばした秘訣とは?

部活という閉塞的社会で巻き起こる男同士のプライドを賭けた泥試合!!
ダマせ! 蹴落とせ! 這い上がれ!
こんな青春に誰がした!?

~Part③に続く~

(取材・文/近藤明子)

☆Information

舞台『露出狂』
日程:9月30日~10月10日
場所:Zeppブルーシアター六本木
作・演出:中屋敷法仁
出演:市川知宏、陳内将、小沢道成、永島敬三/小野一貴、川合諒、ケイン鈴木、高良亘、
紺野真、坂口涼太郎、渋谷謙人、鈴木勝大、砂原健佑、田中穂先、畠山遼、松井薫平、
松井勇歩、見雪太亮/赤楚衛ニ、石賀和輝、井藤瞬、小松直樹、佐藤信長、三原大樹/
井澤巧麻、池本啓太、菊池修司、鈴木翔吾、髙橋里恩、中山龍也、飛葉大樹、三永武明

《公式サイト》
http://www.parco-play.com/web/play/rsk2016/

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