10月舞台『磯部磯兵衛物語~浮世はつらいよ~天晴版』再演、主演の井上拓哉インタビュー【後編】

  • 2016-7-25

今年4月に”関西版D-BOYS”こと劇団Patchによって上演された浮世戯言歌劇「磯部磯兵衛物語~浮世はつらいよ~」高尾山地獄修業編が、「天晴版」とタイトルを変更し、内容もキャストもさらにブラッシュアップして再演が決定!

立派な武士になることを目指し、江戸の武士道学校で日々精進に励んだり励まなかったり、むしろ励まないことが多い青年・磯部磯兵衛を演じるのは、今年1月に放送されたドラマ『僕と私の、ひらパー姉さん』に主演し、10月スタートの市川海老蔵主演ドラマ『石川五右衛門』にゲスト出演が決まった井上拓哉さん。

磯兵衛とその仲間たちのだらだらした生き様を描き出す、累計百万部突破の時代劇ギャグマンガ、『磯部磯兵衛物語』の魅力や役への想い、爆笑稽古場裏話(!?)など、じっくり語っていただきました。衝撃(笑撃!?)の『磯ミュ』インタビュー後編は――

主演の磯部磯兵衛役、井上拓哉さん

主演の磯部磯兵衛役、井上拓哉さん

【お尻を触られたりして、母上役の中山義紘さんからは怖いくらい愛されていました(笑)】

――脚本・演出の末満健一さんについてもお話を伺わせてください。

井上 末満さんは劇団Patch結成当初からずっとお世話になっていて、Patchステージもほぼ全部、末満さんが書き下ろしてくださっているんです。稽古場では結構厳しいんですが、そのダメ出しにもめちゃくちゃ愛があるんです。

――稽古中にかけられた言葉で印象に残っている言葉はありますか?

井上 いっぱいあります! 何かをやって「おもんない(=おもしろくない)。はい次!」って何回も繰り返したとか。今回ギャグ漫画で主役のポジションで「おもんない」って言われるとグサッと来るけど、その言葉に奮起していろいろな挑戦が出来たので、僕の中の引き出しを増やすきっかけになりましたね。

――前回、初演時の稽古中に何か印象的なエピソードはありますか?

井上 末満さんは、だいたい作品の流れを一気に作って、そこからお芝居を見ながら「もうちょっとこうして、こうして」っていう指示をされるんです。初演時も稽古スタートから1週間後くらいには粗通しまでやってっていう形だったんですけど、その後末満さんが東京のお仕事で稽古場を離れて僕ら劇団員だけで作っていったんですよ。中山義紘が“クリエイティブリーダー”として中心になってみんなをまとめて意見をまとめて……なんかすごく劇団らしいなと思いました。

――その後、末満さんが東京から戻って最終的に確認をしたという感じですか?

井上 末満さんが戻って来るタイミングが場当たりの時だったので、場当たり~ゲネプロで、すぐ本番でした。そんなタイトなスケジュールだったからこそ、劇団員ひとりひとりが責任感を持って取り組めたんだと思います。末満さんは心配だったと思うけど、劇団Patchとしての結束が深まったし、ひとりひとりが演者として成長できて、いろんな視点で物事を見ることが出来るいい機会になりました。

――先ほど中山義紘さんのお名前が出ましたが、『磯部磯兵衛物語』では中山さんが演じる母上が磯兵衛を溺愛する様も作品の大きなポイントだと思うのですが?

井上 『磯部磯兵衛物語』以前から、中山からの“愛”をものすごく感じていたんですよ。もう本当に怖いぐらい愛されて……自分で言うのもなんですけど、ホントにすごかったんですよ!

――例えば、どんな時に“愛”をじたんですか?

井上 写真を撮影している時にいきなりお尻を触って来るとか……。これって完全にアウトでしょ?(苦笑)

――“母の愛”ではなくて何かおかしな方向に向かってません? 目覚めちゃった?

井上 あはは! 女性のしぐさとかすごく研究していたせいかな? 普段からちょっとした瞬間に女性のしぐさが出たりしているのを見た時は「さすがだな」って思いました。衣装を着た瞬間、女性にしか見えなかったですもん。

――まぁ、再演の舞台上ではお尻を触られないように注意していただいて(苦笑)。改めてPatch stage vol.9『磯部磯兵衛物語~浮世はつらいよ~天晴版』の見どころと、上演を楽しみにしている皆様にメッセージをお願いします。

井上 今回はただの再演ではなくグレードアップ編! キャストも脚本も一部変わって、新曲も増えて、初演をご覧になった方にも違った印象を与える作品になると思います。本作はお祭り感覚というか、ライブ感覚というか、舞台じゃないような錯覚を感じるくらいの面白い舞台なので、ちょっとでも気になった方にはぜひご来場いただきたいです。原作を知っている人は「あぁ、このシーンや!」って絶対になるし、それぞれの楽しみがいっぱいあると思います。

――お祭り騒ぎと言えば、すごく盛り上がる曲もありましたよね?

井上 『筋肉ええじゃないか』っていう筋肉をたたえる歌があるんですよ。ふざけた歌なんですけど、それが結構耳に残るらしくて、観劇した友人が「あの筋肉の歌が頭から離れへん!」って言ってました。

――『筋肉ええじゃないか』もパワーアップ?

井上 そうですね。「前回よりムキムキになってる~!」って驚いてもらえるように、ジムに通おうと思います(笑)。今回も“大阪のみ”の上演ではありますが、たくさんの人に観に来てほしいです。みんなで盛り上がって、東京進出の足掛かりになるように……ぜひ応援よろしくお願いします!

春公演の反響の大きさを受け、再演が決定!(※画像は前回公演のものです)

春公演の反響の大きさを受け、再演が決定!(※画像は前回公演のものです)

チケットの一般発売は、8月20日10:00より開始。取り扱いプレイガイドなど、詳細はInfomationから公式サイトをチェックしてください。

~了~

(取材・文/近藤明子)

☆Information

Patch stage vol.9『磯部磯兵衛物語~浮世はつらいよ~天晴版』
日程:10月20日~10月25日
場所:大阪・ABCホール
原作:「磯部磯兵衛物語~浮世はつらいよ~」仲間りょう(集英社「週刊少年ジャンプ」連載)
脚本・演出:末満健一
音楽:和田俊輔
出演:井上拓哉、中山義紘、納谷健、村川勁剛、竹下健人、三好大貴、岩﨑真吾、吉本考志、有馬純、田中亨、尾形大悟、藤戸佑飛/鎮西寿々歌、川下大洋(Piper) 他
《公式サイト》
http://www.west-patch.com/
《公式Twitter》
@west_patch

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