10月舞台『磯部磯兵衛物語~浮世はつらいよ~天晴版』再演、主演の井上拓哉インタビュー【前編】

  • 2016-7-12

今年4月に”関西版D-BOYS”こと劇団Patchによって上演された浮世戯言歌劇「磯部磯兵衛物語~浮世はつらいよ~」高尾山地獄修業編が、「天晴版」とタイトルを変更し、内容もキャストもさらにブラッシュアップして再演が決定!

春公演の反響の大きさを受け、再演が決定!(※画像は前回公演のものです)

春公演の反響の大きさを受け、再演が決定!(※画像は前回公演のものです)

立派な武士になることを目指し、江戸の武士道学校で日々精進に励んだり励まなかったり、むしろ励まないことが多い青年・磯部磯兵衛を演じるのは、今年1月に放送されたドラマ『僕と私の、ひらパー姉さん』に主演し、10月スタートの市川海老蔵主演ドラマ『石川五右衛門』にゲスト出演が決まった井上拓哉さん。

磯兵衛とその仲間たちのだらだらした生き様を描き出す、累計百万部突破の時代劇ギャグマンガ、『磯部磯兵衛物語』の魅力や役への想い、爆笑稽古場裏話(!?)など、じっくり語っていただきました。衝撃(笑撃!?)の『磯ミュ』インタビュー前編は――

主演の磯部磯兵衛役、井上拓哉さん

主演の磯部磯兵衛役、井上拓哉さん

【自分が一生懸命に役を全うする背中を見て、みんなが付いてきてくれたら……】

――「再演」と聞いて、どう思いましたか?

井上 最初に『磯部磯兵衛物語』というギャグ漫画が舞台化される時も「まさか!」だったのに、それが再演されると聞いて、自分自身もとてもビックリしました。不安もありましたけど、いざ本番を迎えてみると、意外と自分が予想していた笑いどころじゃないところで笑いが生まれたり、「あ、こういうところでお客さん笑ってくれるんだ」っていうのもあったので、今回も予想外の笑いをお届けできたらなと思いますね。

――今回、サブタイトルが“高尾山地獄修業編”から“天晴版”に変わりますが、気持ちの変化はありますか?

井上 タイトルだけでなく配役も一部変わります。新曲も加わって内容も全く同じではないので、気持ち的には“再演”というより“改訂版”という感じですね。さらにグレードアップして笑いの質を高めて、貪欲に関西らしさを100%で出したいと思っています!

――話は脱線しますが、関西の人に「なんか面白いことを言ってください」と言っちゃいけないって、以前言われたことがあるのですが……。

井上 言っちゃダメです(笑)。全員が面白いことを言えるわけじゃないんで過度の期待はかけないようにしてください(笑)。

――ちなみに、井上さんはキャラ的に面白いと思っていいんですか?

井上 いや~、どうなんでしょうね?

――答えによっては、この後のインタビューの内容が変わります(笑)。

井上 マジですか!? 僕、劇団Patchのメンバーの中では結構年下の方なので、強引にみんなを引っ張っていくのは先輩にお任せしていた部分が多かったんですね。冷静に周囲を見てしまうので、回りからは「冷めてる」と言われることが多かったんですけど……。

――でも『磯ミュ』では、主演として皆さんを引っ張っていくポジションだと思うのですが?

井上 そうなんですが、座長として全員を引っ張っていくっていう意識は表に出さず、自分が一生懸命に頑張って役を全うすることで、みんなが付いてきてくれたら……それが僕の目指す座長というか、僕らしい座長になるのかなって思っています。

――口だけではなく、実際に行動する背中を見せて「俺について来い」的な?

井上 そんなカッコイイこと言えないですけど、理想としてはそうですね。

――自身が演じるキャラクター・磯部磯兵衛と、自分自身との相違点についても聞きたいのですが、「あー、俺と似ているな」と思う部分はどんなところですか?

井上 磯兵衛はぐーたらな武士で、「楽をするためにはどうすればいいか?」を一生懸命に考えているんですけど、その気持ちって何となく共感できる気がするんですよ。
例えば小学生~中学生の男子が考えているような「Hな本を読みたい」とか「学校をサボりたい」とか「ずっと昼寝していたい」とかは、昔の自分とリンクする部分もあるし(笑)。
でも役作りとして、ただのヘタレではない、漫画のキャラクターらしい愛される部分は持っていなくちゃいけない……。その加減が難しかったですね。役作りに関しては、結構考えましたね。

――漫画のキャラクターを演じるというのはどうでしたか?

井上 僕自身も劇団自体も、この作品で初めて2.5次元の世界に足を踏み入れたんですけど、最初は「元のキャラクターがあるから、それを目指せばいい」と思っていたんです。でもいざやってみると、ただキャラクターを真似するだけだと物足りないというか、未完成な感じがして……。キャラクター+自分の個性をちょっと加えて“いい感じ”にやっていく、その加減がすごく難しいなと思いました。

――井上さんが思う“自分の個性”とは?

井上 僕、めちゃくちゃマイペースなんですよ。そういうところが、ちょっと怠け者の磯兵衛とリンクしているなと思ったので、その部分を糸口にキャラクターを近づけていきました。でもミュージカルなので、いきなり歌とダンスが入ると、キャラがちょっとブレてしまったり混乱する部分もあったんですが、何とか“役のまま楽しむ”という楽しみ方を本番中に見つけていきました。

――過去の劇団Patchの舞台は、シリアスな作品が多い印象なのですが、異色作でしたね。

井上 そうですが、今回やってみて「意外とこういう舞台の方が劇団Patchらしいのかな?」と思いましたね。
メンバー全員「絶対、俺の方がおもろいやろ!」って思っているんで、みんながいい感じに切磋琢磨し合って、上へ上へと目指していく環境が自然と整っていった気がします。
若さと勢いのある劇団Patchやったからこそできた作品だと思うし、そういう意味では今回の再演は観客の皆さんが「また観たい!」と思ってくださったから、実現できたことだと思うので、非常にありがたい話だなと感謝しています。

~後編に続く~

現在公式メンバーズサイト「WE!プレミアム」にてチケットの最速先行を受付中! 締め切りは本日(7月12日)の23:59までとなっているので、人気の“天晴シート”(※公演グッズが入った非売品“磯”袋付)を、ぜひこの機会にお求めください。
“スタンダード(有料)会員”“ライト(無料)会員”で申し込みURLが異なるので、詳細は下記Infomationから公式サイトをチェックしてください。

(c)仲間りょう/集英社、ワタナベエンターテインメント

(取材・文/近藤明子)

☆Information

Patch stage vol.9『磯部磯兵衛物語~浮世はつらいよ~天晴版』
日程:10月20日~10月25日
場所:大阪・ABCホール
原作:「磯部磯兵衛物語~浮世はつらいよ~」仲間りょう(集英社「週刊少年ジャンプ」連載)
脚本・演出:末満健一
音楽:和田俊輔
出演:井上拓哉、中山義紘、納谷健、村川勁剛、竹下健人、三好大貴、岩﨑真吾、吉本考志、有馬純、田中亨、尾形大悟、藤戸佑飛/鎮西寿々歌、川下大洋(Piper) 他
《公式サイト》
http://www.west-patch.com/
《公式Twitter》
@west_patch

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