2016-3-10

深津絵里さん、中村七之助さんが主演する舞台『ETERNAL CHIKAMATSU(エターナルチカマツ) －近松門左衛門『心中天網島』より－』が、先日閉幕した大阪公演に続き、3月10日にBunkamura シアターコクーンで東京公演の開幕を迎えました。若手俳優陣では中島歩さん、入野自由さん、矢崎広さんが出演する今作、東京公演の開幕前日に行われた公開舞台稽古でのステージ模様をご紹介します。

深津絵里さん(写真右)と中村七之助さん(左)が初共演の注目作が開幕！

今作は、近松門左衛門の代表作「心中天網島」をもとに、ウエストエンド、ブロードウェイ、そして日本と世界中の演劇界をけん引する演出家のデヴィッド・ルヴォーさんのアイディアの元、気鋭の劇作家・谷賢一さんが書き下ろした新作戯曲。ルヴォーさんの盟友であった十八代目中村勘三郎さんへのオマージュと歌舞伎への愛を込め、女優・深津絵里さん、そして中村七之助さんを主演に、現代と近松門左衛門が描いた劇中の江戸時代、このふたつの世界を行き来しながら物語は進みます。

時を超えて出会った2人の女性は、お互いを不思議な絆で生かし合い…

【ストーリー】
ほんのちょっと、15分だけの恋のはずだった。
止むに止まれぬ事情から、売春婦になったハル(深津絵里さん)。割り切って始めた商売だが、足繁く通うジロウ(妻子持ち)と命懸けの恋に落ちる。周囲の反対を押し切ってこの恋を全うすることが出来ないと諦め、ハルはジロウに愛想尽かしをしたふりをして心ならずもジロウと別れる。自暴自棄になって街をさまよっていたハルは、かつて遊女の涙で溢れたという蜆川(曽根崎川)のあった場所で、ハルと同じ境遇にある、妻も子供もいる紙屋治兵衛と命懸けの恋をしている遊女・小春(中村七之助さん)と出会い、近松門左衛門の江戸の世界、古い古い恋の物語に引きこまれていく。

その透明感あふれる姿で活躍し続ける人気女優の深津絵里さんに、歌舞伎界のプリンスとして今作でも美貌の女形を務める中村七之助さん、初共演となる2人のほかも今作には演劇界の実力派が集結。深津さん、中村さんほかのメインキャスト陣は、現代と江戸、ふたつの世界でそれぞれに対応し合う2つの役柄を担当。どちらの世界でも不貞の夫を責めきれず、心を尽くす妻役に伊藤歩さん、今作の語り部的な役割として性別を超え男女2役を務める中嶋しゅうさん、そして遊女・売春婦に入れ込む弟を責める兄の役を、TEAM NACSの音尾琢真さんが演じています。

さらに若手俳優陣では、現代ではハルと恋に落ちる客・ジロウ、そして江戸では小春との道ならぬ恋に心中までも画策する男・治兵衛の2役を、NHKテレビ小説『花子とアン』で注目された中島歩さんが熱演。また声優としても活躍する入野自由さんは、個性的なドレッドヘアー姿で小春に入れ込む江戸時代の商人・太兵衛役を、そして矢崎広さんは姉・ハルを心配する現代の青年・トウゴを演じています。入野さん、矢崎さんは本役以外でも両方の時代に登場、現代と江戸のふたつの時代の姿を見せてくれます。

注目俳優・中島歩さんは、ジロウと治兵衛の2役で主演2名が恋する相手を務めます

劇中劇にあたる江戸の世界で、遊女・小春に入れ込む太兵衛役を演じる入野自由さん(写真右)

深津絵里さん演じるハルを心配する弟・トウゴ役の矢崎広さん

古典作品を元に、歌舞伎と現代劇の要素を合わせておくるこの注目作。中村七之助さんが魅せる女性よりも女性らしいあでやかな遊女姿、そして恋と人生に迷える2人の女性がたどり着く愛の結末と見どころたっぷり。赤い橋が繋ぐふたつの物語は、観る人に感動と美しい余韻を残してくれます。

舞台『ETERNAL CHIKAMATSU －近松門左衛門『心中天網島』より－』の東京公演は3月10日から27日まで、新国立劇場中劇場にて上演。公演詳細、チケット情報はInformationから公式サイトをチェックしてください。華も実力も兼ね備えたキャストたちが魅せる、日本が誇る文化と演劇が融合した美しいステージをお見逃しなく！

☆Information

ETERNAL CHIKAMATSU －近松門左衛門『心中天網島』より－
東京公演： 2016年3月10日～27日　Bunkamura シアターコクーン
作：谷賢一
演出：デヴィッド・ルヴォー
出演：深津絵里　中村七之助 / 伊藤歩 / 中島歩　入野自由　矢崎広　澤村國久　山岡弘征　朝山知彦　宮菜穂子　森川由樹 / 中嶋しゅう / 音尾琢真
≪公式サイト≫
http://www.umegei.com/schedule/514/