劇団スタジオライフが『トーマの心臓』、『訪問者』など萩尾望都作品を3作連動で上演!

  • 2016-2-16

劇団員は男優のみで構成される人気劇団・スタジオライフから、その看板演目とも言われる萩尾望都さんによる不朽の名作『トーマの心臓』上演20周年を記念した、3作連動上演が決定! 萩尾望都作品連鎖公演として、舞台『トーマの心臓』、『訪問者』、『湖畔にて-エーリク 十四と半分の年の夏』の3作品が、2月24日から東京・シアターサンモールにて上演されます。少年たちの繊細な心を描き出す今作の見どころを、劇団からの公式コメントとあわせてご紹介します。

原作者・萩尾望都さんによるイラストビジュアルも公開に

原作者・萩尾望都さんによるイラストビジュアルも公開に

劇団スタジオライフは、1985年に結成され、昨年には創立30年を迎えた人気劇団。1987年からは男優が女性役をも演じるという手法をとり、現在は男優40名、女性は演出家の倉田淳さん1名のみという構成で、数々の舞台作品を上演しています。少年少女から美しい淑女まで、老若男女すべての役柄を男優のみによって描き出すことで生み出される耽美な世界観と、演出家・倉田淳さんの独創的な脚色力と美しく繊細な舞台演出が話題を呼び、20代から40代の女性を中心に、圧倒的な支持を得ています。

そして劇団スタジオライフの歴史を語る上で欠かせないのが、漫画家・萩尾望都さんによる名作の舞台化公演。美しく繊細な絵柄で、SFからファンタジー、心理サスペンスに少年愛まで、ジャンルを超えて丁寧に描く萩尾作品の文学的な世界観を、劇団スタジオライフは『11人いる!』や『マージナル』、『メッシュ』と多く上演してきました。

そんな萩尾望都さん×劇団スタジオライフの組み合わせで、幾度もの再演を繰り返し、今なお絶大な人気を誇る公演こそが、今回上演される『トーマの心臓』。萩尾さんの代表作である今作は、ドイツのギムナジウムと寄宿舎を舞台に、そこで暮らす少年たちの傷つきやすく繊細な関係と心の動きを描き、『訪問者』、『湖畔にて-エーリク 十四と半分の年の夏』といった番外編も生み出されています。

劇団スタジオライフが1996年に『トーマの心臓』を初上演してから20年を迎え、今回は初の試みとして『トーマの心臓』、『訪問者』、『湖畔にて-エーリク 十四と半分の年の夏』の3作を萩尾望都作品連鎖公演として上演決定! 同劇場にて同一期間内に、回替わりでの上演を行います。各公演のストーリー概要は下記のとおり。

■『トーマの心臓』
ドイツのギムナジウム(高等中学校)と寄宿舎生活を舞台に繰り広げられる物語。
冬の終わりの土曜日の朝、一人の少年が自殺した。彼の名はトーマ・ヴェルナー。
そして月曜日、一通の手紙がユリスモールのもとへ配達される。
「これが僕の愛、これが僕の心臓の音・・・」トーマからの遺書だった。
その半月後に現れた転入生エーリク。彼はトーマに生き写しだった。
人の心を弄ぶはずだった茶番劇。しかし、その裏側には思いがけない真実が秘されていた。

■『訪問者』
家庭内に居場所がないように感じていたオスカー・ライザーは、自分は父グスタフの子供ではないのではないかと疑っていた。
ある時、父グスタフは妻ヘラに事実を告げられ、衝動で彼女を撃ち殺してしまう。
オスカーは父が母を殺したこと、そして自分が父の子供でないことを悟る。
警察から必死に父をかばうオスカーは、父とともに逃亡の旅に出る――

■『湖畔にて-エーリク十四と半分の年の夏』(リーディング)
エーリクと義父シドとのボーデンでのひと夏の情景を描く。

【キャスト】
『トーマの心臓』
ユリスモール=山本芳樹、オスカー=笠原浩夫、エーリク=松本慎也、バッカス=曽世海司、レドヴィ=石飛幸治

『訪問者』
グスタフ・ライザー=楢原秀佳、オスカー・ライザー=久保優二、ヘラ=青木隆敏、ルドルフ・ミュラー=笠原浩夫

『湖畔にて? エーリク 十四と半分の年の夏』
シュヴァルツ=楢原秀佳、エーリク=松本慎也、オスカー=笠原浩夫

ほかキャスト
牧島進一 関戸博一 仲原裕之 松村泰一郎 宇佐見輝 澤井俊輝 鈴木翔音
若林健吾 田中俊裕 江口翔平/倉本徹 藤原啓児 他
※シングルキャスト ※出演者は『トーマの心臓』『訪問者』のどちらにも全員出演
※出演者は都合により変更となる場合がございます。予めご了承下さい。

山本芳樹さん、笠原浩夫さん、松本慎也さんらがメインキャストを務める『トーマの心臓』と、楢原秀佳さん、久保優二さん、青木隆敏さんらがメインキャストを務める『訪問者』ですが、出演キャストは両作品に全員が出演。そしてリーディング公演として『トーマの心臓』とあわせて一部公演日に上演される『湖畔にて-エーリク十四と半分の年の夏』では、楢原秀佳さん、松本慎也さん、笠原浩夫さんが出演します。この公演に寄せて、劇団スタジオライフから今回の企画についての公式コメントが届きました。

【劇団からの企画意図についてのメッセージ】
2000年12月から2001年2月にかけて、一つの公演期間で二作品を交互に上演するという形態で『トーマの心臓』と『訪問者』の連鎖公演を上演させていただきました。実に恐れ知らずの無謀な企画でしたが、この連鎖公演は私達に多くのものをもたらしてくれました。
同一人物の登場する、それぞれに独立した二つの物語世界を同時期に追体験させていただくことは、登場人物たちの心情へ、そして物語の世界へ、より深く導いていただくというかけがえのない実感を与えてくれたのです。『トーマの心臓』と『訪問者』のそれぞれの物語世界にいながら、今、発している言葉の奥に、今、置かれている状況の奥に、更に浮上してくる意味と心情を見出させていただく稽古は、まさに発見の連続。ぞくぞくする興奮と歓びを与えてくれました。シュロッターベッツの聖域と、雪と梨の花の咲く白の世界を行き来し、重ね合わせ登場人物の心情を求める日々は、私達それぞれの内に演劇人として各自のレゾン・デートルを求める旅となっていました。

1985年に旗揚げし、エネルギーとテンションの小劇場活動を行っていた劇団草創期、公演を重ねるうちに多くの矛盾を抱えて迷路の中を彷徨っていました。この路頭に迷っていた時『トーマの心臓』に出会い、私達は行くべき新たな道を与えていただきました。『トーマの心臓』を舞台化させていただいた1996年の2月は、私達の再出発の時だったのです。以後、2010年の劇団創立25周年の連鎖公演も含め『トーマの心臓』は6回の再演を重ね、『訪問者』は2回再演をさせていただきました。奇しくも、昨年7回目の『トーマの心臓』再演中に、以前より病気療養中だった創立者・河内喜一朗が逝去、そして迎えた30周年。本当にいろんな意味で私たちは再出発の時を迎えることになりました。
初演から20年、スタジオライフのアイデンティティは、今やこの作品抜きには語ることができません。未来のスタジオライフの行くべき道を模索するとき、この作品なしには先に進めないことを実感します。だからこそ、20年間上演させていただいた感謝と、スタジオライフの原点の継承という意味を込めてこの節目の時に『トーマの心臓』『訪問者』の連鎖公演を企画させていただきました。また同時に、2014年のイベントでリーディングとして立ち上げさせていただいた後日談『湖畔にて』をプログラムとして加えさせていただくことにより、新たなる連鎖反応を起こすことができるものと確信しております。

私たちを支えてくれた作品とそのキャラクターたち、原作である萩尾望都先生、そしてこの舞台を20年間愛してくださった全ての皆様に感謝を込めて上演させていただきたいと思うのです。

――以上、劇団スタジオライフが表明するように、その歴史を込めて新たに描き出す三篇からなる物語は、初めて劇団スタジオライフを知る方にも最適な作品です。
萩尾望都作品連鎖公演『トーマの心臓』、『訪問者』、『湖畔にて-エーリク 十四と半分の年の夏』は、2月24日~3月13日まで、東京・新宿シアターサンモールにて上演されます。チケットは好評発売中、各演目の上演スケジュールなど詳細はInformationから公式サイトをご確認ください。男優のみだからこそ生み出される、繊細で耽美な世界観で描かれる3作をお見逃しなく。

(c)萩尾望都/小学館

☆Information

スタジオライフ・萩尾望都作品連鎖公演
『トーマの心臓』
『訪問者』
『湖畔にて-エーリク 十四と半分の年の夏』
2016年2月24日(水)~3月13日(日)シアターサンモール
原作:萩尾望都
脚本・演出:倉田 淳
《公式サイト》
http://www.studio-life.com/stage/toma2016/

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