【インタビュー④】ゴーバスターズの髙橋直人が初主演!映画『カミングアウト』が11/29公開

  • 2014-11-29

『特命戦隊ゴーバスターズ』で特命部オペレーター・森下トオル役を演じていた髙橋直人さんの初主演映画『カミングアウト』が11月29日より渋谷ユーロスペースにて公開されます。
映画の話はもちろん、芸能界を目指すきっかけや『ゴーバスターズ』メンバーとのエピソードなど、いろいろ伺ったお話を4回に渡りお届けします。そのPart.4は…

髙橋直人さん

髙橋直人さん

【枠組みに収まりきらない”個性”があることを、この映画で知ってほしい】

――撮影はいつ頃、どのくらいの期間をかけて行われたんですか?

髙橋 ちょうど昨年の秋から初冬にかけて、約3週間くらいで撮影しました。最近は1週間で映画1本撮影するとか聞きますけど、それに比べたら比較的時間をかけて撮影することができたのかな?

――切なくて美しい映画ですよね。時間がゆっくり流れる中で、陽くんの繊細な気持ちの揺れが伝わって来るようでした。

髙橋 犬童一利監督がすごく”間”を大切にされる方で、撮影に入る前の稽古でも「間が詰まっているから、セリフとセリフの間をもっと空けて」「いろんなことを一瞬一瞬考えて演じてください」と言われました。
陽くんは同性愛者であることを家族や友人に偽って生活をしているから、普段の会話の中でふとした瞬間にズレが出て来ることがある。その違和感であったり周囲の人との感覚のズレ、心情の揺れをフィルムに収めるのが、僕の中で一番の課題だったんですけど、思っていた以上にとても難しいものでした。

――演じるうえで、髙橋さんが一番こだわったところは? 私はすごく目の動きがいいなと思いながら観ていたんですけど。

髙橋 犬童監督からも「髙橋くんは目の動きが際立つ人だから、気を付けてください」と言われました。「目の動きひとつのアクションが大きいのは武器にもなるけど、考えなしに動いてしまうと、それが悪い方向にいってしまうから」って。

――監督からは、「こう演じて」というアドバイスなどはありましたか?

髙橋 「自由にやってください」っておっしゃるだけで、具体的なアドバイスは何もありませんでしたね。

――「自由」って、一番難しいことじゃないですか?

髙橋 そうなんですよ! 「嬉しい言葉だけど、これは試されているな」と思いながらも、そこは「この役はやりがいがある!」と前向きに考えて演じました。

陽が選ぶ道とは…?

陽が選ぶ道とは…?

――具体的に、どんな部分にやりがいを感じましたか?

髙橋 僕の中では、あらかじめ「こうしよう」と頭で考えるのではなく、「今、体で感じられることを表現しよう」と思って挑みました。とはいえ、ある程度の感情というものはシーンに向けて作っていきつつ、その日の天気や気温、さらには相手役の岡村さんのお芝居や共演者の口調などにも柔軟に対応していけるように、フラットな部分も残しつつ……。
最終的に、それがフィルムに残った時に一番美しく見える事を心がけました。

――最後に、映画『カミングアウト』の公開を楽しみにしている皆さんに、メッセージをお願いします。

髙橋 はい。最近はバラエティ番組の影響もあって、しぐさや服装が女性っぽいなど分かりやすく表現されることが多いですけど、LGBT(※レズビアン、ゲイ、バイセクシャル、トランスジェンダーの頭文字を繋げた略語)の人は”レインボー”と総称されるように、セクシャル・マイノリティに関して、決して決められた枠組みの中に収まりきるものではないんだということを伝えたいです。
例えば”赤”という色ひとつとっても、真っ赤なルージュのような赤もあれば、光の当たり方や屈折の仕方でバーガンディー(=ワインレッド)、アップルレッド、緋色、朱赤、葡萄色(えびいろ)……と、様々なカラーに変化する。
それと同じように、僕ら一人一人もそれぞれの”個性”があって生きている。この映画は主人公の赤間陽という人物が自分自身と向き合い、自分らしく生きるために告白を決意する心の動きを繊細に描いている映画です。そこに注目して観ていただいて”何か”感じていただくものがあれば、嬉しく思います。

――ありがとうございました。

(了/取材・文=近藤明子)

☆Information

『カミングアウト』
11月29日(土)~渋谷ユーロスペースにて3週間限定公開
脚本・監督:犬童一利
主題歌:『応援の唄』ききまたく
出演: 髙橋直人 岡村優 夏緒 高山侑子 秋山浩介(TooT Aki) 歌川たいじ 一ノ瀬文香 高岡瓶々 杉崎佳穂 辻恵美(※シンニョウの点は1つ) 木村利信 美漸-Bizen
【初日舞台挨拶開催】
11月29日(土)上映前21:00~
場所:渋谷ユーロスペース(渋谷・文化村前交差点左折)
登壇者:髙橋直人 /岡村優 /秋山浩介(TooT Aki)/歌川たいじ/一ノ瀬文香/杉崎佳穂/辻恵美漸/Bizen/犬童一利監督
※登壇者は都合により変更する場合がございまのでご了承ください。
【あらすじ】
陽はゲイの大学生。サークルの同級生で親友の昇に片想いをしているが、大学のサークル仲間にも、一緒に暮らす家族にも、ゲイである事は隠している。唯一、新宿二丁目の行きつけの「Bar B♭」ではありのままの自分でいられる。
仲間達との友情や恋愛の他にも、就職や結婚など将来への不安は尽きない。いつしか、陽の中にある思いが生まれ始めていた。葛藤の末に陽が進む道とは…。
(C)2014映画「カミングアウト」製作委員会
《公式サイト》
http://www.comingout.jp/

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