綾野剛、主演映画のモントリオール映画祭出品決定に「客席にダイブして波乗りをしている状態」

  • 2014-4-16

映画『そこのみにて光輝く』の特別試写会が、4月10日に原作者で41歳で自らの命を絶った佐藤泰志さんの母校である東京・渋谷の國學院大學で行われ、主演の綾野剛さんと呉美保監督が登壇しました。

特別試写会に出席した綾野剛さん(右)と呉美保監督(左)

特別試写会に出席した綾野剛さん(右)と呉美保監督(左)

函館の美しくも短い一瞬の夏を舞台に、運命の出会いと問題を抱える家族を慈しむようなまなざしで描かれたラブストーリー。綾野さんは悲痛な過去にとらわれ愛を見失った男を演じ、『仮面ライダーW』『ごちそうさん』の菅田将暉さんがヒロインの弟役として出演します。

次回作の役作りで金髪の綾野さん

次回作の役作りで金髪の綾野さん

「改めて佐藤泰志さんのことを知っていただく機会になれば」ということで実現した大学生限定の特別試写会。綾野さんが登場すると客席からは割れんばかりの歓声が会場を包み、綾野さんが「みなさんこんばんわ」と口を開いただけでも「キャー」と絶叫する学生も少なくありませんでした。

学生を前に熱いメッセージも

学生を前に熱いメッセージも

過酷な日常を生きる女性を一途に愛する男を演じる綾野さん。
役作りに関して、「この作品の規模を逆手にとって、ドラマやメジャーな作品では許されないこともできました。リアリティーで勝負したかったので、二日酔いで顔が腫れている状態で撮影したり、暴力シーンでも全部当てたり、ギリギリのところとせめぎ合っていたのを維持するのは大変でした」と苦労した点を挙げたものの、そうではない部分もあったそう。
「ずっとノーメイクで撮影してました。普段メイクする時間は30分ぐらい取られるんですが、もう楽でね(笑)。メイクしなくていいし、髪の毛は水で洗うだけ、顔は腫れててもいい、最高でしたね」と笑顔で語っていました。

モントリオール映画祭出品決定の手紙を見て、思わず笑みがこぼれる綾野さん

モントリオール映画祭出品決定の手紙を見て、思わず笑みがこぼれる綾野さん

学生からの質問コーナーでは、「俳優綾野剛さんとしての魅力は?」という問いに呉監督は、役者ではなく男としての魅力と前置きしつつ「母性本能をくすぐりつつ、年下の女の子からもこの人に守られたいという、つまり年上からも年下からも良いと思われる人」と表現すると、会場の女子学生も納得とうなずきます。

また「就活生にエールを送ってください」との願いに対しては、「影響されることを怖れず。変化することを怖れず。驕らず。媚びず。謙虚に。以上です」とクールにメッセージを送ると会場から大きな拍手が巻き起こりました。

そんな綾野さんですが、壇上に飾ってあった大学の学校章入りの看板を指して「これ、嬉しいんですよ。箱根駅伝が大好きで、選手とかがこういう看板の前でインタビューを受けるじゃないですか。さっきからずっとドキドキしてました(笑)」と、この時ばかりは興奮していました。

と、ここで重大発表が。
綾野さんに手紙が渡され、内容を見て思わず「えっ? あ、そう」と苦笑いの表情に、学生達も困惑気味。

手紙の中身は「第38回カナダ・モントリオール世界映画祭のワールドコンペティション部門」への出品が決まったという内容。このことが会場に伝わると、この日一番の歓声と拍手が飛び交います。実は、綾野さんには知らされておらず、まさにサプライズ演出。
「主役なんで言ってくださいよ」と苦笑していましたが、「この作品は何かしら形で評価して欲しいと思ったので、コンペに参加できるだけでも嬉しいです。こういう感情表現がヘタクソなんですが、心の中では、皆さんにダイブして波乗りをしている状態です」と喜びをかみしめます。

モントリオール映画祭の創設者から「綾野剛の寡黙な佇まいは、クリント・イーストウッドを思わせる」とコメントをもらい「そんなことはないと思いますが、光栄ですね」とここでも笑顔の綾野さんでした。

その後フォトセッションと花束贈呈が行われ、最後に「いい抜き方をして、いい意味でいい加減に、かつ謳歌してください」と大学生にメッセージを送り、試写会は終了しました。

映画『そこのみにて光輝く』は、4月19日(土)より公開です。

☆Information

映画『そこのみにて光輝く』
2014年4月19日テアトル新宿ほか全国ロードショー
原作:佐藤泰志
監督:呉美保
出演:綾野剛 池脇千鶴 菅田将暉 高橋和也 火野正平 伊佐山ひろ子 田村泰二郎
《公式サイト》
http://hikarikagayaku.jp/
(C)2014 佐藤泰/「そこのみにて光輝く」製作委員会

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