2022-1-7

ドラマ化もされた恩田陸氏の処女小説『六番目の小夜子』を、Jホラーの父・鶴田法男氏が総監督を務め舞台化！　舞台「六番目の小夜子」が、2022年1月7日に東京・新国立劇場小劇場にて公演初日を迎えました。
公開ゲネプロでの舞台写真とともに、主演・津村沙世子役の鈴木絢音さん(乃木坂46)と、共演する花宮雅子役の尾碕真花さん、関根秋役の高橋健介さんによる囲み取材レポートを、速報でお届けいたします。

ホラー×青春偶像劇の傑作、『六番目の小夜子』が初の舞台化！

舞台「六番目の小夜子」は、第3回ファンタジーノベル大賞で最終選考まで残った、恩田陸氏の処女小説『六番目の小夜子』(新潮文庫刊)を初めて舞台化。
『六番目の小夜子』は2000年にNHK教育テレビにてドラマ化され人気を集め、昨年7月のNHK総合での再放送も話題を呼び、舞台化の発表にも大反響が寄せられていました。

舞台「六番目の小夜子」メインビジュアル

舞台版のシナリオでは、小説のもつ空気感はそのままに、学校、演劇部という限られた時間・空間の中で起こる群像劇を、舞台、映像など各方面で活躍する若手俳優を中心に、ひやりとするような演出を交えながら描いていきます。
ビデオ映画『ほんとにあった怖い話』(1991年)とそのテレビ化、映画『リング0～バースデイ～』(2000年)や映画『おろち』(2008年)などを手がけ、“Jホラーの父”と呼ばれる鶴田法男氏を総監督に迎え、脚本は『ウルトラマンＸ』(2015年／脚本)や『ふしぎ駄菓子屋銭天堂』(2020年～放送中／シリーズ構成)の小林雄次さん、演出は映画『イニシエーション・ラブ』(2015年／脚本)や舞台「天才てれびくん the STAGE」(2020年／演出)の井上テテ氏が務めます。

また注目のキャストには、主人公となる謎の転校生・津村沙世子役に乃木坂46の鈴木絢音さん、演劇部部長の花宮雅子役には尾碕真花さん、「サヨコ伝説」の謎を追っていく関根秋役には高橋健介さん。さらに熊谷魁人さん、山内瑞葵さん(AKB48)、山本涼介さん、そして森下能幸さんが、演劇部の顧問・黒川先生役で名を連ねます。
そのほか共演には、飛葉大樹さん、仲美海さん(劇団4ドル50セント)、大原由暉さん、志田こはくさん、花崎那奈さん、緑谷紅遥さんといったフレッシュな若手キャストが揃いました。

【舞台写真】

この高校には「サヨコ伝説」という言い伝えがあり、その通りに始業式の日には花が……

“サヨコ”の名を持つ、ミステリアスで美しい転校生・津村沙世子(鈴木絢音さん)

演劇部部長・花宮雅子(右手前・尾碕真花さん)は、文化祭では舞台劇「小夜子」を上演しないと決めるが……

不可解な出来事に周囲が翻弄される中、「サヨコ伝説」の謎に迫る写真部の関根秋(右・高橋健介さん)

文化祭実行委員長の設楽正浩(左・山本涼介さん)も、「サヨコ伝説」に深入りしていく

何かに操られるように、次第に沢木容子(右端・山内瑞葵さん)ら演劇部の人間関係にも変化が

雅子は、バスケ部員の同級生・唐沢由紀夫(熊谷魁人さん)に想いを寄せており……

謎を追う男子生徒たちは、過去を知る演劇部の顧問・黒川先生(右端・森下能幸さん)に詰め寄る

多くの謎の渦中にいる津村沙世子と、過去の「サヨコ」とはどんな少女なのか

いよいよ文化祭の本番が迫る中、秋たちが取った行動、そして辿り着いた答えとは……

【ストーリー】
「サヨコ伝説」─3年に一度、
この学校に幸運をもたらす都市伝説。
だが、六番目のサヨコは恐怖をまとっていた！

高校3年生の演劇部、雅子が通う学校には「サヨコ伝説」という不思議な言い伝えがあった。3年に1度、生徒の中から選ばれる「サヨコ」は、3つの約束(・始業式に赤い花を生ける・文化祭で「サヨコ」の舞台を上演する・次の「サヨコ」を指名する)を果たす。他の誰にも「サヨコ」であることを知られずに遂行すれば、その年は進学率の向上など、幸運が訪れる。

その六番目の年。

始業式の朝、演劇部の部室に赤い花が生けられていた。そこに津村“沙世子”という謎めいた転校生が現れる。彼女は演劇部への入部を希望し、不思議な空気を残して去って行く。演劇部が文化祭の準備を進める中、部長である雅子は「サヨコ」の舞台を上演することに反対する。だが、演劇部の周囲で次々と不可解な現象が起きて行く。謎を追う秋。どうやら、その中心には沙世子の存在が……。

彼女は何者で、何を企んでいるのか、彼女が「呼ばれた」理由は？　「サヨコ」とは何なのか？　舞台「六番目の小夜子」は誰にも想像できない展開になっていく……。

公開ゲネプロの直後に舞台上にて行われた囲み取材では、キャストを代表して鈴木絢音さん(乃木坂46)、尾碕真花さん、高橋健介さんが登場。
それそれ今作の意気込みや、劇中の「サヨコ伝説」にちなんだトークを聞かせてくれました。

【囲み取材インタビュー】

鈴木　津村沙世子役、乃木坂46の鈴木絢音です。千秋楽まで元気に走り抜けられるようにがんばります！

尾碕　花宮雅子役の尾碕真花です。今日から初日が始まって、千秋楽まで気を抜くことなく、いい緊張感を持って頑張りたいと思います。

高橋　関根秋役の高橋健介です。大変人気の原作で、ドラマ版でもすでに一度成功されている作品なので、それに負けないような舞台を作れたらなと思ってやってきました。最後までぜひ、応援をよろしくお願いします。

――それぞれの役を演じる上で、苦労したことや、工夫した点はありますか？

鈴木　私は……動きを制限するのが、自分の中ではすごく苦労した点で。(普段は)ずっと動いている人間なので、ミステリアスさを出すためにピッと止まって演じています(笑)。

尾碕　私は少数派の、「小夜子」のお芝居に反対する人間になるんですが、でもそれは雅子にとっては3年間やってきた演劇部の最後の年に、自分のやりたい作品ができないなんて、っていう思いだったりとか、責任感や優しい想いもあるんですけど、ちょっと言い方やニュアンスを変えてしまうと、ただのワガママな子っていう印象になってしまうんじゃないかなと思ったので、そこはちょっと気をつけて演じるようにしています。

高橋　個人的な役作りもですが、まずは普通の高校生が集まっている部室っていう雰囲気作りや、できるだけナチュラルに、っていうところを最重要課題としてみんなでやってきまして。その中に、転校生っていう別の人が入る、その全体の雰囲気作りの方が今回は難しくて、最初は結構何回も繰り返しました。

――今回はJホラーの父とも言われる鶴田法男氏が総監督を務めていますが、鶴田さんについて印象的だったことは？

鈴木　セリフの言い方だったりとか、やっぱり普段やっているものとはちょっと違う感じで教えていただいたので、それが怖さに繋がっていたらいいなと思います。

尾碕　私は「じっと見てなかった？」というセリフがあるんですが、普通に言ったら「じっと見てなかった？」って短めなんですけど、そこを「もうちょっと印象付けたり、怖くしたい」って鶴田さんがおっしゃって、「じぃーーっと、見てなかった？」ってわざとやっているんです。ほかにも、確かにこれは言われないと自分じゃ気付けなかったな、っていう点が多々あって、こうやって恐怖を仕上げていくんだ、って思いました。

高橋　Jホラーの父ということで、怖い方なのかなって思っていたんですが全然そんなことはなくて。12月30日が鶴田さんの誕生日だったんですけれども、みんなでお祝いをしたら、「誕生日なんて、もうこの年になると嬉しくないよ」って言いつつも嬉しがっていました(笑)。そんな素敵な方でした！

――今作が2022年最初の作品になると思いますが、今年の抱負をぜひ！

鈴木　そうですね……のんびりと生きていけたらいいかなって思います。

高橋　珍しい抱負だね(笑)。

尾碕　私は、気取らず、気負わず、気楽に！　この三つの「気」を大事に、のんびり自分らしく過ごしていけたらと思っています。

高橋　僕は若い後輩たちがいっぱいできて、いつ追い抜かれるかとすごい心配なので、とにかく生き急いで！(笑)　「高橋健介ここにあり！」って感じでやっていけたらなと思います。

――尾碕さん、高橋さんから見た、主演・鈴木さんの印象をお聞かせください。

高橋　めちゃくちゃ変な子です(笑)。

鈴木　アハハ！

高橋　すごい嘘つきな子で……「毎日2時間半は半身浴をしている」って言っていたので、「やっぱりトップアイドルはすごいな」と。でもその話を聞いた次の日に、「昨日も2時間半入ってきた？」って聞いたら「昨日は30分でした」って言われて、「スゲー嘘つくじゃん！」って(笑)。
でもやっぱり真ん中に立つ人として、みんなを引っ張ってくれるような特別な存在感があったので、素敵な方だと思います。……今の、後半部分だけ使って下さい(笑)。

鈴木　ウフフフ！(大笑い)

尾碕　私はあんまり人と距離を縮めるのが得意じゃなくて、鈴木さんも人見知りっておっしゃっていたので、最初は距離感もあって、勝手にクールな方なのかなと思っていたんですけど……稽古中とか、何かみんながひとしきり笑い終わった後に別のところで笑っていたりして、「そこでそんな大笑いする！？」みたいなところで、ちょっと変だなって(笑)。
すごくゲラって言うんでしょうか？　よく笑うし、ツボが浅くて、私もゲラ気味なのでちょっと似ているなと見ていて……優しい方だと思っています(笑)。