多和田任益が三島由紀夫作品に挑む!役との共通点は“少年の心”!? 3/4開幕、unrato #8『薔薇と海賊』SPインタビュー【前編】

  • 2022-1-5

演出家・大河内直子氏とプロデューサー・田窪桜子氏による演劇ユニット「unrato(アン・ラト)」がお届けする、unrato#8『薔薇と海賊』(作:三島由紀夫、演出:大河内直子)が、2022年3月4日~13日に東京芸術劇場シアターウエストにて、3月25日~26日に大阪・茨木クリエイトセンターにて上演されます。

『薔薇と海賊』は1958年に発表され、同年に文学座が初演。思想的で高尚な三島由紀夫作品のイメージとはまた違った、虚実の夢と純愛が詰め込まれた異色のファンタジーです。

スマートボーイズでは、自分を童話の主人公だと思い込む青年・帝一を演じる多和田任益さんに直撃インタビュー! 戯曲の感想や役との共通点、作品への意気込みを熱く語っていただきました。その模様を前後編の2回に渡ってお届けします!

【あらすじ】
童話作家の楓阿里子邸。そこに、阿里子の童話のファンで30歳の松山帝一が訪ねてくる。帝一は、自分を童話の中の主人公・ユーカリ少年だと信じている知的障害の青年で、後見人の額間に付き添われてやってきた。楓邸は童話の世界のように仕立てられ、阿里子は19歳の娘・千恵子にも登場人物のニッケル姫の扮装をさせていた。帝一はこの家にずっと住みたいと言い出し、阿里子と帝一の夢の世界のような純愛が始まる。
千恵子は額間と出会い、押し込めていた本音があふれ出て来る。帝一の登場で、阿里子の夫の重政、その弟の重巳との館での生活にもひずみが生まれていくのだが……。

unrato #8『薔薇と海賊』は3/4~13・東京芸術劇場シアターウエスト、3/25~26・茨木クリエイトセンターにて上演!

unrato #8『薔薇と海賊』は3/4~13・東京芸術劇場シアターウエスト、3/25~26・茨木クリエイトセンターにて上演!

■多和田任益さん unrato #8『薔薇と海賊』インタビュー【前編】
――今回の作品は三島由紀夫氏の戯曲。三島由紀夫と聞くと、使われている言葉が難しかったり、高尚なイメージでハードルが高いと思ってしまう部分もあるかと思います。多和田さんは戯曲を読んでみて、どんな印象を持ちましたか?

多和田 やっぱり読む前は、三島さん……難しそう! って思っていました(笑)。不勉強ながら、最初は歴史的仮名遣いを読み慣れていなくて。ふだん台本を読んでいても詰まらない所で詰まることが、この作品の最初の壁でした。でもそれが嫌じゃなくて、不思議とすぐに慣れました。これさっきも出てきたからこういうことか! みたいな感じで、だんだん楽しくなってきて、後半はサクサク読めた印象があります。

――物語の中では阿里子と帝一の純愛が始まります。突き詰めたような、究極の愛の形ように感じながらも、どこか歪な印象も受けましたが……。多和田さんは、2人の純愛についてはどう思われましたか?

多和田 愛がどうとか語れるほどの経験が僕にはないですけど……。でも、愛には色んな形があるので、こういう愛もあるんだと知れたことは大きかったです。本人たちが愛と感じて向き合っているのなら、それが愛なんだと、僕は感じました。お芝居として、その経験ができるのは楽しみですね。ただ、絶対難しいだろうなとも思いました(笑)。

帝一役/多和田任益さん

帝一役/多和田任益さん

――多和田さんが演じる帝一はなかなか難しそうな役どころですよね。

多和田 そうなんです。今まで演じたことがない役柄です。戯曲を読んだときも難しそうだなと思ったんです。ただ、難しい思ったとき、どうしたらいいんだろう? とか、これできるかな? と思ってしまうんですけど、今回それはなかったんですよ。帝一の気持ちが分かるといいますか、帝一の言動を不思議に思わなくて。むしろ、そうだよねって共感する部分が多かったです。なので、感じたままに演じてみようかなと思いました。

――帝一とリンクすると感じるのは、例えばどんな所でしょうか? 童心を持ち続けているといった部分とか……?

多和田 それです! 僕も共演者さんや演出家さんたちに「いい意味で子供っぽい」とよく言われるので(笑)。「見た目は大きくて黙っていたらクールそうなのに、好きなことの話になると子供みたいだね」と言われることがあります。前はそう言われるのが恥ずかしかったんですよね。でも、人の目を変に気にせず自分らしく好きなことを好きって言えるのっていいことだなと、役者を始めて色んな人と接するようになってから感じるようになりました。帝一ほどではないですけど、僕にもそういうずっと変わらず持っているもの、真っ直ぐさや純粋さが少なからずあるのかなって思います!

――なるほど!

多和田 子供って好奇心のままに怖がらずに行動することがあるじゃないですか。帝一もそのように生きているのが素敵ですね。

――帝一は自分のことを童話の主人公だと信じているくらい、ピュアでもありますね。

多和田 僕の経験で言うと、これまで何度か特撮作品に出演させてもらっていて。もともと子供の頃から特撮に憧れがあって、自分がヒーローになれるならなりたいと思っていました。それが芸能界に入るきっかけにもなっていて。俳優になってからはヒーローを演じたいという夢を持って、叶えるまで頑張り続けました。オーディションに落ちても頑張ろうと思えたのは、好きな気持ちと憧れがあったからで。周りになんと言われようと、自分がやりたいと思ったら突き進んでやってやる!って思うところは、帝一に似ているのかな……。

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――ヒーローへの憧れも帝一と通ずるところですね。ちなみに、今も残っている少年の心は特撮への愛以外の場面でも発揮されることはあるんでしょうか?

多和田 短編映画(『サンタクロースをいつまで信じてた?』)の撮影をしたとき、子役の子供がいたんですよ。確か5歳くらいの子だったんですけど、話がすごく合って。その子もポケモンが好きっていうのが控室から聞こえてきて。その子とは親子の役だったから、距離を縮めたくて、空き時間にコンビニでポケモンのお菓子を買って、「よろしくお願いします」って挨拶しながら渡したんです。「お兄ちゃんもポケモン好きなんだよ~。なんのポケモンが好きなの?」って、短時間でがっつりしゃべれて。5歳の子と同じ目線でラフに話せたってことは、僕にも子供心が残っているってことなのかな(笑)。

――そのときに共演した子役のキャストさんは、きっと嬉しかったと思います。

多和田 あ。そういえば、その子が先に帰ったんですけど、寂しそうにしていました。お母さんが「帰るよ」って連れられながら、見えなくなるまで「バイバーイ」って手を振ってくれていました。

――ホッコリするお話ですね。今回の共演者陣の中では、気になる方などはいらっしゃいますか?

多和田 皆さん、初めまして! 最近だと1人くらいは共演経験があって「久しぶり~」って挨拶する現場がほとんどだったんですけど。今回は珍しく初共演の方ばかり。色んな場所で活躍されてる方々と馴染めるのか……ちょっとドキドキしています。霧矢大夢さんは大人なイメージです。今までも宝塚ご出身の女優さんとご一緒する機会が何度かあったんですけど、皆さん個性が豊かで。でも、共通しているなと感じたのがすごく芯がしっかりしていらっしゃること。皆さんアネゴ肌というか、現場にいてくれるだけで空気が引き締まるし、みんなと対等に優しく接してくださる印象があったので、きっと霧矢さんも演じられる阿里子のような芯の通った女性なんじゃないかなと勝手に予想しています。それに霧矢さんと同じく、僕も関西出身なので仲よくなれたらいいなって思いました(笑)。役の関係性的にも、共通点が1個あるのは嬉しいです。こう見えて意外と緊張しぃなので、人見知りしてしまうんですけど、「僕も関西なんですよ」のひと言ををきっかけに、色々話せたらいいなと思っています。

――共通点が1つでもあると、会話がしやすくていいですよね。

多和田 他の方とも共通点を探していて。たとえば、須賀(貴匡)さんもライダー俳優なんですよね。子供の頃、須賀さん主演の『仮面ライダー龍騎』を見ていたので、テンション上がりました。この間、(本作演出の)大河内さんの舞台を見学させてもらったときに、たまたま須賀さんとお会いしたんですけど、緊張しすぎてあんまり話せなくて。なんなら、それより前に「仮面ライダージオウ スピンオフ RIDER TIME 仮面ライダー龍騎」と「仮面ライダージオウ スピンオフ RIDER TIME 仮面ライダーシノビ」の舞台挨拶でお会いしたとき、ご挨拶だけさせてもらったんですよ。でも、「シノビのほうの仮面ライダーに出ています。多和田です」くらいしか言えなくて。うまく日本語がしゃべれてなかったんで、僕の様子おかしかったと思います(笑)。稽古のときはそうならないように、色々お話したいです!

――再会が楽しみですね。

多和田 そうですね。ファンとしてはただ会えることが嬉しいです。でも、役者としては、子供の頃に見ていた作品に出られていた方と、演劇でご一緒できることが嬉しいです! 多和田としても、役者としてもすごく光栄です。この作品の出演が決まったとき、大人になったら共演するよ~!」って、子供の頃の自分に言いたいと思いましたもん(笑)。

【後編に続く】
unrato#8『薔薇と海賊』は、東京公演が2022年3月4日~13日に東京芸術劇場シアターウエストにて、大阪公演が茨木クリエイトセンターにて2022年3月25日・26日に上演。チケットの一般販売は1月15日10時からスタートします。公演情報の詳細は、Informationをご確認ください。


【お知らせ】
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☆Information

【公演タイトル】unrato#8『薔薇と海賊』

【日程・会場】
■東京公演:東京芸術劇場シアターウエスト
(〒171-0021 東京都豊島区西池袋1-8-1)
2022年3月4日(金)~13日(日)

■大阪公演:茨木クリエイトセンター
2022年3月25日(金)・26日(土)
大阪公演に関するお問い合わせ先 072-625-3055

【出演】
霧矢大夢 多和田任益 田村芽実 須賀貴匡 鈴木裕樹
大石継太 飯田邦博 羽子田洋子 篠原初実 松平春香

【入場料(東京公演)】
一般 6,800円
学生 3,800円
高校生以下 2,800円
※学生、高校生以下は一般発売日から当日引換券での発売。
公演当日、要学生証提示。

【スタッフ】
作:三島由紀夫 演出:大河内直子 音楽:阿部海太郎
美術:石原敬 照明:大島祐夫 音響:早川毅
衣裳:前田文子 ヘアメイク:国府田圭
舞台監督:鈴木政憲 制作:村田紫音
プロデュース:田窪桜子(アイオーン)/西田知佳(ぴあ)
企画・製作:unrato 主催:アイオーン/ぴあ

【チケット発売(東京公演)】
■一般発売 2022年1月15日(土)10:00~
※未就学児の入場は不可とさせて頂きます。
※今後の感染症対策は感染状況や政府等の要請により変更となる場合もございます。ウエブサイトやSNS等でお知らせしますので、ご確認くださいますようお願いします。

【チケット発売プレイガイド(東京公演)】
■チケットぴあ https://w.pia.jp/t/baratokaizoku/
■東京芸術劇場ボックスオフィス https://www.geigeki.jp/t/
■イープラス https://eplus.jp/baratokaizoku/
■カンフェティ http://confetti-web.com/baratokaizoku

【チケットに関するお問い合わせ先】
チケットぴあ 0570-02-9111(10:00~18:00)

【公演に関するお問い合わせ先】
baratokaizoku@ae-on.co.jp

《公式HP》
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000002055.000011710.html

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