2021-3-13

今年20周年を迎える畠中恵氏の人気小説「しゃばけ」シリーズを原作にした舞台『シャイニングモンスター～ばくのふだ〔Shining編／Shadow編〕～』が、3月13日より東京・渋谷のCBGKシブゲキ!!にて開幕しました。

これまで多くのメディアミックスで成功をおさめ、発行部数890万部を突破した小説「しゃばけ」は、病弱だけど優しくて知恵の働く若だんなの一太郎が、妖(あやかし)の力を借りてお江戸に起こる難事件を解決していくファンタジー時代小説。

過去、何度も舞台化、ミュージカル化されてきた「しゃばけ」を、新たなキャスト＆スタッフで送る舞台版の今作は、演出に錦織一清氏を迎え、主人公・一太郎役の前川優希さんをはじめ、仁吉役の井澤勇貴さんに佐助役の小沼将太さん、反橋宗一郎さん、磯貝龍乎さん、阿部大地さんといった歌やダンスに定評のある実力派若手俳優が揃いました。

開幕前日に公開ゲネプロ及び会見挨拶が行われ、前川さん、井澤さん、小沼さん、反橋さん、磯貝さん、阿部さんに真城めぐみさん、錦織氏が登壇。開幕に向けての意気込みを語りました。

（左前列より）阿部大地さん、反橋宗一郎さん、磯貝龍乎さん
（左後列より）真城めぐみさん、井澤勇貴さん、前川優希さん、小沼将太さん、錦織一清さん

前川　一太郎は芯が強いが体が病弱という設定で、一人ではなかなか生きることは難しいかもしれませんが、現代に生きる僕らも同じだと思います。演劇や役者という稼業に携わせていただいている僕らが感じていることですし、一人では舞台に立つことも出来ません。作品を観ていただく方がいて初めて成立するものだと思っているので、そういうメッセージを込めつつ、大切に妖たちと日々を生きて、皆様に素敵な思いをしていただけたらと思います。

井澤　前作の(ミュージカルの)「しゃばけ」の魅力も出しつつ、今回は一風どころか八風ぐらい変わっていまして、「こういうしゃばけもあるんだよ」というのを提示したいです。こういうご時世において、フランクに笑っていただけるような作品になっていますので、21日まで怪我無く頑張りたいです。

小沼　稽古場から錦織さんが笑わせてくれて、そのパワーが皆様に届いたらいいなと思い、今この場に立っております。そのパワーを与えることによって、お客様が元気になることが僕の役目だと思うので、稽古場でもらったパワーを観に来てくれた方々に伝えられるよう、一生懸命頑張ります。

反町　ゲネの最中でも聞こえていた錦織さんの笑い声、あれを稽古場から下さっていて、いい意味で稽古中みんなで遊びながら作っていました。錦織さんはすべてのセリフを覚えていて、耳で聞いてその場で思ったことを全部言ってくれるので、それで僕らもフランクに立てるのかなと。2.5次元作品かもしれませんが、全く2.5次元っぽくない作品に仕上がったなと思っています。

磯貝　今作品は、特にどうってことが起こることはないんですけど、そのどうってことが起きようが起きなくても、なんでもないような幸せだったり、そういうことを気づかせてくれるのがシャイニングモンスターかと思っております。何でもないようなことが幸せだったようなことを思い出す……(反橋さんから「ロードか！」のツッコミが)。普通の生活を取り戻すために、皆様頑張っていきましょう！

阿部　この座組に入ってみて、この時期にこんなに楽しくていいのかなと日々思っていました。Shining編もShadow編も素敵な作品になっていますので、是非お越ししていただいて、楽しんで帰っていただきたいです。

真城　私は唯一、錦織さんと同じ年なので、錦織さんのギャグがズボズボ入って、稽古中も馬鹿笑いしていました。普段少し畑の違うところにいる人間ですが、目指すところは一緒ですので、一人でも多くの方に観ていただいて、笑っていただけたら幸せです。

錦織　いろいろな大変な時期に制約がある中で、通常以上に舞台のお仕事が出来ることに感謝の気持ちを持って作らせていただきました。僕の中では、お芝居をカジュアルなものに作っていきたいといつも思っているんですが、若い方たちと一緒にお仕事をさせていただいて、フラっと来てくれるような感じで軽く観られるいいお芝居が仕上がりました。コロナ禍でも数多くの方たちに認識していただきたいと思います。

会見挨拶後には、前川さんと錦織氏の2人による囲み会見が行われ、それぞれの印象についてコメント。
前川さんは「稽古中では錦織さんにいろいろな質問をさせていただくことが多かったんですけど、真摯に答えてくださりつつ笑わせていただいて、楽しい稽古期間でしたしあっという間に感じました。稽古場で錦織さんは前にいることがあまりなく、袖や後ろの方にいることが多く、全体を見渡していたり、耳で聞こえるものを大事にしていらっしゃることが多い印象で、僕らと同じ目線に立ってくださることがすごく嬉しくて、一緒に楽しんでくれたり、一緒に悩んでお互いに意見を出し合える関係が嬉しかったです」と感謝を口にし、錦織氏は「つい最近まで若い後輩たちがいっぱいいたところにいましたが、そういった同年代ぐらいの前川さんと一緒にやらせていただきまして、今の若い後輩たちは心が豊かで優しい子が多いなと感じていますし、彼らのパワーや優しさを勉強させてもらうことが多かったです」と高評価でした。

また、錦織さんのギャグについて「錦織さんはこれまでいろいろなお仕事をされている方なので、ギャグの度に出てくるお名前が著名人過ぎて、笑っていいのか戸惑うことはありました(笑)。ギャグ自体は面白かったですけど、その著名人を名前をこの場で公開することは出来ませんね」と苦笑いする一幕も。