2020-3-16

舞台「あずみ～戦国編」の公開稽古が3月14日に、東京・Bunkamuraシアターコクーンにて行われました。スマートボーイズでは、公式より到着したオフィシャルレポートをお届けします。

原作は、1994年から2008年にかけて小学館「ビックコミックスペリオール」にて連載された小山ゆう氏の人気コミック「あずみ」。
舞台版では2005年に黒木メイサさんが明治座で最年少座長の記録を作り、2016年には川栄李奈さん主演で上演しています。

今回の四代目「あずみ」は、アイドルグループ欅坂46を卒業後、ドラマや映画、舞台を中心に活躍するい今泉佑唯さん。
共演には、『仮面ライダーエグゼイド』の瀬戸利樹さんや、様々な舞台で実力を発揮し注目を浴びている味方良介さん、高橋龍輝さん、神永圭佑さん、小松準弥さんが名を連ねます。

本作は、3月14日に初日を迎える予定でしたが、新型コロナウイルス感染拡大の影響を受け、3月20日に開幕を延期。
構成・演出を手がけた岡村俊一さんは、「これは全員で決めた苦渋の選択です。ですが『演劇』という文化が人生に不要だとは思
わない。だから作品の完成度はもちろん、感染防止も万全の体制でお客さまをお迎えしたい」と、カンパニーを代表して心情を明かしました。
劇場受付には観客のために除菌水の噴霧器が用意され、ステージ奥の搬入口は開放したまま。開演5分前に鳴る１ベルで緞帳が下げられ、ようやく閉じられるとのこと。さらに劇場の扉も同じく開演直前まで開放。徹底した換気は一幕と二幕の間の休憩時間も実施。それだけの備えをもって、新たな20日の初日へと挑みます。

【公開稽古オフィシャルレポート】
換気のため直前まで舞台奥が開放され、外が丸見えだった、その空間は再び緞帳が上がったときには、すでに戦国の世だった。
親の顔も知らない少女・あずみ（今泉佑唯さん）は師と仰ぐ月斎（山本亨さん）に無邪気に剣を教わりながら、仲間たちとともに育つ。いつか刺客として数多の者の命を奪う宿命を負うことになるとも知らず。
やがて、あずみは望まぬまま、その苛烈さで周りにいる者たちの人生を焼き尽くし変えていく。
ともに育ち淡い恋心を抱く、うきは（瀬戸利樹さん）は己の思いに気付き真っ直ぐに、あずみを「生かす」ことを選ぶ。刺客と知らず、その純真無垢な心に惹かれた心優しい太閤秀吉の遺児・豊臣秀頼（神永圭佑さん）は、あずみへの愛ゆえに幸せな夢を見て、しかし己の責任を知り慟哭する。秀頼の母にして秀吉の側室・淀の方（有森也実さん）は恐ろしく、けれど凛とした美しさで母としての愛を貫く。そして、心から愉しそうに殺戮を繰り返す禍々しい刺客・美女丸（小松準弥さん）は人知れず暗躍する。
あずみに暗殺された加藤清正（久保田創さん）に仕える井上勘兵衛（吉田智則さん）もまた、己の信じる道を往く。
そのすべてを見届ける勘兵衛に仕える忍び・飛猿（味方良介さん・高橋龍輝さんＷキャスト）は静かに、あずみの行く先を見守る……。

殺陣がすごい、心が痛い、想いが切ない、決して平等ではない立場に生まれた者たちが運命にあがき、生き、死んでいく姿が描かれる。戦国、という激動の乱世に振り回される人間の姿に観るものは、きっとなにか大切なものを受け取ることだろう。

【舞台稽古オフィシャルショット】