笠原浩夫・松本慎也・松村泰一郎・馬場良馬が語る見どころとは?Studio Life×東映ビデオ 舞台プロジェクト「死の泉」SPインタビュー

  • 2020-2-12

男優が女性役をも演じるという独特の手法をとり、耽美な世界観と美しく繊細な舞台演出で確固たる人気を誇る劇団スタジオライフの代表作の一つに挙げられる舞台「死の泉」が、2月27日より東京・紀伊國屋ホールにて、3月13日より大阪・近鉄アート館にて上演されます。

今作は、今年35周年を迎える劇団「スタジオライフ」と「東映ビデオ」が共同プロデュースし、新たなコラボレーション作品を生み出す「Studio Life×東映ビデオ 舞台プロジェクト」の第1弾公演で、原作の「死の泉」は、第32回吉川英治文学賞をはじめ、「週刊文春ミステリー・ベスト10」第1位、「このミステリーがすごい!」第3位などを受賞した直木賞受賞作家・皆川博子さんの代表作。これまで劇団スタジオライフ公演として1999年の初演以降何度も上演され、今回は約12年ぶりの再演。笠原浩夫さん、松本慎也さんといったスタジオライフメンバーに加え、今回は馬場良馬さん、松村泰一郎さん、竹之内景樹さん、松村優さん、滝川広大さん、宮崎卓真さんら、若手俳優を迎え、新たな「死の泉」をお届けします。

スマートボーイズでは、クラウス役の笠原浩夫さん、マルガレーテと少年フランツの2役を演じる松本慎也さん、青年エーリヒ役の松村泰一郎さん、青年フランツ役の馬場良馬さんの4名にSPインタビューを実施。今作の見どころや意気込みなどを語ってくれました。

(左より)松本慎也さん、松村泰一郎さん、馬場良馬さん、笠原浩夫さん

(左より)松本慎也さん、松村泰一郎さん、馬場良馬さん、笠原浩夫さん

――よろしくお願いします。スタジオライフさんの代表作の一つに挙げられる「死の泉」が、東映ビデオさんとの初コラボ企画で上演されるということで、まずこのお話を聞いたときの第一印象はいかがでしたか。

笠原 新しい刺激が必要な時期ってあると思うんですけど、今回はいろいろな刺激が満載で、馬場さんや松村さんが出て下さりますし、新しいお客さんが観ていただけると思いますし、本当に楽しみでしかないですよね。

松本 いやもう、右に同じです(笑)。たくさんの方々の力添えをいただいて、やっぱり一番はいいものを作ることだと思うので、みんなで力を合わせて良い作品にしたいと思っています。

松村 まずは何よりも、スタジオライフからお話をいただいたということが衝撃過ぎて(苦笑)。きっと東映ビデオさんとスタジオライフが……いやスタジオライフさんが……。

――松村さんは昨年8月に在籍していたスタジオライフを退団したばかりなので、まだ慣れていないですよね。

笠原 ぎこちないよ(笑)。

松村 東映ビデオさんとスタジオライフさんが一緒にやるからこそ、お声をかけていただけたと思うので、すごい有難いです。

馬場 僕はスタジオライフさんの作品に出演させていただくのは初めてで、東映ビデオさんと一緒にやるプロジェクトならではの面白さを見せていかなければいけないですし、ベースとなるスタジオライフさんの世界観で、自分なりに自分らしくスタジオライフさんに染まっていければと思っています。

――今回上演する「死の泉」は約12年ぶりの再演となります。劇団員の笠原さんと松本さんにとって、この12年という年月は長く感じましたか?

笠原 どうでしょうかね。僕が「死の泉」に出演することはもうないだろうなと思っていましたし、今後再演があるかどうかもわからなかったので、まずは驚きと、もう一度あの世界観を表現できる嬉しさというのはあります。

松本 前回から12年も経ったんだという気持ちで、もっと最近の作品だと思っていたので、まずは「12年」という時間にビックリしました。12年前の時は外部の舞台出演と重なっていたため出演していなかったんですよ。でも他の劇団員から「出てなかったっけ?」って言われて(笑)。その時は客席から観劇していたんですが、今回出演することが出来て嬉しいですし、今から楽しみです。

――先程もチラッと触れましたが、松村さんはスタジオライフを退団してから半年足らずで出演するということで、きっとファンの方もビックリされたかと思います。が、きっと松村さんご本人が一番ビックリされたのではないでしょうか。

松村 はい。僕が一番ビックリしたと思います。Twitterで出演の告知したをした際、在籍時から応援していただいた方からコメント欄に「おかえり」って書き込んでいただいて、すごく嬉しかったです。あとはスタジオライフさんの“懐の深さ”が広すぎるなって思っていて、退団する際に(スタジオライフ演出の)倉田さんから「役者を続けていればどこかで会うことがあるから」って言っていただいて、この言葉を胸に秘めてこれから頑張っていこうと思っていたので、まさかこんなに早くなるとは正直思っていなかったです(苦笑)。スタジオライフさんの公演に出演するのは3年ぶりなので、「この間の3年は無駄にしていなかったぞ!」という風な態度で示せていければいいなと思っています。

笠原 今の言葉、倉田さんに伝えておくわ。

松村 まだちょっと言わないでもらっていいですか(苦笑)。

――馬場さんはこれまでスタジオライフさんの公演をご覧になったことはありますか。

馬場 拝見したことはないとは思うのですが、劇団員の方との共演はあります。それこそ笠原さんとは外部の舞台でご一緒させていただいたりして、すごく尊敬できる素敵な役者さんばかりですし、スタジオライフさんといえば、女性役も男性キャストが演じるというイメージは常々思っていたので、今回女性役が来たらどうしようと思ったりしましたが、無事青年役を演じるのでホッとしています。

笠原 いやいや、わからないよ。突然「この女性の役もやって欲しい」って言われるかもしれないし。

馬場 そうですね。役者としては幅を広げていきたいなと思っています。せっかくこんな素敵な機会はなかなかないので、稽古場で松本さんが演じる女性らしさや女性でいることの立ち振る舞いを勉強させていただいて、いつか自分のものに出来たらいいなとは思っています。

笠原浩夫さん(クラウス役)

笠原浩夫さん(クラウス役)

――お話を伺っている時点では、まだ稽古前ではありますが、現時点で何か役作りのプランなどありますか。

笠原 役作りとしてはまだ何も始まっていませんが、僕が演じるクラウスという役は、他作品で演じた「オペラ座の怪人」のファントムに通じる狂気をはらんだ人物なので、そういう人間の思考回路はどうなっているのかなというのは調べたおきたいですね。

――松本さんはマルガレーテと少年フランツを演じます。

松本 12年前の再演を客席で観劇した時に「自分が演じたらこうやるのに」とか「もっと自分だったらこうしたい」という思いがあった役だったので、その役を演じられるのは嬉しいですし、何よりも久しぶりに笠原さんと一緒にお芝居をできるのは本当に嬉しいです。お2人以外にも客演として出演してくれる方々がいるので、倉田が演出するスタジオライフの代表作の中で、みんながどんな色を持ってきてくれるんだろうという相乗効果と各々の化学反応が楽しみで、早く稽古が始まらないかなって思います。

松本慎也さん(マルガレーテ役≪Aキャスト≫、少年フランツ役≪Bキャスト≫)

松本慎也さん(マルガレーテ役≪Aキャスト≫、少年フランツ役≪Bキャスト≫)

――笠原さんと松本さんの共演は、長年スタジオライフさんの応援しているファンの方も喜んでいらっしゃると思います。

笠原 僕は久々にスタジオライフの公演に出演するので、「復活ですよ~!」とファンの方には伝えたいですね。

――12年前といえば、まだ松村さんはスタジオライフさんに在籍していなかったんですよね。

松村 作品の存在は先輩方からよく聞いていましたし、世界観もスタジオライフさんらしい作品だと思うので、その作品に帰って来られるというのが、実は楽しみではなくて、プレッシャーが一番でかいですね。

笠原 倉田さんから愛のあるダメ出しを言われることが多かったよね。

松村 はい。ただ今回ダメ出ししてもらえないと、それはそれで切ないものがあると思います。

笠原 いや~、ダメ出しされる姿が目に見えるわ(笑)。

松本 でも客演さん扱いだから、優しくしてもらえるんじゃないかな。

松村 それが切ないんですよ(笑)。ボコボコにされたい気持ちとボコボコにされたくない気持ちの間で揺れている複雑な心境です。

松本 この取材の前日に、彼とどう接するかについてちょっとだけ劇団員と話したんですが、劇団員として扱っても、客演として扱っても、どちらにしてもイジリになって喜ぶんだろうなという結果に行き着きました(笑)。

松村 イジられ担当です(笑)。

松村泰一郎さん(青年エーリヒ役≪Aキャスト≫)

松村泰一郎さん(青年エーリヒ役≪Aキャスト≫)

――馬場さんは青年フランツを演じます。初演の台本をご覧になったそうですね。

馬場 はい。初演の時に青年フランツを演じていたが笠原さんで、こうして笠原さんとご一緒できることは有難いです。台本を読んで素直に面白い作品だなと思いますし、クラウスは人間臭くて本能のままに生きている人で、僕も年を重ねてこういう役を演じられる役者になりたいと思える役に出会たというのもありますし、台本を読んで面白かった感情を大切にして、舞台で具現化できて、さらにもっといいものをお客様にお届けできるようにやりたいなというワクワク感はあります。

――そういえば昨年、劇団スタジオライフが馬場さんが所属する株式会社トキエンタテインメントとマネジメント協力を結びましたね。

馬場 そうですね。そういった御縁もあって、今回の出演は僕にとってチャンスだと思うので、ちゃんとここで提示できるものがあったらいいなと思います。

――もしかしたら、今回の出演をきっかけにスタジオライフさんに入団するかもしれませんよね。

笠原 来てくれるんですか!!

馬場 来てもいいんですか!!

(一同笑)

馬場良馬さん(青年フランツ役)

馬場良馬さん(青年フランツ役)

――先程笠原さんもおっしゃっていましたが、初めてこの作品をご覧になる方が多いと思います。その方たちに向けての見どころを教えていただけますか。

笠原 いろいろ設定が複雑な部分がありますけど、要は「人間ドラマ」であって、人間同士の愛の話が際立って書かれている作品です。ちょっと切ない美しさがあるので、純粋にそういった部分を楽しんでもらえればと思います。

松本 とにかく原作がめちゃくちゃ面白いんですよ。皆さんに楽しんでいただける素晴らしい作品ですし、僕らが舞台上でやることは相手と会話をして心を動かしていくことであって、その心の変遷がきっと観てくださるお客様に一番楽しんでいただけるところだと思っています。ある意味極限状態での会話の中でみんなが大きく心を動かしていくという、現実世界ではないものが舞台上で繰り広げられるので、お客様にも心を震わせていただける作品にしたいです。

松村 おそらく2.5次元作品で初めて舞台を観たという方がいると思いますが、舞台の幅ってこんなに広いんだよというのをお客さんに伝えられたらいいなと思います。上演中はすごく濃密な時間になると思うので、「こんなものがあるんだ!」という衝撃を受けて欲しいですし、個人的には自分の新しい一面も見てもらいたいというのがあって、「こんな人だったんだ!」と思ってもらえたら嬉しいです。

馬場 今作の出演告知をした際に、「すっとスタジオライフを応援していました」とか、「12年前の再演も観ていました」とか、それこそ「初演も観たことがあります」というファンの方が非常に多かったです。
ちゃんとスタジオライフさんの良い世界観を浸って「これぞスタジオライフだ!」という作品を一役者として提示が出来たら、初めて観に来ようが、スタジオライフさんをずっと応援してくださる方であろうが、多分伝わるものは一緒であって、設定の難しさに関して最初のうちはあると思いますが、それ以上にそこで命を削って生きているキャラクター達がいるので、そのところに僕たちがどれだけ嘘をつかないでこう生きられるかというところが出来れば、絶対に楽しんでいただける作品だと思います。

――最後に公演を楽しみにして下さっているファンの方へのメッセージをお願いします。

笠原 「スタジオライフ×東映ビデオ 舞台プロジェクト」という初めての試みだからこその“新しい出会い”がたくさんありますので、僕らが楽しんでいる姿を観ていただきたいというのと、久々の上演となる「死の泉」という作品は、ものすごく重厚なドラマですが、そこにはシンプルな愛が満載なので、その部分を感じてもらいたいです。

松本 この作品には、魅力的がキャラクターたちがたくさんいます。外部で出演される方と劇団員とは整わなくていいと思っていて、みんなでいろいろな色を出しながら、ぶつかり合いながら、その結果良いものが出来たらいいなと思います。個人的にはマルガレーテと少年フランツと全くタイプが違う役で笠原さんと一緒にお芝居が出来るので、魂込めて演じていきたいです。

松村 スタジオライフさんの公演に出演するのは久しぶりです。客演という立場になりましたが、そんなことを言っている暇はないと思っていて、とにかく僕自身も泥臭くやっていこうと決めているので、熱く演じていけたらと思います。

馬場 初めてスタジオライフさんの作品に関わらせていただきます。やらなければいけない課題はたくさんあると思いますが、初演で青年フランツを演じられた笠原さんが隣にいて心強い面もありますし、共演したことのある松村さんがいたりして、縁ある今回のタイミングでこうして参加できているので、みんなで一生懸命素敵な作品を演じられたらいいなと思います。僕も松村さん同様、泥臭く頑張っていきます(笑)。

Studio Life×東映ビデオ 舞台プロジェクト「死の泉」は3月8日まで新宿・紀伊國屋ホールにて東京公演、3月13日より近鉄アート館にて大阪公演がそれぞれ上演。詳細はInformationから公式サイトをチェックしてください。

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☆Information

Studio Life×東映ビデオ 舞台プロジェクト「死の泉」

舞台「死の泉」
≪日程・会場≫
【東京】
2020年2月27日(木)~3月8日(日)紀伊國屋ホール
【大阪】
2020年3月13日(金)~15日(日)近鉄アート館

原作:皆川博子「死の泉」(ハヤカワ文庫)
脚本・演出:倉田淳

出演:笠原浩夫、馬場良馬、松村泰一郎、竹之内景樹、松村優、滝川広大、宮崎卓真、松本慎也、関戸博一、澤井俊輝、宇佐見輝、山本芳樹、曽世海司、船戸慎士、大沼亮吉、吉成奨人、伊藤清之、鈴木宏明、前木健太郎、富岡良太、倉本徹、石飛幸治、藤原啓児 ほか

≪公式サイト≫
http://www.studio-life.com/stage/shinoizumi2020/

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